
2024年1月、NISA(少額投資非課税制度)は、「新NISA」として生まれ変わります。
今回は、
・2024年から開始の「新NISA」はどの様な仕組みなのか
・現NISAと何が違うのか
・投資家にどんなメリットがあるのか
・現NISAの取扱いはどうなるか 等、
現在、明らかになっている範囲で範囲で、整理して紹介します。
また、いつからNISAを始めたらいいのか(2024年 新NISAの開始を待った方がいいのか)についても言及します。
目次
2024年から始まる「新NISA」
2024年から始まる「新NISA」のポイントを表でまとめると、以下のようになります。
新NISA口座では、年間360円まで上場株式や株式信託が可能で、売買益や配当益が非課税となります。
勘定区分 | 特定累積投資勘定 (つみたて投資枠) | 特定非課税管理勘定 (成長投資枠) |
---|---|---|
旧つみたてNISA | 旧一般NISA | |
■収益の非課税 | ||
非課税となる 年間投資枠 | 120万円/年 | 240万円/年 |
非課税となる 生涯投資枠 | 最大1,800万円 | 最大1,800万円のうち 1,200万円 |
非課稅投資対象 | 投資信託 ※金融庁指定 | 投資信託・株・ETFなど ※レバレッジ商品は対象外 |
売却による 非課稅投資枠の再利用 | 〇 | |
非課稅期間 | 無制限 | |
投資可能期間 | 無制限 | |
併用 | 可能 | |
■損失が出た場合 | ||
損失発生時 | 損益通算、繰越控除 共に不可 | |
■口座 | ||
利用可能者 | 18歳以上 | |
金融機関 | 任意の金融機関にNISA口座を1つだけ開設可能 | |
売買等 | 売買・払い出しは常時可能 | |
令和6年以降の取扱い (2024年) | 既存NISAとは別枠 |
参考
・新しいNISA(金融庁)
・みんなにいいさ!NISAがいいさ!(日本証券業協会)
ちなみに現行NISAをポイントだけ簡単にまとめると以下のようになります。
・投資枠は、つみたてNISA:年間40万円、一般NISA:年間12万円
・非課税となる生涯投資枠は、みたてNISA:600万円、一般NISA:800万円
・つみたてNISAと一般NISAの併用は不可
「新NISA」と「現行NISA」、何が違うのか
「新NISA」と「現行NISA」の違いは何か。ポイントをまとめると次のようになります。
❶新NISAは 「つみたて投資枠」 「成長投資枠」の併用運用
❷生涯投資枠が1,800万円(売却で生涯投資枠が復活)
❸1年間の投資可能額が、120万円 +240万円=360万円へ拡大
❹「投資可能期間」「非課税期間」が無期限に(ロールオーバー不要)
❺レバレッジの商品は購入不可
以下、それぞれ見ていきましょう。
❶新NISAは 「つみたて投資枠」 「成長投資枠」の併用運用
まず、最初の大きな枠組みの変更は、2024年開始の新NISAでは 「つみたて投資枠」 と 「成長投資枠」の併用運用となることです。
2023年も続く現NISAでは、「つみたてNISA」か「一般NISA」のいずれかしか開設できません。この点は大きな違いです。
❷生涯投資枠が1,800万円
新NISAでは、非課税となる生涯投資枠1,800万円が設けられます。
現つみたてNISAは「20年間で最大800万円」、現一般NISAは「5年間で最大600万円」だったので投資枠が拡大することになります。
また、つみたて投資枠と成長投資枠の割合は、自分で決められることになります。つみたて投資枠を成長投資枠を金額で分割してもいいですし、つみたて投資枠に全額1,800万円でもいいことになります。
また、保有資産を売却すると、生涯投資枠が復活します。年間投資上限額を超える投資はできませんが、これにより、毎年リバランスやスイッチングができるようになります。また、生涯投資枠1,800万円内で、成長投資枠を減額して、つみたて投資枠を増額するといったこともできます。
現NISAでは非課税投資枠は復活しなかったので、この変更は嬉しい変更です。
❸1年間の投資可能額が、120万円 +240万円=360万円へ拡大
年間の非課税投資額が合計360万円に拡大しました。
・つみたて投資枠:120万円/年 (現:40万円/年)
・成長投資枠 :240万円/年 (現:120万円/年)
・合計 :360万円/年
非課税枠の未利用分は翌年に繰り越せません。
毎月30万円ずつ積み立てれば、年間360万円、最短5年で1800万円の枠を埋めることができます。
❹「投資可能期間」「非課税期間」が無期限に
新NISAでは、
・売買できる期間である「投資可能期間」
・購入して非課税で保有できる期間である「非課税期間」
が共に無期限になりました。
現つみたてNISAでは保有可能期間20年、現一般NISAは保有可能期間5年という期限がありました。無期限になることで、現一般NISAにおける面倒事である5年経過時のロールオーバーも不要になります。
❺レバレッジの商品は購入不可
全体を通じて、嬉しいことが多い新NISAですが、一部の投資家から残念な声が上がるかもしれないのが「レバレッジ商品が買えなくなる」ことです。
レバナスの愛称で知られる、レバレッジ NASDAQ100などは購入できなくなります。しかし、健全に資産形成をするといった観点からは、望ましい対策であると言えます。
新NISAの2つの投資枠:それぞれ何に投資できるか
「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つの枠が存在することがわかりましたが、具体的には何に投資できるのでしょうか。
つみたて投資枠 ※年120万円まで非課税
「つみたて投資枠」の投資対象商品は、「長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託」です。
「現つみたてNISA」と投資できる銘柄は同じです。低コストなインデックスファンドに投資するのが基本です。
