
乱高下が続く仮想通貨市場。直近、ビットコインは1200万円を割り込む下落に見舞われました。
そんな中、2025年3月2日、ドナルド・トランプ米大統領は、暗号資産(仮想通貨)の戦略備蓄を進める計画を発表。
ビットコイン(BTC)に加え、イーサリアム(ETH)、リップル(XRP)、ソラナ(SOL)、カルダノ(ADA)の5つのデジタル資産を備蓄対象とする考えを示しました。
2025年は、仮想通貨に限らず、株式相場も軟調でした。仮想通貨、ビットコインを中心に、2025年の金融市場と今後の展望について確認をしておきます。
目次
仮想通貨市場:これまでの経緯(トランプ大統領に関連)
トランプ大統領は1月23日、暗号資産に関する新たな規制を提案し、国家的な暗号資産準備金の創設を検討するための作業部会の設立を指示する大統領令に署名していました。
前政権が、米国の経済的自由とデジタル金融における世界的リーダーシップを損なっていたことを示すと同時に、以下の内容を趣旨とする大統領令を発していました。
- デジタル金融における米国のリーダーシップを強化するため、デジタル資産市場に関する大統領作業部会を設立
- 作業部会は、デジタル資産に関する連邦規制の枠組みを半年内に策定。戦略的国家デジタル資産備蓄の創設を評価する任務を負う。
- 作業部会は、ホワイトハウスのAI・仮想通貨担当者デビッド・サックスが議長を務める。財務長官、証券取引委員会委員長、その他関連省庁の長が参加する。
今回の3月2日の発表は、その具体的な進展として位置づけられます。
2025年2月の金融市場
上記のような大統領令がありながらも、2025年2月の金融市場は、株式市場と仮想通貨市場が大幅な下落に見舞われました。
その背景には、以下の影響が重なっています。
✅ 米国の関税政策の強化
✅ ハッキング事件による仮想通貨市場の混乱
✅ 米国経済指標の悪化
✅ ヘッジファンドの売り圧力
株式市場:リスク回避ムードが拡大
- トランプ大統領が、米国の関税政策強化を発表。
中国・カナダ・メキシコへの関税引き上げが発表され、貿易摩擦への懸念が高まる。 - 2月21日、複数の米国経済指標が予想を下回る(消費支出・雇用統計の低迷)
景気後退懸念が浮上。 - 2月下旬、ヘッジファンドが大規模な売りを仕掛け、市場の下落を加速。
- S&P500は約5%下落、ナスダックは8%下落と大きく下落
仮想通貨市場:ハッキングと規制強化で下落
- トランプ政権の規制強化の可能性が報じられ、市場のセンチメントが悪化。
投資家の不安が仮想通貨市場にも波及。 - 2月21日、大手取引所Bybitがハッキング被害。約14億ドル相当のイーサリアム流出。
- ビットコインは17.5%下落。2024年6月以来の最大の下げ幅を記録
この通り、2025年2月は、政治・経済・セキュリティの不安要因が重なり、市場全体が弱気相場に入った月となりました。
ここに発表されたのが、3月2日のランプ大統領の戦略備蓄計画発表です。
先だって、市場が大きく下落していたこともあり、トランプ大統領の発表を受け、ビットコインは約11%上昇し、94,164ドルに達しました。 また、イーサリアムも約13%上昇し、2,516ドルまで上昇しました。
チャート確認
茶とでも確認をしておきます。
ビットコイン(円建て):日足
✅最高値からの下落は約30%😲
✅下値支持線として機能していた1430万円台を割れたことで一気に売りが加速
✅一時1200万円割れ。200日移動平均線が意識され反発
✅3/2の戦略備蓄計画発表で急騰。直近の下値支持線が、上値支持線に転換
仮想通貨時価総額:日足
✅最高値から一時31%強の下落
✅ビットコイン同じく、200日移動平均線が意識されて戻す
S&P500:日足
✅S&P500の最高値からの下落は約5%下落
対してビットコインの最高値からの下落は円建て約30%、ドル建て約28.5%
✅一目均衡表の雲の薄いところを狙われ、下落が加速
✅只今、下値抵抗線まで戻す。ここを超えて戻していけるか?
2025年3月の金融市場。今後の展望
トランプ政権の暗号資産市場への支持が明確になったことで、市場は再び強気のセンチメントを取り戻す可能性があります。ただし、仮想通貨市場は、「投機家のおもちゃ」になっている可能性もあり注意が必要です。
仮想通貨市場は、投機家の格好の遊び場
投機(スペキュレーション)とは、短期間での価格変動を利用して利益を狙う取引です。仮想通貨市場には投機がしやすい環境が揃っています。
価格変動(ボラティリティ)が大きい | 短期間で大きな利益・損失が発生しやすい |
24時間取引可能 | 世界中のトレーダーがリアルタイムで売買 |
情報が価格に即反映 | SNS・ニュース・インフルエンサーの発言で急騰・暴落 |
流動性が高い銘柄が狙われる | ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)など |
事前に、値上がりするイベントを知る資金力のある投機家なら、市場に大量の売りを出し、急落させ、大きく下落したところで買いに転じれば、行ってこいで短期間に大きな利益を手にできます。一方で、弱小の特に仮想通貨市場初心は怖すぎて、怖くて撤退、あるいは、損切りに会い、もうこりごりと市場に戻れなくなる…
仮想通貨市場に限ったことではありません。しかし、何度も仮想通貨市場で20%級の下落に見舞われてきた一個人としては、この動きが顕著だと感じるのです。
今後の展開
今後、3月7日にはホワイトハウスで暗号資産サミットが予定されており、今後の政策動向や規制の詳細が注目されます。 暗号資産市場は依然としてボラティリティが高い状況が続きそうなので、投資家は市場を見つめつつ、下落で冷静さを失わないようにする必要があると感じています。
また、株式市場など、米国経済指標次第で、FRB(連邦準備制度)の利下げ期待が高まる可能性もあり、3月以降の相場回復のカギがどうなるかに注目です。株式市場が上昇し、投資家リスクが和らぎ、仮想通貨にも資金が戻ることを期待したいところです。