株やFX には上がりやすい月と下がりやすい月がある

相場の世界では、「説明はつかないけどよく当たる」、アノマリーという現象があります。

中には格言と言われているものも含みますが、相場に内在する、サイクル、季節性、クセを攻略し、アノマリーを意識してトレードする投資家も多いため、結果的にアノマリーの通りに相場が動くことが見受けられます。

アノマリーを活かした投資法を知っていると、効果的に投資、或いは、適切でないタイミングでの投資を回避でき、失敗確率が下げられる可能性が高まります。知っていて損のない情報です。

本記事では、6月のアノマリーについて触れた上で、現在、米国経済に見える変調を、長期的サイクルの観点から俯瞰的に押さえておきたいと思います。

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月別アノマリー投資

相場には、月ごとに特有の動きがあります。毎年そのルールが当てはまるとは言えませんが、相場の傾向を把握したうえで売買戦略を考えた方が成功確率は高まることは間違いありません。

以下のアノマリー投資本は是非、一読をおススメします。

【短期目線】6月:相場の転換点

4月:逆張りの月

6月のアノマリー

6月も5月に引き続き、「相場の転換点」となりやすい傾向があります。
その理由は、米国債10年金利が年間の底や天井を付けやすい時期だからです。為替も株も金利の影響を強く受けるため、この時期は、為替も底や天井をつけやすい傾向があります。

重要日

今月は、金融市場の変化に大きな影響を与えやすい事項が様々あります。

相場変化が起こりやすい重要日

6月1日    :重要変化日(金・銀)
6月3日    :水星の逆行 最終日
6月14日   :満月
6月15日   :重要変化日(米10年債)
6月21日   :重要変化日(穀物)
6月21~22日 :重要変化日(米国株、日本株)
6月29日   :重要変化日(原油)
6月29日   :新月
6月30日   :重要変化日(金・銀)

水星の逆行」が6月3日に終了することで、少し安定感がでる可能性はありますが、上述の通り、米国のインフレは依然高いままであり、市場は大きな不安を抱えたままです。

金融市場の現状

今、米国で一番の問題になっているのは物価の上昇(インフレ)です。しかし、物価は以前高いままです。

再び上昇したインフレ率

アノマリー的には米国債10年金利が年間の底や天井を付けやすい時期ですが、5月9日に3.2%をピークに2.7%台まで下落した米国債10年物金利が、再び3.0%に戻す動きを見せています。通常の傾向通り、6月中にピークアウトするのかを見定めたいところです。


消費者物価指数とFF実効レート(長期チャート)


米国10年物金利-FFレート、消費者物価指数


米国10年物金利(日足チャート)

FRBも手探り状態

現在、FRB自身も、インフレ率を見ながらの手探りで金融政策の舵取りを行っています。そのため、市場関係者が気にしている「今後の利上げの行方」も明確には見えてきません。

インフレ率がインフレ目標である2%付近までするする落ちれば、株式は買いやすい状態に戻ると思われますが、今時点ではそのような展開になるようには見えません。このままインフレ率=消費者物価が高いままでは、賃金が下降傾向にある中、米国国民の家計は苦しさを増していきます。となると、投資に回す資金を確保するのは困難になるどころか、保有中の資産を売却する方向に向かう可能性も高まっていくことになります。


消費者物価指数と賃金(平均時給)

円安は加速

米国10年物金利の上昇を受けて、一旦収まりかけた円安が再び加速。前回の高値を突破し、ドル円は133円台に突入しています。2002年につけた最高値135円に向かう様相を見せています。
資産を円で持っている限り、どんどん貧乏化が進む状況が起きているのはかなしいことです。
人と話をしていると、日本はすごい国だという幻想が極めて強い人というのが結構います。しかし、国力は確実に低下し、日本の貧乏化は加速しています。日本人はその事実を知るべきです。


ドル円(月足チャート)


ドル円(日足チャート)

【長期目線】大きな流れをつかむ

投資をしているとどうしても、日々の値動きが気になり、近視眼的になります。
特に、ポジションを持っても、怖くてすぐに利益確定してしまう方は、長期目線でチャートを眺めてみることをおすすめします。

たまには超長期のチャートを見て、今後、世界経済はどうなるのか=株価はどう動くのかを考えてみると、新たな気づきがあるのではないでしょうか。
なお、以下のチャートのグレー部分は、景気後退局面です。

株式

日本株式:日経平均


Nikkei 225 Index – 67 Year Historical Chart

5月12日に底をつけた日経平均は値を回復中。只今、上値が切りあがっている中で、28000円、29000円と上げていけるか?

米国株式:S&P500


S&P 500 Index – 90 Year Historical Chart

S&P 500は2022年の落ち込みが激しい。灰色の帯は米国経済リセッション期。
一旦下げ止まり。4100ドル付近で、底値利中。今後もインフレ・米国債10年物金利の動向への注視が欠かせない


S&P 500 Historical Annual Returns

2022年年初来騰落率は-13.53%
リーマンショック級の景気後退が起きると株価は約30~40%下落(2008年の騰落率は-38.49%)

為替:ドル円


Dollar Yen Exchange Rate (USD JPY)

急ピッチで進んだ円安。一旦、収まった円安への流れが再び再開。前回の高値を突破し133円台へ
今後の日本の国力の低下(そもそも人口が減れば国力は低下する)を考えると、超長期トレンドは円安(米国の国力が弱まる突発時効があれば別)


U.S. Dollar Index – 43 Year Historical Chart

ドルインデックスは、103をピークに緩やかに下降中

金融市場を見る目を養うには

金融市場を見る目を養うには

世界の経済や情勢は、目がぐるしく動いていきます。いくら最新の情報を毎日キャッチアップしようと努めても、たちまち古くなってしまいます。
だからこそ、大事なのは、表面的な情勢がどう動いたとしても変動しない「本質」を学ぶことが大事です。

では、変わらないもの「本質」とは何か? 

そんな観点からおすすめの本を紹介します。

「歴史×地理×宗教」からお金の流れを学ぶ良書

国際情勢の背景にある「変わらないもの」の1つ目は、歴史、地理、宗教です。

例えば、最近、中東と米国の関係の関係が変化しつつありますが、この背景には、歴史、地理、宗教が関わっており、これらを背景に「お金」や「権力(覇権)」のパワーバランスが変化しようとしています。

ただ、これらを歴史、地理、宗教を学生時代に戻って勉強しなおすのは結構大変です。そこで、初心者🔰や忙しいビジネスマンでも歴史、地理、宗教をまとめて学べる本を3冊紹介します。

「市場サイクル」からお金の流れを学ぶ良書

投資情報をいち早く知ることは重要ですが、目まぐるしく変わる相場の中で、SNSなどで常に人の意見を当てにしているようでは必ず出遅れます。あなたが情報を知ったころには、既に遅すぎて、完全にカモ🦆になっているかもしれません。

自分で判断知識を身につけるためにも、「お金の流れのセオリー」を学んでおくことが大事です。

市場サイクルは「お金の流れのセオリー」そのものであり、「お金の流れ」そのものです。

以下は、市場サイクルを学ぶのに役立つ本です。是非、手に取って読んでみてください。上述した本も含め、再掲載いたします。これら著書からの学びは、長い人生の中で、必ずあなたの投資に役立つです。小手先の投資戦術よりも価値があります。

最後に

今回は、月別のアノマリー投資について解説しました。お役に立つと幸いです。

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