FacebookがMetaに社名変更したことで一気に認知度が上がった「メタバース」。

2021年秋、ビットコイン・イーサリアムが高値で仮想通貨市場が盛り上がっている中で、DeFi、NETに続く注目銘柄として人気になっていたところに、Meta社への社名変更が加わったことで、仮想通貨市場では、一気に関連銘柄が急騰しました。

私は、過去、先進的なアーリアダプターによって起きる価格急騰に飛び乗って、何度も痛い思いをしてきたので、2021年の話題MAXの中でのメタバース関連銘柄は買い控える判断をしました。しかし、2022年の今は仮想通貨の市場崩壊とともにメタバース関連銘柄も下落し、比較的買いやすい水準にあるのではないかと考えています。

そこで、今、遅すぎを承知で、AmazonのKindle本の中から40件以上のコメントを集めるメタバース関連本を一気読みしました(2022年3月25時点)。

その中から、仮想通貨投資家はもちろん株式投資家でメタバースに興味を持つ方におすすめする3冊を紹介。メタバースとは何かについても触れたうえで、仮想通貨メタバース関連銘柄の現状(チャート)についても紹介します。

[スポンサーリンク]

そもそもメタバースとは

そもそもメタバースとは

おすすめ本の紹介の前に、メタバースに興味を持ってもらうための基礎知識について簡単に触れておきます。

メタバースとは

メタバースとは、メタ(meta:超)とユニバース(universe:宇宙)の合成語で、簡単に言えば、「インターネット上にある3次元仮想空間」のことです。その空間の中で、ユーザはアバターを操作して、多人数が参加してコミュニケーション(会話、ゲーム対戦、ビジネス:仮想現実)をすることができます。

ですが、まだ、厳密な定義はなく、人・企業により、メタバースが指す内容がなっています。3Dの仮想現実だけでなく、ARやMRが得意とするミラワールドリアル世界のデジタル置き換え、および、デジタルツイン疑似現実)もメタバース(仮想世界)とする考えもあります。そのぐらい、まだまだ、新しい世界ということです。

メタバースの先駆け「セカンドライフ」

メタバースの関心は、これが初めてではありません。過去、2006年にメタバースの先駆け「セカンドライフ」が企業を巻き込んだブームとなり、「リンデンドル」という通貨で空間内で稼ぐこともできました。経済活動もできたわけです。

しかし、技術的な問題、そして、人の3D空間に対する許容度が低かったこともあり、次第に衰退しました。

メタバースが今後超えなければならない壁

今、メタバース空間は先進的なアーリーアダプターのみが体験している世界です。Meta社の誕生なども手伝って話題性はありますが、まだまだ、この世界を実経験している人たちは一部です。そして、空間そのものを楽しむより、投資・投機的を目的(ゲームを楽しむより、Play to Earnでゲームをしたり、土地・アイテムを買ったりしてる)にしている側面が強いです。

メタバースに限らず、新しい技術を伴うものは、最先端を体験・経験できる人とそうでない人の差はとてつもなく大きくなります。仮想通貨すら触ったことがない人たちを、どうメタバース空間(プラットフォーム)につれてきてキャズムを超えるか?

投機性の強いものはバブルで終わります。「マインクラフト」、「フォートナイト」、「あつまれどうぶつの森」のような純粋に空間を楽しみ、それを趣味化できる人をどれだけ増やせるかが、大きなカギになると個人的には考えています。

ロシア制裁で見えた非中央集権の重要性

今の時代において、GAFAM帝国は盤石のように見えます。しかし、ブロックチェーンをベースとするWeb3は、GAFAM「中央集権帝国」にとっては脅威です。

ウクライナ侵略に伴うロシアへの制裁は、「データは中央集権の配下にある」ということをまざまざと見せつけました(国・企業を主導にビジネスを停止できるという意味です)。

戦争でなくとも、中国のように国・企業が情報・金融を統制するのは、平和に豊かに生きたい私たちにとって脅威以外の何物ではありません。Web3は「非中央集権な世界」を目指す動きです。ロシア金融制裁を背景とするビットコインの上昇は非中央集権の存在意義をわかりやすく教えてくれるきっかけとなりました。

GAFAMとWeb3・メタバース

メタバースに話を戻すと、技術は進み、3D空間はリアルの世界を超える手前に来ています。GAFAMをはじめとする大企業もこの分野のプラットフォームを手に入れようと進出しています。

このようなプラットフォームビジネスでは、その他大勢は残れません。「一強勝ち」となることは歴史が証明しています。各プラットフォームの頂点となったGAFA自身がそれを承知でそれでも参入しています。

この先、この分野がどうなっていくか見守るのは十分面白いのではないでしょうか。

メタバースの市場規模予測

メタバースの市場規模予測

注目はされているものの、懐疑的な見方もあるメタバースですが、金融・調査会社などは市場規模をどのように見積もっているのでしょうか?

