
ビットコイン・ピザ・デー(Bitcoin Pizza Day)は、毎年5月22日に祝われる、ビットコイン界隈では非常に有名な記念日です。
この日は、「史上初めてビットコインでモノが購入された日」として、世界中の暗号資産ファンの間で語り継がれています。
本記事では、ビットコイン・ピザー・デーの記念日に、ビットコインの誕生からの15年間の歴史と軌跡を振り返ってみます。
目次
5月22日は記念日:ビットコイン・ビザ・デー
舞台となったのは、2010年5月22日。
アメリカ・フロリダ州に住んでいたプログラマーのラズロ・ハニエツ(Laszlo Hanyecz)氏が、1万BTCでピザ2枚を購入しました。
当時、1BTCの価値はわずか0.0025ドル(約0.25円)程度だったため、合計で約25ドル。
これは当時の相場では「普通の買い物」でした。
ちなみに、日本円では、当時の為替レートは1ドル約90円😲
10,000ビットコイン(BTC)の価値はおよそ2,200円程度です。
当時のビットコインは、まだごく一部の開発者やマニアしか使っておらず、「実際に使えるのか?」という段階。
ラズロ氏は、自分の持つビットコインに現実世界での価値を証明したいという思いから、掲示板に投稿して「誰かピザを送ってくれたら1万BTCあげる」と呼びかけました。
それに応じたのが、当時10代だったイギリスの学生。デリバリーでピザを注文し、ラズロ氏に送付。
こうして、世界で初めてビットコインで現物商品が購入された歴史的瞬間が生まれました。
今ならいくら!?1万BTCの衝撃
しかし、それから15年――。
2025年5月現在、ビットコインは1BTC=1,570万円前後で取引されています。つまり…
10,000BTC × 1,500万円 = 1,570億円相当のピザ🍕!
もはや「史上最も高価なピザ」として、伝説となっています。
なぜいまでも話題になるの?
この出来事は、ビットコインが「単なる技術」から「実際の通貨」へと変化した日だから。多くの仮想通貨ファンにとって感慨深い日です。
毎年5月22日には、世界中の暗号資産関連企業やコミュニティがピザを食べて祝ったり、SNSで当時の話題を投稿したりするのが恒例行事になっています。
ちなみに、ビットコインの記念日として、誕生日も忘れてはいけません。
公式な「ビットコイン誕生日」は2009年1月3日。
これは、ビットコインの最初のブロック(ジェネシス・ブロック)が生成された日です。
ビットコインは、2025年で誕生から17年目です(満16歳)。以下に、これまでの価格上昇が巣覚ましいものであったかを物語るエピソードです。
ビットコイン:誕生から15年の歴史と軌跡を振り返る
以下、ビットコインがたどってきた軌跡をBTC価格の推移と出来事で振り返っておきます。
年 | 終値(円) | 年間騰落率 | 出来事 |
---|---|---|---|
2009 | 0円 | – | 1月3日:ビットコインの誕生日。 ジェネシス・ブロックが初生成 1月12日:サトシ・ナカモトがハル・フィニーに初のビットコイン送金(10BTC) |
2010 | 1万BTC =2枚のビザ | – | 5月22日:ビットコイン・ピザー・デー |
2011 | 360円 | 1,421% | 6月19日:Mt.Goxのハッキング事件 |
2012 | 1150円 | 215% | 初の価格急騰 8月28日:コインチェック創業 11月28日:初の半減期(報酬:50→25BTC) |
2013 | 8.6万円 | 7,378% | 3月28日:ビットコインの時価総額、10億ドル突破 10月1日:ダークウェブサイト「シルクロード」の創設者逮捕 11月28日:BTC価格、初めて1000ドル突破 |
2014 | 3.4万円 | -60% | 1月9日:bitFlyer創業 2月24日:Mt.Goxが経営破綻 |
2015 | 5.1万円 | 50% | 1月6日:Bitstampハッキング、約2万BTCが不正流出 8月1日:Mt.Gox元CEO逮捕 10月:欧州司法裁判所がビットコインの取引はVAT(付加価値税)の課税対象外と発表 |
2016 | 11.6万円 | 127% | 7月9日:2度目の半減期(報酬:25→12.5BTC) 8月2日:Bitfinexから約12万BTCが不正流出 |
2017 | 167万円 | 1,345% | 仮想通貨元年 5月20日:BTC価格、初めて2000ドル突破 7月14日:バイナンス設立 8月3日:BCHのハードフォーク 12月8日:BTC価格、日本円建で最高値(235万円)を更新 12月17日:米CME、ビットコイン先物取引を開始 |
2018 | 41万円 | -76% | 仮想通貨バブル崩壊 1月26日:コインチェックから5億2,300万XEMが不正流出 |
