2024年1月10日、米証券取引委員会(SEC)がビットコインの現物に連動する上場投資信託(ETF)のの上場申請を初承認しました。
最初の上場申請から10年余りを経て、ようやく下りた決定!これは、ビットコイン信者にとっては、待望の一歩です。
期待感からこの数カ月でビットコインの価格は上昇を見せていましたが、実際に承認されたことで、一時 日本円で720万円手前(ドルで48,000ドルまで)高騰しました。
目次
ETF承認。なぜ、大事なのか
冒頭でも記載した通り、上場申請から10年余りを経ての初承認。運用会社11社が申請したETFが承認され、1月11日には取引が開始されました。
ビットコインETF承認でもたらされるメリット
ビットコインETFの初日の取引額は売買代金46億ドル。
投資では「噂で買って、事実で売れ」という相場格言とありますが、承認確定で売り崩されることはありませんでした。市場は今後も価格が上昇するとみているからです。
今回のビットコインETFでは、ETFの組成のために運用会社各社は現物BTCを購入することになります。これを、信託報酬は0.2%前後で販売します。
ビットコインの現物ETFであれば、機関投資家や個人投資家を含めて、投資家はSECの監督下にある証券会社の証券口座を通じて株式などと同様に売買することが可能になります。また、仮に証券会社が破綻しても投資家の資産は保護されることになります。また、税制が株式と同じとなる点も大きなメリットです。
新しい投資家層のマネーが流入
上述のような背景があるので、ビットコインを売買対象としていなかった機関投資家を含めた投資家層のマネーが流入すれば、値上がりも期待できます。
2024年1月12日段階のビットコインの時価総額は9061億ドル。一方、ビットコインETFの市場規模として、500~1,000憶ドル程度あるのではないかと分析するアナリストもいます。仮にこれだけのマネーが流入すれば、ビットコインの上昇は確実なものとなります。
残念だった、不正誤報
ETF初承認で、ダークなイメージを払しょくしたい暗号資産市場ですが、残念だったのは、9日に何者かがSECのX(旧Twitter)アカウントに不正アクセスして承認したという偽の投稿を流したことで、値が乱高下したことです。「デマ⇒誤報訂正⇒その後、初承認」という流れとなったことで、値動きに振り回された人たちも多いはずです。
長期チャートで振り返るビットコイン。次は4年サイクルバブル
改めて、ビットコイン価格の推移を長期チャートで振り返っておきます。
2023年の上昇は、まさにETF初承認の期待からでした。しかし、期待はこれだけではありません。次にあるのは、ビットコイン半減期に絡む「4年バブルサイクル」です。
ビットコインの4年サイクルについては、以下の記事にてご確認ください。今後の上昇予測についてまとめています。
ビットコインETFの行方を金ETFの上場後の反応から推測してみる
当局に認められたアセットであるというステータスは大きいです。
ここから、デジタルゴールドと言われるビットコインETFの今後を占う上で、リアルゴールド金のETFの「金ETFの歴史」を振り返っておきます。
金ETFの誕生は20024年
実は、金ETFの歴史はあまり長くありません。
金ETFが上場したのは2004年の米国市場。「SPDR Gold Shares(GLD)」がニューヨーク証券取引所(NYSE)に史上初めて上場しました。
この時も、機関投資家や個人投資家は、リスクを抑えながら、証券取引所を通じて簡単かつ低コストで「金」を取引することが可能になったことで、金ETFは大きく成長しました。上場後3営業日で運用資産が10億ドル、その後1年で3倍に増加しました。
ちなみに、2024年から開始の新NISAでは、「NEXT FUNDS 金価格連動型上場投信(コード:1328)」が新NISA対象となっています。新NISAにも選ばれる安定資産として確立したことになります。
金ETF支持の背景
金ETFが支持された理由は主に3つあります。これはビットコインETFにも当てはまる内容です。
❶株式と同様に値動きをみながらリアルタイムで売買できる
❷地金(延べ棒)の現物売買と異なり、保管する手間が省ける
❸株式と値動きが連動しにくいオルタナティブ投資先 となる
金ETFは上場後どうなったか?
上記は、ゴールド(XAU/USD)の長期チャートです。
ETF上場前の2003年の金価格は約400ドル/トロイオンス(toz)でした。今、2024年現在では約2,000ドル/tozを超えています。20年間でざっと400%の上昇を見せたことになります。
ちなみに、2024年の市場見通しは、引き続き上昇して史上最高値更新との見方。
2024年市場最高値をつけるとみられる金、その背景
史上最高値をさらに上回る可能性があると予測する背景には以下の4つの要因があるとされています。
項目 | 詳細 |
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❶有事ムードの継続 | ・ロシア-ウクライナの攻防 ・イスラエル-ハマス攻防 ・重要国:米・ロシア・インドの大統領選挙の行方 |
❷各国の中央銀行の買い継続 | 有事ムード継続となれば、中央銀行も金で対策 |
❸株式の代替資産としての金の魅力が上昇 | 米国の景気後退入りによる、株価下落への対策 |
❹米ドルの代替資産としての金の魅力が上昇 | FRBによる米金利利下げによる、ドル安対策 |
最後に
今回は、ビットコインETFの初承認を祝し、ビットコインの現状を確認すると同時に、金ETFの初承認からの20年を振り返り、ビットコインETFの行方を占う参考としました。
4年サイクルも含め、期待は高まります。なお、今後のETF初承認を期待して、イーサリアムの方が値を上げています。どんな市場であれ、行き先が明るいことのは、気分が上がっていいですね。
市場拡大・価格上昇を期待したいです。