2024年 辰年の相場格言は「辰巳 天井」 "昇竜"で過去の日経平均・米ダウの騰落率も良好。しかし、米国経済的には素直に従えない...

2023年も残りわずか。来年2024年の相場が気になる季節になりました。
アノマリーの一つともいえる「干支と相場格言」から見た2024年の株式市場」は展開が予想されるのでしょうか。

来年2024年の干支は「辰(たつ)」。辰年の2024年と巳年の2025年の2年間を合わせての相場格言は「辰巳(たつみ) 天井」です。2024~2025年のどこかで、長らく続いてきた株価が天井を打つ(ただし、ここでの「天井」はネガティブな意味ではなく、「高値で推移する」ことを意味)ことを示唆しています。昇竜のごとく、舞い上がってほしいところではあります。

ただ、日本の株価は、米国に強く影響を受ける。米国は2024年に複数回にわたる金利低下が予想されており、セオリーに従うなら、2024年にも株価はピークを打つことになります。

そこで、本記事では、相場格言と過去の値動きを確認した上で、過去の辰年の日経平均・米ダウのパフォーマンスはどうだったかを確認。さらに、米国の状況をふまえて、2024年の相場展開・投資戦略を私なりに考えてみます。

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干支(十二支)と相場格言

干支(十二支)と相場格言:辰年 2024年

まずは、干支にまつわる相場格言を見てみましょう。

十二支相場格言

相場格言では、干支は「辰巳(たつみ)天井」からはじまります。

辰年・巳年で株価が天井をつける傾向があり、その後、戌年ぐらいから上昇し始めるも、丑年には再び下落。その後、辰年・巳年に向けて天井に向かうというサイクルがあるとされています。

干支格言パフォーマンス
辰巳辰巳(たつみ)天井
午(うま)尻下がり
未(ひつじ)辛抱
申酉申酉(さるとり)騒ぐ
戌(いぬ)笑う
亥(いのしし)固まる
子(ねずみ)は繁栄
丑(うし)つまずき
寅(とら)、千里を走る
卯(う)跳ねる

十二支相場格言に基づく長期売買戦略

株式投資は「安い時に買って、高く売る」のが基本です。相場格言通りに株価が推移するなら、12年サイクルにおける投資戦略は以下のようになります。

相場格言に基づく投資戦略

❶長期12年サイクルで売買するなら:
午の暴落したところでで仕込み、辰巳で売る
 
❷12年で2回売買するなら:
午で仕込み、子で一旦売却。丑で下落したところを再度買い仕込み、辰巳で売る

過去の実際の統計的なパフォーマンスを見ても、上記戦略で利益が出やすいことがわかります。ただし、これはあくまで平均を取った統計値であり、実際にどう動くのかは毎年の世界情勢を見て判断する必要があります。そして、世界の景気はなんだかんだ言って、米国次第です。米国には干支がないことを考えると、干支の相場格言に意味があるのか?という意見が出てくるのも仕方のないことです。

過去12年の「日経平均の値動き」と「干支相場格言」

上図は、前回の辰年2012年から2023年までの12年間の日経平均のチャートです。直近の相場格言とその動きを示してみると、そこそこ、相場格言が当たっているように見えます。

干支状況
2020年子年コロナショックで大暴落した後、一気に「子繁栄」で株価上昇
2021年丑年「牛つまづく」で株価もでつまずく
2022年寅年「寅千里を走る」というか、レンジ内で迷走
2023年卯年「卯跳ねる」で、株価上昇

この調子で、干支相場格言通りになれば、2024~2025年 辰巳年の間で天井となります。

十二支十干では2024年は「甲辰(きのえたつ)」

十二支十干では2024年は「甲辰(きのえたつ)」

「干支」と言うと、子・丑・寅・・・の「12の生き物」を思い浮かべますが、本来は「十二支十干(じゅうにし じっかん)」です。

十二支十干とは

十二支十干は、12の生き物である「十二支」と、10の要素からなる「十干」から成ります。

もともと干支は、古代中国で考え出された暦で、当時、惑星のうちで最も尊い星と考えられていた木星が、約12年で天球を一周することから、その位置を示すために天球を12の区画に分けてそれぞれに名前を付けたものが十二支(じゅうにし)の名の由来と言われています。