2019 | 78万円 | 92% | 1月3日:ビットコイン生誕から10周年 3月15日:金商法と資金決済法の改正案が閣議決定。仮想通貨⇒暗号資産に 5月1日:令和スタート 6月22日:BTC価格、1年3ヶ月ぶりに1万ドル回復 |
2020 | 297万円 | 281% | 5月12日:3度目の半減期(報酬:12.5→6.25BTC) 12月16日:BTC価格が2万ドル突破、過去最高価格を3年ぶりに更新 12月:ビットコインの時価総額、過去最高の50兆円を到達 |
2021 | 533万円 | 79% | NFT・メタバースの流行 9月7日:世界初ビットコインがエルサルバドルの法定通貨に 9月24日:中国で仮想通貨の取引とマイニングが全面的に禁止 11月10日:BTC価格が780万円、過去最高値に 11月14日:大型アップグレード『Taproot』の実施 |
2022 | 217万円 | -59% | 2月:ロシアがウクライナに軍事侵攻 4月:中央アフリカ ビットコインを法定通貨に 5月:テラ(LUNA)ショック、3ACなど連鎖破綻 11月:FTXとアラメダ・リサーチ破綻 |
2023 | 599万円 | 176% | 2月:ビットコイン オーディナル ローンチ 3月:米国の銀行危機 6月:ブラックロック、BTC現物ETFを申請 7月:リップルラボ対SECの裁定 |
2024 | 1457万円 | 143% | 1月:米国で初のビットコイン現物ETFが承認 4月20日:4度目の半減期(報酬:6.25→3.125BTC) 12月:BTC価格が初めて10万ドルを突破 |
2025 | 1540万円 (5/22時点) | 1月:ビットコイン価格が過去最高値を更新(10万ドルを突破) 4月20日:4度目の半減期(報酬:6.25→3.125BTC) 1月:BTC価格が初めて10万ドルを突破 3月:米国が戦略的ビットコイン備蓄を開始 |
※参考:CoinPostを参考に加筆
トランプ政権(2025年再選後)は、仮想通貨に対して積極的な政策を展開し、アメリカを「世界の暗号資産の中心地」とすることを目指しています。
2025年1月、トランプ大統領は「デジタル金融技術におけるアメリカのリーダーシップ強化」と題した大統領令を発令し、仮想通貨とブロックチェーン技術の成長を支援する方針を示しました。
また、同年3月には、戦略的ビットコイン備蓄とデジタル資産ストックパイルの設立を発表し、政府が押収した仮想通貨を保有・管理する体制を整備しました。
仮想通貨にはプラスに働きましたが、関税方針などで、株式相場が崩れれば、仮想通貨市場はそれ以上に崩れます。
トランプ政権の動き次第で、いかようにも動くというのが、今年の市場と言えるのではないでしょうか。
半眼期の詳細は、以下をご確認ください。
今後、ビットコインはどう動く?
4つのBTC価格形成フェーズ
ビットコインには価格形成に関する「4年サイクル」があり、価格形成の4フェーズがあります。
急騰フェーズ(図:9~12)
半減期後の1-2年。ビットコインの価格が大幅に上昇することが多い。
この期間は、供給が減少することにより、価格に上昇圧力がかかり、上昇しやすい。投資家の関心が高まる時期。
バブルピークフェーズ(図:1~2)
急騰フェーズの後、価格はピークに達し、バブルの頂点を形成する。
ビットコインのピーク後も、アルトコインが盛り上がり、暴騰する銘柄が続出する。
この時期、多くの新規投資家が市場に参入し、価格が非常に高騰します。ここで参入する新規投資家の多くが、その後やってくるバブル崩壊に巻き込まれ。最終的に損をして撤退を余儀なくされる。
バブル崩壊フェーズ(図:2~3)
バブルで市場が盛り上がる中、一気に価格が急落し、崩壊フェーズが始まる。
ビットコイン以上に、アルトコインが大きく値下がりする。ビットコインでも、ピークの7割程度まで下がることがザラ。
底練りフェーズ(図:3~8)
崩壊フェーズの後、底値探りをする時期が長く続く。どこが底かわからず、ビットコインを含む、仮想通貨市場への投資が怖い時期。
一方で、長期投資家がビットコインを買い集め、次の半減期に向けての準備を始める。
2025年5月現在は?
現在は、「バブルピークフェーズに至る前段階」にあると思われます。
過去のサイクルから考える、ビットコインのピーク時期は以下の記事で検討しています。
最後に
今回は、ビットコインの記念日「ビットコイン・ピザ・デー」の由来と、ビットコイン誕生から16年間の歴史と軌跡を振り返りました。
私自身は、今はまだ、ビットコインの投資妙味のある時期だと考えています。まだ、ビットコインをお持ちでない方は、少し購入してホールドしても良いのではないでしょうか。