【2024年9月】個人向け国債 変動10年 利率は0.61%。金利の推移は?日銀政策との関係は? 国債はどこで買う?開催キャンペーン一覧

何十年にもわたってデフレでインフレに対する危機意識が薄かった日本人。

この状況が一変したのは2022年以降。現在は、現金で保有したり、銀行に預けておくだけでは、価値が目減りする時代となりました。資産目減りを防ぐ対策が必要です。

そこで、資産ポートフォリオへの組み入れたいのが、「個人向け国債」9月の変動10年は初回利率0.61%。これは前月と同じ値です。

金利のある世界(インフレの世界)では、資産を現金で保有していても目減りするだけ。適切な預入先に預けることが大事祖になります。

本記事では、個人向け国債のキホン、及び、これまでどのように国債10の金利が推移してきたか、個人向け国債はどこで買うとお得か、など知っておきたいポイントを紹介します。

普通預金・定期預金より有利な個人向け国債

個人向け国債利率(税引前)コメント
変動10年初回0.61%(前回0.72%)利率は半年ごとに変動
固定5年0.51%(前回0.12%)
固定3年0.39%(前回0.10%)

2024年9月の個人向け国債の年率は上図の通りです。

日銀の金利政策の変更で、銀行などの金利も上昇傾向にあります。しかし、普通預金・定期預金共に、一部の期間限定特別金利キャンペーンを除き、個人向け国債より金利の高い預入先はありません。

普通預金・定期預金に対して、信用リスクが最も高く、かつ、年利の高い「個人向け国債」は断然有利な金融商品と言えます。

個人向け国債 変動10年は現金・預金の代替になる資産

「個人向け国債 変動10年」は、実勢金利の動きに応じて半年ごとに適用金利が変わり、その時々の受取利子が増減する仕組みです。

個人向け国債の特徴

購入から半年ごとに利子が受け取れる
1年経過すれば、1万円単位でいつでも中途換金が可能(現金・預金の代替になる)
・元本割れの心配がない
・普通預金・定期預金に預けるより有利
個人向け国債キャッシュバックキャンペーンを開催する金融機関もある
※個人向け国債の中途解約、優遇キャンペーンについては後述

ちなみに、「令和3年度国債広告の効果測定に関する調査報告書」によると、国債購入者の7割は「変動10年」を購入しています。

個人向け国債・変動10の金利の推移(2003年~)

個人向け国債・変動10の金利の推移

画像:財務省・個人向け国債ページより取得したデータを元に作成

上図は、「個人向け国債 変動10 の金利推移」です。2022年以降、明らかに金利が上昇しています。これが意味するところは、「インフレ」です。

円安・株高と日銀の異例の金融緩和を巡る歴史

円安・株高と日銀の異例の金融緩和を巡る歴史

日銀の決める金融政策が、国債の金利に大きく影響しています。
以下では、目下、経済状況の把握するうえでも大事な、日銀の金融政策の推移についても確認しておきます。

2001年■「量的緩和政策」が開始
・金融市場調節の主たる操作目標は、無担保コールレートから日本銀行当座預金残高に変更
2010年■「包括的な金融緩和政策」が開始
2013年4月■「量的・質的金融緩和」が開始
・大規模な金融緩和政策が導入
・金融市場調節の主たる操作目標は、
 無担保コールレートからマネタリーベースに変更
以降、円安・株高の流れに
2024年3月■金融政策の枠組みを見直し
・短期金利、マイナス金利政策の解除
・長期金利、これまでと同程度の金利で長期国債を借入
・イールドカーブコントロール撤廃
・ETJ/J-REIT、新規買い入れ終了
・社債等、1年後をめどに買入れを終了
2016年1月■「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」が導入
・日本銀行当座預金のうち「政策金利残高」に-0.1%のマイナス金利を適用
・10年物国債金利が概ねゼロ%程度で推移するようにする「イールドカーブコントロール」などが追加
2024年7月・短期金利、0.25%程度に引き上げ
・長期金利、長期国債の買入れ予定額を毎四半期4,000億円程度ずつ減額
      2026年1~3月に3兆円程度とする計画を決定
2024年10月日銀金融政策決定会合 開催日 10月30日~31日
2024年12月日銀金融政策決定会合 開催日 12月18日~19日

2013年から始まった、日銀の量的・質的金融緩和により、 リーマンショックの最デフレ時 株安・円高から2024年には株高・円安へと様相が大きく変化しました。

日経平均:7,000円台⇒最高値4.2万円へ
ドル円 :70円台⇒最安値160円へ

目下、ヤバイ円安・インフレが同時進行し、国民生活を直撃しています。
日銀が、「金利のある世界」へ金融政策を変更したことで、目下、ドル円は最悪の円安から円高方向に動きつつありますが、この舵取りが遅かったため、大きく円安が進行してしまいました。