投資ブロガーが選ぶ「Fund of the Year」は、投資する投資信託(ファンド)を選ぶ参考になります。
成長投資枠 ※年240万円まで非課税
「成長投資枠」の投資対象商品は、「上場株式・投資信託 等」です。
対象商品は旧NISAを踏襲しており、以下の商品は除外されています。
・整理銘柄の上場株式
・監視銘柄の上場株式
・信託期間30年未満の投資信託
・毎月分配型の投資信託
・デリバティブ取引を用いた一定の投資信託(高レバレッジ型投信)
2023年まで継続の現つみたてNISA・一般NISAはどうなるか
ここまでで、2024年から始まる新NISAの概要はわかりました。
一方で、現行のつみたてNISA・一般NISAは2023年12月31日をもって投資可能期間が終了します(新規買付できなくなります)。
では、2024年以降、これらの取扱いはどうなるのでしょうか。ポイントは以下の3つです。
❶急いで売却する必要なし。非課税投資期間内は保有可能
❷現NISAから新NISAへは移管できない
❻ジュニアNISAは終了
以下、それぞれ見ていきましょう。
❶急いで売却する必要なし。非課税投資期間内は保有可能
2023年で現行のつみたてNISA・一般NISAは2023年で「投資可能期間」は終了となりますが、「非課税投資期間」は投資が継続できます。つまり、以下の期間は保有が可能です。
・つみたてNISA:20年間
・一般NISA :5年間
何年に買ったかで非課税投資期間は異なりますが、2023年につみたてNISAを購入した場合、保有できるのは20年後の2042年までとなります。
この「投資可能期間」終了前に、「売却」するか「特定口座に移管」するか、どちらかを選択することになります。
一般NISAは、保有銘柄の「終い方」が特に大事
一般NISAの場合は、ロールオーバーができないので、残りの「非課税投資期間」に慎重に売却時期を検討することが必要になります。株式市場の如何によっては、「損益がマイナス」で終わる可能性も否定できないからです。
NISA口座はいい制度ですが、デメリットがあります。それは、【売買損失が発生時】です。特定口座や一般口座で保有する他の株式等の配当金や売買益等との損益通算はできません。また、損失の繰越控除(3年間)もできません。この点を踏まえて、運用する必要があります。
本件については、詳細は以下にて解説しています。
つみたてNISAは時間的に十分な余裕
つみたてNISAの場合は、まだ十分、非課税投資期間があります。投資銘柄を間違っていなければ、株式は全体的には右肩上がりで上下動を繰り返すので、その波に合わせて売却をすればよいですね。
❷現NISAから新NISAへは移管できない
現NISAから、新NISAに資産を移管することはできません。現NISAと新NISAは完全別管理です。
逆に言えば、現NISA分と新NISAの生涯投資枠1,800万円で非課税投資枠が増えます。
このメリットを活かすなら、2023年分は、NISAではなく「つみたてNISA」を選択した方がいいことになります。
❻ジュニアNISAは終了
ジュニアNISAは2023年をもって終了です。代替手段も用意されていません。
新NISAでは18歳以上の資産枠が大きく増えるので、一般家庭はジュニアNISA枠があっても投資余力がないと思われます。また、子どものいる富裕世帯に、どんどん投資枠を拡大させないことも狙っているのではないでしょうか。
新NISAで業界激震?!大事な口座選び
ここまで、新NISAと現NISAの取扱いについて見てきました。
一制度利用者の一人として、新NISAの利用を考えた場合、より重要になるのが「金融機関選び」です。
新NISAを開設できる金融機関は1つ
現NISAと同様、新NISAでも開設できる金融機関は1つに限定されます。年をまたげば金融機関変更は可能ですが、同時利用はできません。つまり、投資枠・投資期間とも増えるので、どの金融機関を選ぶかが非常に重要になります。
現在、長期積立投資をしている方は、投資余力がある人ほど、複数の金融機関で「5万円ずつ積立投資」を個なっています。
新NISAになった場合、1年間の投資可能額が、積立投資枠120万円+成長投資枠240万円=合計360万円/年へ拡大することで、大きな資産を運用中の方、トレーダーなどは別として、多くの人は、メリットが高い特定口座ではなく新NISA口座での株式売買に切り替えていくでしょう。つまり、積立投資などを複数の口座で5万円ずつ行っていたような投資家は、投資口座を集約していくことになります。
これは、各金融機関にとっては、営業上、大きなインパクトとなります。故、2024年の新NISA開始に合わせて、各金融機関は大々的なキャンペーンを始めることになろうと思います。このキャンペーン内容、及び、投資可能対象銘柄などを鑑みながら、投資に用いる金融機関を選んでいくことになります。
新NISAの口座開設手続き
既につみたてNISAや一般NISAの口座を開設している方は、新NISAの口座開設の手続きは不要です。
2024年になると?新NISAが開設され、つみたて投資枠と成長投資枠の2つの枠のある新NISA口座が準備されるようです。
つみたてNISA おすすめ金融機関
【クレカ積立】どの証券会社✕クレカがお得か、まとめ
新NISAが始まり、クレジットカードでポイントをもらって積立投資できるクレカ投資も月10万円までできるようになりました。
証券会社によっては、クレカ以外の投資でもポイントが受けられます。
証券会社✕クレカでどれだけポイントが付くかをまとめました。有利な方法で投資を行いましょう。
ちなみに私は、楽天証券でNISA投資を行っています。
最後に
今回は、2024年から始まる新NISAについて解説。現行NISAとの違いと2024年以降に現行NISAがどうなるかを整理しました。
私が新NISAをどう活用しようと考えているかは、また、別記事で、現在の考えをまとめてみたいと思います。
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タグ:NISA