SBI証券は5月24日から、仮想通貨に投資できる新商品「ビットコイン先物インデックストラッカー」「イーサリアム先物インデックストラッカー」の提供を始めました。
本商品の登場で、ビットコインやイーサリアムに、レバレッジなし、ロスカットなし、満期まで約3年間にわたる中長期投資が可能になりました。もちろんデリバティブ商品で「暗号資産現物」への投資でないため、税率は20.315%の分離課税となります。
資産があり、適用税率が高い方には魅力的な商品です。
今回は、「暗号資産先物 BTC/ETH インデックストラッカー」について紹介します。
ちなみに私は、十分な現金持ち合わせがなかったため、BTCとETHのレバレッジトラッカーを購入しました。この件についても紹介します。
目次
税率20%が魅力:暗号資産先物 BTC/ETH インデックストラッカー
冒頭で紹介した通り、「暗号資産先物インデックストラッカー」は、レバレッジ・ロスカットなしの中長期投資に対応した証券化商品。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)に上場している特定の限月の米ドル建暗号資産先物(ビットコイン先物、イーサリアム先物)を対象としたeワラントです。
通常、仮想通貨現物の取引や仮想通貨FXの取引は、税法上最高税率55%の雑所得扱いですが、「暗号資産先物インデックストラッカー」は証券化商品のため、20.315%の分離課税で投資をすることが可能です。課税所得695万円以上の方は、レバレッジトラッカーを用いることで、課税所得を軽減することができます。
「暗号資産先物インデックストラッカー」の特徴
「暗号資産先物インデックストラッカー」の特徴の特徴は以下のようになります。
❶暗号資産相場を対象とした個人投資家向け証券化商品
❷満期までの期間が3年程度。レバレッジ・ロスカットがなく、中長期的に暗号資産相場に投資が可能
❸追証なし。最大損失は投資元本に限定
❹暗号資産先物インデックスリンク債を対象としており、ハッキングや盗難のリスクなく暗号資産相場に投資が可能
❺証券口座で暗号資産相場に投資が可能
先行するビットコインレバレッジトラッカーの欠点をカバー(商品比較)
本商品のリリースに先立ち、SBI証券では、今年2月に「ビットコインレバレッジトラッカー」と「イーサリアムレバレッジトラッカー」をリリースしています。
これらは共に、先物の価格が上昇するとその価格に連動して価値が上がる「プラス5倍トラッカー」と、価格が下落すると価値が上がる「マイナス3倍トラッカー」の2タイプで取引が可能です。
ただし、実際に「レバレッジトラッカー」を売買した経験として、取引手数料が高いのは仕方がない(暗号資産の取引は現物だろうがスプレッドが非常に大きいので致し方なし)として、「1ヵ月という満期日があるため、中長期投資派には向かない。ロールオバーするにしても、その度に大きなスプレッド手数料が発生する」ので、取引難易度が高くて使い勝手が悪いと感じたことは、こちらの記事の「最後に」でも紹介した通りです。
幸い、私は、利益は少額ながら初回取引を投資額に対してリターン30%で終えることができましたが、その後は、満期1ヵ月では先を読むことが難しく、利用できずじまいでした。
しかし、「インデックストラッカー」なら、投資したいと考える方も増えるのではないかと思った次第です。
内容 | レバレッジトラッカー | インデックストラッカー |
---|---|---|
税率 | 21.315% | 21.315% |
レバレッジ | あり | なし |
ロスカット | あり | なし |
満期 | 約1ヵ月 | 約3年 |
インデックストラッカーの買い方
以下では、ビットコインインデックストラッカーの買い方を例に買い方を紹介します。
購入の手順自体は、簡単です。
SBI証券に口座がない場合は、まずは、SBI証券総合証券口座を開設ください。
- 該当ページにアクセスし、「eワラントの取引のお申し込み」ボタンをクリック。同意画面が表示されるので、それにチェックを入れるとeワラント取引ができるようになります。
- 買付画面から「トラッカー」>「BTC先物INDEXリンク債_2024年」をクリックすると、該当の銘柄が表示されます。
- 上記画面で該当銘柄をクリックすると以下の画面となります。
画面でチャート、買い気配、満期日、スプレッドなどを確認して、いくらで買うか決めます。「買付」をクリックして次に進みます。
※満期日が「2024年5月8日」となっていますね。 - 注文入力画面で、現在値、スプレッドを確認の上、購入ワラント数、指値、注文期間を入力。
「ミストレードに関する規定への同意」にチェック、取引パスワードを入力の上「注文確認画面へ」ボタンをクリックしてください。
※ワラントの買付単位は「1000WR」です。 - 注文内容に問題がなければ、「注文発注」ボタンをクリックして、買付注文完了です。指値価格となり約定するのを待ちましょう。
暗号資産は値動きが早いため、スリッページする可能性がありますので、その点、ご認識を。
下落したBTC/ETCをレバレッジトラッカーで買付
さて、私ですが、再び激しく下落したビットコイン/イーサリアムを「レバレッジトラッカー」にて買い付けました。
先週金曜日時点(インデックストラッカーリリース前)で、週末にビットコインもイーサリアムも再び下落するのではないかと予測。BTCとETHのレバレッジトラッカーの買いを指値注文していました。ただし、満期が6月9日と期間が短く、また、今の仮想通貨の値動きがどう動くか方向感も読めないため、どちらも投資上限10万円までの少額注文です。
週末再び下落に転じたため、週明け、買い注文が約定。5月25日引けの段階では、プラスとなっています。
ちょっとひやひやしますが、ここで大底を売ってくれることを願い、保有してみたいと思います。
もっと果敢に攻めたいなら本格デリバティブでの売買
正直、SBI証券のレバレッジトラッカー、インデックストラッカーで大きなリターンを得たいと思うと、それなりの現金が必要です…
しかし、大きな投資資金(現金)が用意できる人は限定的でしょう。私も、大きな現金の持ち合わせはありません… 税制面でメリットがあるのも、所得が多い小金持ち以上!?の人にとってメリットがある商品で、富裕層向き商品かな~という印象を持っています。
でも、この大きなボラティリティを利用して、果敢に攻めたい人もいるでしょう。
そんな方に向いているのが、本格デリバティブが行える仮想通貨取引所「FTX」。
本格デリバティブ取引が可能な仮想通貨取引所「FTX」
FTX(エフティーエックス)は様々なトークンや暗号資産(仮想通貨)を取扱う人気の取引所です。
最大の特徴ともいえるのが、最大レバレッジ101倍。国内では暗号資産(仮想通貨)取引所の最大レバレッジは2倍(2021年4月以前は最大レバレッジが4倍)ですから、大きな差ですね。
FTXのCEOは元天才トレーダー(通常、「アフロ」の名で有名)なので、トレード好きのトレーダーが使いやすい設計となっており、その他理由も含めて、暗号資産に投資するなら、口座を準備しておいて損のない取引所です。
今後BTCは底を付けて上昇すると考えるなら、
・レバレッジをかけてBTCの上昇を取りに行く(レバレッジは設定可能)
・現物と先物の値幅が開いたときにサヤを取りに行く(現物と先物の価格差を利用した両建て取引)
など投資戦略が広がります。このような取引ができる仮想通貨取引所は国内にはありません。
口座開設方法は以下にて紹介しているので、ご興味のある方はご確認を!
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最後に
今回は、SBI証券で新しく始まった「暗号資産先物 BTC/ETH インデックストラッカー」の特徴について紹介しました。
投資家としては、投資の手段が増えるのは喜ばしいことです。
ただし、資産状況・所得状況により向き/不向きがあると思うので、上手に使い分けてくださいね。