SBI証券で2月15日に登場のeワラント「ビットコインレバレッジトラッカー」に続く第2弾として、3月15日から「イーサリアムレバレッジトラッカー」の提供が始まります。
この商品の最大の特徴も、ビットコインレバレッジトラッカーと同様、仮想通貨の最大の弱点ともいえる税制面で有利な点。FX・CFDと同じく申告分離課税で損益通算が可能なことです。
今回は、「イーサリアムレバレッジトラッカー」の特徴について紹介します。
目次
SBI証券「イーサリアムレバレッジトラッカー」とは?特徴とメリット
「イーサリアムレバレッジトラッカー」は、シカゴマーカンタイル取引所(CEM)に上場している特定の限月の米ドル建イーサリアム先物をの値動きに連動して上下する先物eワラント商品です。
第一弾のビットコインレバレッジトラッカーと同様、イーサリアム先物の価格が上昇するとその価格に連動して価値が上がる「プラス5倍トラッカー型」と、価格が下落すると価値が上がる「マイナス3倍トラッカー型」の2タイプがあります。
❶商品は米ドル建イーサリアム先物の上昇と下落に賭ける2種類(プラス5倍、マイナス3倍)
❷最大損失は投資元本に限定。追証なし
❸FXやCFDと同じ申告分離課税で損益通算が可能
❹1万円程度の少額から購入可能
❺証券口座で取引可能
❻先物を対象とし、BTCのハッキング・盗難などのリスクがない
最大の利点は税制面。「申告分離課税」&「損益通算可能」
ビットコインレバレッジトラッカーの時と同様、私の考えるイーサリアムレバレッジトラッカーの最も大きな特徴は、FXやCFDと同じ申告分離課税で損益通算可能 という点です。
通常、ビットコインをはじめとする仮想通貨売買で得た利益は「雑所得」です。累進課税のため税率は最大55%(住民税含む)で、翌年以降に損失を繰り越すこともできません。
一方、イーサリアムレバレッジトラッカーは、FXやCFDと同じ申告分離課税で、申告分離課税の税率は一律20.315%(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315% ※)
※2013年1月1日から2037年12月31日までの25年間に適用の上乗せ課税
また、損失が出た場合は、FX・CFD・先物など、他の金融商品や複数の会社で行っている他の取引との損益通算が可能です。損益通算をしてもまだ損失が残っている場合、翌年以降3年間に渡って、FX・CFDなどで発生した利益と一緒に損失額を控除することもできます。
損失も限定的
先物取引や信用取引の場合、相場が予想と反対に動いた場合、投資元本を上回る損失=追証が発生することがあります。しかし、本商品は証拠金差金取引ではありません。取引価格がマイナスにならないように自動ロスカット機能が発動されるようになっており、最大損失額は投資元本を上回ることはありません。
変動率の大きいイーサリアム取引の場合は、特に、追証などのリスクは絶対に避けるべきとの考えですが、レバレッジトラッカーならこのリスクが回避できます。
仮想通貨用口座が不要
SBI証券の総合口座で取引できるので、資産管理が楽です。ただし、別途、eワラント取引の申込は必要です。申込後は即時に取引が可能です。
SBI証券「イーサリアムレバレッジトラッカー」のデメリット
メリットもあれば、デメリットもあります。
❶満期日があり、満期日到来で自動的に差金決済される
❷スプレッド(実質的な手数料)が広い
❸取引は、平日9:00〜23:50。土日、祝日は不可
満期日がある
満期日があることが最大のデメリット。相場は上昇/下落の2パターンしかありませんが、それを期日付きで当てることはできません。レンジを形成している相場では単なる博打と化します。
今後、高い確率で上昇する「暴落局面」、高い確率で下落と予測できる「急騰局面」などを上手にとらえることが大切と考えます。
実質手数料が大きい
本商品に限ったことではありませんが、仮想通貨関連の取引は実質的手数料と言えるスプレッドが広いです。株式やFXのスプレッドを常識と考えていると、スプレッドの広さに驚きます😳。
ただし、値動き(変動率)も大きいので、売買タイミングをうまくとらえれば、少ない資金でリターンを得ることができます。また、イーサリアム長期現物保有に何度となく訪れる大きな下落のヘッジ手段となります。
流動性を考えると、ビットコインレバレッジトラッカーより、スプレッドが広い可能性が考えられます。
イーサリアムレバレッジトラッカーの値動きの特徴
本商品で成功するためには、まず最初にビットコインレバレッジトラッカーの値動きを十分理解する必要があります。
上記は、SBI証券のホームページ記載のイーサリアムレバレッジトラッカーの値動きのイメージ図です。オレンジ線のETH先物価格が1%動くとき、黄色線のプラス5倍トラッカーは+5%、白線のマイナス3倍トラッカーは-3%動きます。
イーサリアムレバレッジトラッカーの価格早見表が掲載されていました。
買付・売却の目標額を検討する際のご参考に。
※1ワラント当たり原資産数:0.00002
※米ドル対円相場(固定):108.5円 で計算
※買取価格が一度でも1円を下回った場合、自動ロスカットが発動
レバレッジトラッカーとレバレッジ投信・レバレッジETFと何が違う?
さて、ここで疑問になるのが、最近株式投資などで人気のブルベアファンドのレバレッジ投信・レバレッジETFとレバレッジトラッカーは何が異なるのか?です。
レバレッジ投信・ETFの場合、変動率に対しプラス○倍/マイナス○倍となるように運用されているため、相場がいったん下落した後、再び同じ水準に戻ったとしても、基準価額は当初の水準には戻りません。そのため、上げ下げを繰り返す相場環境では時間の経過とともに基準価額が押し下げられてしまいます。
一方でレバレッジトラッカーは、変動幅のプラス5倍/マイナス3倍にほぼ連動するので、相場が戻れば、買取価格がほぼ元の水準まで戻ってきます(自動ロスカットが実行済みである場合や、配当落ち日などを除く)。
「変動幅」に連動するかで、運用結果に大きな違いがでる!
レバレッジトラッカーは、直感的に理解しやすい「変動幅」に連動。
イーサリアムレバレッジトラッカーの買い方
イーサリアムレバレッジトラッカーの買い方は、基本、ビットコインレバレッジトラッカーと同じと考えられます。
ビットコインレバレッジトラッカーの購入方法は、私が試しに買ってみた方法を図付で解説しているので、是非、参考にしてください。実際に買ってみてわかったことなども合わせて解説しています。
最後に
今回は、SBI証券の先物eワラント「イーサリアムレバレッジトラッカー」について紹介しました。
私自身は以下の点で、税金を押さえながら以下を以下の戦略を実現する1手段となると考えています。特にイーサリアムはビットコイン以上に価格変動が激しいため、上手なタイミングでエントリーできれば、ビットコイン以上にリターン(率)が上がるのではないかと考えています。
①イーサリアム暴落後の「買い」
②イーサリアム暴騰後の急落に対する「ヘッジ売り」
仮想通貨は新しい金融商品なので、今、流行のDiFi、さらに次に盛り上がりそうなNFTなど、次々にどんどん新しいサービスが登場します。これらを実運する過程で、うまくワークするタイミング、自分の性格に合うかなど、経験を蓄えていくことが大事。これができるか否かで、資産形成のスピードに大きな差が出てくることは確実です。
新しいものに懸念を示すだけではチャンスは手に入れられません。無茶はしないようにしながらも、どんどんチャレンジしていきましょう!