日銀の金融緩和政策は何をもたらしたか

基本、金利が上がれば円高になります。円安なのは、他国に対して低いからです。
なぜ、日銀はこれほどの円安に対して、抜本的な対策を行っていないのか?
それにも理由があります・

日本は、氷山が迫るタイタニック号。氷山がどこまで迫っているか、霧の中で見えませんが、確実に迫ってきています。
もし、難局を乗り切れたとすれば、それは、国民が痛い目を見るということです。
この事実は知っておいた方がいいです。以下の本を読んでおきましょう。

これ以外にも、我が国に迫る危機に警鐘を鳴らす本はいろいろあります。1冊でもいいので読んでおくことをおすすめします。

「ヤバい円安・インフレ」が同時進行

日本では「ヤバイ円安」と「インフレ」が進んでダブルパンチ状況にあります。

しかし、「インフレ」は世界的な動向です。今後も、世界的インフレは続きます。日本はさらに円安でダブルパンチです。

日本だけを見ていても、今後は見えてきません。日本と世界、両方の状況を抑えることが大事です。

異次元の金融緩和の反動は、今後も日本を襲います。上記本は、現状を知るためにも、読んでおくべき本です。今後の、資産運用にも大いに役立つはずです。

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個人向け国債、中途解約するとどうなる?

個人向け国債の利用のデメリット:資金ロック

個人向け国債のデメリット」は一定期間、資金がロックされてしまうことですが、必ずしも満期まで保有する必要はありません。

国債を途中解約するとどうなる?

変動10は満期まで10年ありますが、繰り返しになりますが、発行から1年経過すれば、額面1万円単位でいつでも中途換金が可能です。

「直前2回分の利息を返還」が必要ですが、中途換金に手数料はかかりません。中途換金調整額を引かれても元本割れになることもありません。途中解約時の経過利子も日割り計算され、その分の利息ももらえます。

大和証券:「変動10年」の中途換金イメージ図

また、発行から1年経っていなくても、災害救助法の適用対象となる大規模災害に遭った場合や、保有者が亡くなって相続が発生した場合には中途換金することができます。

このように考えると、比較的自由度がある預入先とも言えます。万一に備えるお金で、1年以上、使う予定がないのであれば、「必要に応じて解約すればいい」と気楽に考えて預け入れた方が結果的にお金が増やせると思われます。(下手に賢い人ほど難しく考えて、考えた挙句、動かないという状況に陥り勝ち。時間を浪費すると、結果的に、インフレ負けでお金が目減りして損!

「国債=国の借金」というマイナスイメージを払拭した方が、買いやすい

「国債=国の借金」と悪いイメージだけを持っている方は、国債の購入に抵抗を感じるのではないでしょうか。
国債とはいかなるものか、国・金融機関にとってどのような役割を果たすものかなど、勉強し直してみることをおすすめします。

変動10年 個人向け国債 キャッシュバックキャンペーン

国債はどこで買っても金利は同じ。手数料無料、受け取る利子、その他の条件もすべて同じです。

個人向け国債(変動10年)の購入額に応じて、キャッシュバックが受けられるキャンペーンを行っている金融機関で買うのがベターです。

各金融機関:変動10年 個人向け国債 キャッシュバックキャンペーン一覧

※2024年9月6日時点

 購入金額 SBI証券 みずほ証券 SMBC日興証券 大和証券 野村證券
50万円 500円
100万円 1000円 1000円
200万円 2000円 2000円
300万円 3000円 4000円
400万円 4000円 5000円
500万円 5000円 7000円 7000円
600万円 6000円 8000円 8000円
700万円 7000円 9000円 9000円
800万円 8000円 11000円 11000円
900万円 9000円 12000円 12000円
1000万円 10000円 14000円16000円 16000円
以降100万円増額ごとに+1000 円+1400 円+1600 円+1600 円– 円

購入額:200万円まで

国債購入金額が200万円までなら、「SBI証券」です。変動10年の場合、50万円ごとに500円(0.1%)のキャッシュバックが受けられます。
※2017年以降に個人向け国債キャンペーンの対象となったことがない方限定です。

購入額:500万円まで

500万円以上購入する場合は、SMBC日興証券が有利です。

購入額:1000万円まで

1000万円以上購入する場合は、「SMBC日興証券」「大和証券」が有利です。

最後に

今回は、普通預金/定期預金に対して圧倒的に有利な個人向け国債を活かして、インフレに対抗する方法について、紹介しました。

多額の現金を保有ておいても資産は目減りします。個人向け国債を上手に活用しましょう。ただし、どんな場合も、無理のない範囲で活用を!