シティ・グループ(Citi Group)

メタバース経済圏が2030年までに8兆ドル(約980兆円)~13兆ドル(約1,600兆円)に達する可能性を示唆
VRの世界にとどまらず、商業、芸術、メディア、広告、医療、ソーシャルコラボレーションなど様々なケースにも応用される
※2022年3月31日レポート

モルガン・スタンレー(Morgan Stanley)

8兆ドル(約980兆円)
メタバースが次世代のソーシャルメディア、ストリーミング、ゲームのプラットフォームになる可能性が高い
※2021年11月

メタバースを学べるおすすめの本3冊

メタバース関連の本を読み漁って感じたことは、投機色目的(お金儲け目当て)の本を読むよりも、まずは、基礎、歴史、背景が学べる本を読んだ方が、後々役立つ知識が学べるという点です。
メタバースの世界が今度どう進んでいくかといった知識は、投機目的の本ではなかなか難しい。中身が薄く、内容の陳腐化も激しいです。

以下で紹介する本は、このような観点から選んだおすすめ本とお考え下さい。

メタバースとは何か

Amazonのメタバースジャンルで最も売れている本です。メタバースを学ぶために一番最初に読むべき一冊です。メタバースの歴史から最新情報までを広く学べます。

個人的に本書を読んで面白いと感じたのは大きく2点。
❶リアルよりバーチャルの方が居心地がいいと感じる人たちの存在とその理由
❸GAFAMのメタバース戦略

❶については、単にオタクでなくとも、年をとって体が自由に動かなくなったら私だって仮想空間の方が居心地がいい場所になるかもしれないという気づきがありました。

❷については、プラットフォームの勝者がどのような戦略をもってメタバースの中のどの分野を狙っているのか、そこにあるコンセプトは何かなど、現在のビジネスとの関連性とともにわかりやすくまとめられています。

メタバース分野のデバイスは大きく、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)型グラス型がありますが、どちらを選んでいるかで大きくメタバース分野、さらに広く言えば、バーチャルとリアルでのビジネスに対する戦略が全く異なるのが分かって面白いです。

メタバース 完全初心者への徹底解説

1冊目に紹介した本より、ブロックチェーンや関連銘柄などに関する記述が多めの本です。
メタバースの概要に始まり、ソフト面からはメタバースの事例(コミュニケーション、ゲーム)、ハードウェア面からはメタバースを支えるデバイスの状況についてまとめられています。
仮想通貨民が知りたい、ブロックチェーン技術を使ったサービスについても、代表的な銘柄が紹介されています。

メタバースの教科書

読書が苦手な人向け、メタバースのポイントを簡潔にまとめた本です。ページ数が少なく、行間も広いのでのでサクッと読めます。
メタバースとは何かに始まり、メタバースの課題、今後についてまとめられています。
本書を読んでから、さらにメタバースに興味が持てたら、上記のおすすめ2冊を読んでみるとよいと思います。

メタバース関連銘柄の現状(チャート確認)

以下では、投資・投機的な側面から、代表的な仮想通貨市場におけるメタバース銘柄のチャートを見ておきましょう。

ディセントラランド(MANA)
サンドボックス(SAND)
アクシーインフィニティ(AXS)
エンジンコイン(ENJ) 

現在、いずれの通貨も最高値から大きく値下がり。昨今、ビットコインやイーサリアムの上昇に合わせて上昇傾向にあります。

現在、国内取引所でトレードできるのは、エンジンコイン(ENJ)のみcoincheckGMOコイン)です。その他は、海外送金所に通貨を送金の上、メタバース銘柄と交換する必要があります。

海外取引所に最も安く仮想通貨を送金する方法は以下にまとめているので、ご興味がある方はご確認を。

ディセントラランド(MANA)

ディセントラランド(MANA)はイーサリアムのブロックチェーン上で動くVR空間を提供するプラットフォームです。アバターを使って空間内を遊びまわることができ、土地などのNFTを売買することができます。

リアルな土地はもてなくても、デジタルなら収益が稼げる土地が手に入れられるかもということで火がつきました。Coincheckは「Decentraland」上にメタバース都市の「Oasis KYOTO」の建設中で、2022年に一般公開を予定しています。

ディセントラランド 公式サイト

サンドボックス(SAND)

人気メタバースプラットフォームの「The Sandbox」で利用されているのがサンドボックス(SAND)です。

空間内のビル・アバターなどがボクセルで作成されているのが特徴。仮想空間上にLAND(土地)を購入・レンタルをすることで、オリジナルのゲームやアイテム、キャラクター、サービスを作成し、コンテストやイベントなどを開催することで収益化が可能です。Coincheckは2020年9月にThe Sandboxとパートナーシップを締結し、プロジェクトを進めています。

サンドボックス 公式サイト

アクシーインフィニティ(AXS)

アクシーインフィニティ(AXS)は「Axie Infinity」というブロックチェーンゲームで、この空間内を流通するトークンがAXSです。

「プレイして稼ぐ(Play to Earn)」の先駆けともいえるモンスターを集めて戦わせる対戦ゲームで、最も人気のあるDAppsの1つ。ゲーム内のイベントをこなすことで稼げます。ただし、ゲームはよくできていて、育成したモンスターを貸し出して稼ぐこともできます。

アクシーインフィニティ 公式サイト

エンジンコイン(ENJ)

エンジンコイン(ENJ)は、NFT(非代替性トークン)プラットフォームであるEnjinプラットフォームで利用されるトークンです。Enjinプラットフォームでは、ブロックチェーンゲームを開発でき、NFTを発行できる機能があります。ゲーム内でアイテムやキャラクターの売買を行うことができたり、ゲーム内で稼ぐこともできる仕組みがあります。
国内取引所ではcoincheckGMOコインで取引が可能です。

エンジンコイン 公式サイト

最後に

今回は、メタバースについて学べるおすすめ本3冊を紹介するとともに、メタバースとは何か仮想通貨メタバース関連銘柄の現状(チャート)について紹介しました。

メタバース関連銘柄は、最初の投機を終え、しかし、GAFAMを初めとする企業が強力に開発を進めています。少し、銘柄を購入し、見守るのもおもしろいのではないでしょうか。