その後、干支は中国の古い思想である陰陽五行説も考慮し、12の「十二支」と10の「十干(じっかん)」を組み合わせた60年周期の暦に発展しました。

2024年「甲辰」が意味するところ

2024年の「甲辰(きのえたつ)」は、「始まりの年であり、芽吹きの年」で活気にあふれ、力がみなぎると言われています。

・新しいことが始まる。大きな変革がある
・今まで頑張ってきた人は、その成果が花開く
・新しい才能が見つかる

そもそも、甲辰(きのえ・たつ)の2文字には以下のような意味があります。

甲は十二支のはじまり⇒物事の始まり、芽吹き、成長
辰は十二支の中で唯一の架空の生き物⇒権力・栄えるなどの意味を持つ伝説の生き物

「辰年」の日経平均パフォーマンスを検証する

「卯年」の日経平均パフォーマンスを検証する

さて、ここまでは干支や十二支十干の意味から見る相場予測を見てきましたが、ここからは、過去の卯年の日経平均のパフォーマンスがどうだったか見てみましょう。

「卯年」の日経平均と米ダウの騰落率

以下は、「卯年」の日経平均の騰落率を示した表です。
日経平均は、米国株式の影響を強く受けるので、米ダウの騰落率も合わせて示しています。

日経平均米ダウ
始値終値騰落率(%)始値終値騰落率(%)
1952年167.8362.64118.4269.2291.98.43
1964年1204.41216.55-0.7753874.114.56
1976年4403.064990.8514.5852.41004.717.87
1988年21551.23015939.91950.82168.611.16
2000年18937.4513785.69-27.211501.810786.8-6.22
2012年8549.5410395.1822.912221.213104.17.22
平均28.08.8

日経平均を見ると、上昇した年が多く、当落膣も高い値となっています。

相場格言はポジティブだが、米国に不安

相場格言はポジティブだが、米国に不安

2024年は相場格言的にはポジティブですが、米国の状況を鑑みると不安があります。米国の株価が崩れれば、世界の株価も低迷するのが、相場のセオリーです。

米国政策金利、2024年に利下げを見込む

これまで、世界経済は、米国株式の好調に支えられてきました。

しかし、2023年12月のFOMCでは、2024年の利下げを意識した発言や見通しが示されました。FOMCメンバーによる来年2024年末の政策金利見通しが引き下げられ(2023年12月利上げがなくなり、2024年の利下げ回数が増加)。FOMCの結果を受け、FOMCの見通し以上の利下げを織り込む動きがみられています。

これにより、市場では、2024年3月には5.25⇒5.00%へ引き下げ。そして、0.25%ずつの利下げが続き、2024年12月には3.75%まで低下すると予想しています。

FFレートの利下げ予測

米国の金利と相場サイクル

相場サイクル

米国の政策金利は、景気に大きな影響を与えます。米国金利は炭鉱のカナリアです。 「炭鉱のカナリア」とは何らかの危険が迫っていることを知らせる前兆を指す言葉であり、景気サイクルの大転換を見極める最重要指標です。

一般的には、「金利引き締め局面では株式は売り、国債は買い」です。景気後退が厳しいモノになれば、株も、コモディティも金も一斉に売られることになります。

一方、景気がソフトランディングするとなると話は別です。株式は上げたい欲求が強い資産でもあり、景気を冷やすことなく金利低下ができるなら、株式は上がることになります。

資産軟着陸 or インフレ再燃景気後退
株式(米国株)買い売り
国債(米国債)売り買い
コモティティ買い売り
ゴールド売り(景気後退が深刻な場合)買い(引き締め終了で)

