最近、AIの分野で時折耳にする「量子コンピュータ」。仮想通貨界隈でも耳にするようになりました。
先日も、以下のようなニュースが出ています。
「量子コンピュータは仮想通貨の脅威になる」──野口悠紀雄氏 | ORICON NEWS https://t.co/6S7tsHu40S
— chami (@poststand) September 30, 2017
量子コンピュータとは何なのか?なぜすごいのか?
仮想通貨やAIに強い興味を持っているChami的には抑えておくべきと考え、量子コンピュータ本の中で評価の高い本書を読んでみることにしました。一切、数式や難しい図などが出てこないので初心者にもこの本の中では読みやすい一冊になっています。
量子コンピュータとは
「0」と「1」の二進数で演算をしていた普通のコンピューターと違い、量子力学の特徴を生かし「0」と「1」の両方を重ね合わせた状態をとる「量子ビット」を使って計算するコンピューターを「量子コンピュータ」と言います。量子ビットにより、たくさんの値を扱えるようになるため、量子コンピュータはこれまで時間がかかっていたような計算や解析も短時間で行えるようになるとされています。
量子コンピュータが何がスゴイ?「京」すぱこんですらとけない「巡回セールスマン問題」が解ける!
量子コンピュータはスゴイ計算機です。しかし、従来のコンピュータが非常に多種多様なことができるオールマイティな計算機ではありません。
それは、「組み合わせ最適化問題」を解くときにスゴイ力を発揮するコンピュータなのです。
組み合わせ最適化問題で代表的問題と言えば、「巡回セールスマン問題」。宅配ドライバーがどのようなルートで荷物を届けると最も効率的かを説く問題です。
都市数をnとすると、可能な経路の総数はn!/2n通り存在します。nが小さいときはスパコンで楽に解けるのですが、この数が大きくなると総当たりで計算をするのでとにかく計算量が膨大となり、事実上不可能になるのです。
例えば、30都市のときその組み合わせは、4.42×10の30乗通り。これ、1秒あたり1京回の計算が可能なスーパーコンピュータ「京」でも、答えを出すのに1041万年がかかるんです!つまり、事実上、計算が無理。これを解いてしまうのが、量子コンピュータは解いてしまいます。
量子コンピュータを開発したD-wave
量子力学の原理を利用して量子コンピュータを作ってしまったのがカナダのD-wave。
2011年に本書の著者である東京工業大学の西森秀稔教授と門脇正史氏が提唱した理論「量子アニーリング」に基づいた「量子アニーリング方式」の量子コンピュータの商用化を成功させました。
D-Waveの量子コンピュータ「D-Wave 2X」は「組み合わせ最適化問題」を既存のコンピュータに比べて最大1億倍(10の8乗倍)高速に解くといわれています。NASA、Googleなどが推定10億円で購入したと言われ、既に活用されています。
この量子コンピュータでキーワードとなるのが「量子アニ―リング」と「量子トンネル効果」です。こちらは本書を読んで理解してみてください。
量子コンピュータと産業、そして、AI
では、なんでこんなに注目されるのかを、産業の観点から考えてみます。
組み合わせ最低化問題は、以下のような、現在の社会の問題の解決に大いに役立つと期待されています。
・交通渋滞問題
・創薬
・投資ポートフォリオの策定
・暗号解読
はい、上記の通り、金融の分野でも重要。暗号解読となれば、当然のことながらビットコインを含む仮想通貨の脅威となります。
さらにはAIの発展に大きな力を発揮することになる。だからこそ、量子コンピュータが注目されています。
その理由も上記の産業問題解決の例と同じく、量子アニーリング方式の量子コンピュータは、人工知能の開発に欠かせない「機械学習」や「ディープラーニング」の計算処理の実態である「組み合わせ最適化問題」を高速に解くと閑雅られるから。
画像認識、ロボット制御において、本書のタイトルにある通り「量子コンピュータが人工知能を加速する」ことが期待されています。