今後は、米国の今後の米国雇用統計、インフレ率の指標を見ていくことがとても大事になります。

また、以下の記事で取り上げた指標も景気後退(リセッション)アラート指標です。

現時点での私の考え

私自身は、2024年は米国の景気が悪化すると考えています。株式より米国債を保有している方がベターだと考えています。

最近は、投資情報でも「米国債」への投資の記事をよく見るようになりました。(2022~2023年前半に、米国債インフルエンサーたちが「米国債への投資」を煽ったことがあり、それにより、現在、含み損を抱えている人も多いと思われますが、そもそも、米国債へ投資する方は、金融リテラシーの高い方が多いと思われるので、致命的なダメージにはなっていないように思います。)

2023年12月時点では、先の金利低下を見越して、底値を脱して上昇傾向にあります。

下図は、資産残高が多米国債券ETFのBND(Vanguard Total Bond Market Index Fund;ETF)のチャートですが、米国債、米国社債などのETFチャートは軒並み下図のようなチャート形状をしています。

注目浴びるレイ・ダリオ氏「全天候ポートフォリオ」

最近は、過去の金融危機でも資産を守ったことで知られるレイ・ダリオ氏の「全天候ポートフォリオ」も注目されています。

「全天候ポートフォリオ」

株式    :30.0%
中期国債  :15.0%
長期国債  :40.0%
ゴールド   :7.5%
コモディティ:7.5%

なかなか、上記のように株式比率を落とすのはなかなか難しいものです。タイミングが悪いのが新NISAのスタートです。多くの人がポートフォリオに組み込むであろう、オルカンなどは株式への投資で米国株の比率は60%に上ります。

と言うわけで、私は、一旦決めた新NISAの投資戦略を再思案中。配当投資になりますが、米国債ETFに投資することも、考え中です。往生際が悪いですが、もうしばらく悩みます。

自分に合った投資スタイルを見つけるために役立つ情報源

2022年の投資に役立つ情報源

世界が混迷を続ける時代(いつもかもしれませんが)には、市場の動きだけを見ていると、上下動の一喜一憂で、人生がストレスフルになります。
そこで求められるのが、自分の生き方・性格に合った「基本となる投資戦略・スタンス」が必要です。自分の方針も持たず、市場の意見・スキルのある投資家の意見に従ってばかりいては、結局、ストレスを抱えて、損することになると考えます。

このスタンスを考えるに当たっても大事になるのが「歴史を学ぶ」ことです。どのような状況で何が起きたのかを学び、自分の知識として整理しておくと、日々の価格変動への動揺が小さくなります。

私は、歴史から学んだうえで、資産状況、リスク許容度・投資の時間軸に合わせて自己で投資判断する力を実践でつけていくことが、資産を守る(結果的に増える)ことにつながると考え、コツコツ、学び、経験を続けます。

以下の本は、その知識のベースを作る点で役立つ本です。1冊でも読んでみることが、将来的な利益につながるはずです。

相場サイクルの良書

サイクル論を学ぶことは、「過去を学ぶ」ことです。投資経験を知識で補うことができ、あなたの投資判断力がUPします。勉強の価値、大いにありです。

投資カレンダー 2024

投資をするなら把握しておきたい大事な経済イベントなどが書かれた投資カレンダーは、積極投資や投資を手控える気づきを与えてくれます。特に、重要イベント前の投資手控えに気付ければ、ポジションを事前に減らしてくなど、投資リスクを下げることができます。無謀な投資による損失を軽減することができれば、おのずと投資成果もUPするはずです。

以下の記事で紹介しているのでご確認を。

最後に

今回は、干支相場格言から、2024年 卯年の投資について考えてみました。
記事を書きながら、投資の難しさをひしひしと感じております。一つの参考情報として、読んでいただけると幸いです。

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