「「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2023」の結果が、2024年1月21日に発表されました。
Fund of the Yearは、2007年から開催されている投資信託に詳しい「目利きの個人」が年に1度、優れた投資信託を選ぶファンド投票。投信ブロガーたちは、証券会社の宣伝やうたい文句にまどわされず、利用者・運用者にとって本当によいと思えるファンドに投票しているので、結果には信頼性があります。
Fund of the Year 2023の結果は、サプライズなし。「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(三菱UFJ国際投信)が5年連続でNo.1👑の栄冠に輝きました!
今回はこの結果を私なりに考察し、今後の投資に活かすべく、気づきをまとめます。
目次
Fund of the Year 2023ランキング結果
「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2023」10位までのランキング結果です。
4位まではランキング変動なしな点が特徴的です。数年前には通称・レバナスなどレバレッジファンがランキングしたり、アクティブファンドがランキングを伸ばす年もありました。そのような積極投資年に比べて、安定投資が重視される年だったことが伺えます。
順位 | ファンド名 | カテゴリ | 前年比 |
---|---|---|---|
1位 | eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 世界株式 | → |
2位 | <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド | 先進国株式 | → |
3位 | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 米国株式 | → |
4位 | バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT) | 世界株式 | → |
5位 | eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) | 世界株式 | 11位以下から↑ |
6位 | eMAXIS Slim 先進国株式インデックス | 先進国株式 | 5位から↓ |
7位 | 結い2021 | アクティブ | 9位から↑ |
8位 | たわらノーロード先進国株式 | 米国株式 | 11位以下から↑ |
9位 | eMAXIS Slim バランス(8資産均等型) | バランス | 11位以下から↑ |
10位 | ひふみ投信 | アクティブ | 7位以下から↓ | 前年TOP10からの落選ファンド |
セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド | バランス | ||
楽天・全米株式インデックス・ファンド | 先進国株式 | ||
農林中金<パートナーズ>長期厳選投資 おおぶね | アクティブ |
ランキング結果:考察
Fund of the Year 2023の結果・順位変動などから、個人的に思ったことをまとめておきます。
eMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)強し!
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)、通称 オルカン、強し。今年で5年連続1位受賞です。
これ1本に投資すれば、全世界の株式にまるっと手間なく投資できるインデックスファンドでありながら、ノーロード、かつ、運用コスト(信託報酬)は年率0.05775%(税込)と格安。分配金も再投資されます。純資産残高の増加とともに信託報酬が下がる「受益者還元型信託報酬率」のしくみを持っている点も評価が高い理由です。
さらに、4位のVTは海外籍のインデックスファンドであるのに対して、eMAXIS Slim 全世界株式は日本国籍のインデックスファンドで、投資初心者🔰でも投資がしやすい。5連続1位もうなづけます。
また、eMAXISシリーズが強い。トップ10内に3本もランキング入りする強さは、昨年と変わらずです。
日本不人気?eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)
目につくのは、5位にランキングした「eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)」。これは、明らかに、日本への投資を避けた投信です。
日本株は個別銘柄で持っているので、これ以上の、全体ポートフォリオに占める日本株比率を増やさないためなのか、それとも、日本への投資の失望なのか?
いずれにせよ、2024年、新NISAの始まりと共にぐんぐん上がっている日経平均に対し、ちょっと、複雑になる結果であることは間違いありません。
人気のファンドが入れ替わることが意味すること
人気のファンドは、景気サイクルに合わせて変動します。つまり、より成果のでる投資スタイルは月日と共に変動する。
良い金融商品は入れ替わる
投資にはサイクルがあり、今年はパフォーマンスに優れたよいファンドであっても、永続的によいファンドとはならないということです。
世界経済は長期的には右肩上がりで上昇しても、好景気時、不景気時の波は必ずあります。2024年は世界経済を握る米国では、FRBが政策金利の方針を転換し、金利は低下に向かうことが予想されており、これと共に、ベスト解となる投資先は変わっていくことになります。
「今、いいファンドだから!」と決めつけずに、世界情勢を考え見ながら、その年の運用法を考える必要があります。
長期運用なら「腹を据える」
10年、20年、30年という時間軸で、「腹を据えた投資」をすることです。下落してもおろおろして投資を辞めないことが一番大事です。
金利の勉強はしておいた方がいい
何はともあれ、投資をするなら「金利の勉強」はしておいた方がいいです。
以下の本は、金利を学ぶおすすめ本。過去、金利は何度も景気減速示唆する警鐘を鳴らしていたことがわかる良書です。
私の積立投資
私は、基本、eMAXIS Slim シリーズのファンドで積立投資を行っています。
積立銘柄 | 利用証券会社 | |
---|---|---|
新NISA (2024年~) | eMAXIS Slim 全世界株式 | 楽天証券 クレカ積立+楽天キャッシュ積立 |
つみたてNISA (~2023年) | eMAXIS Slim 全世界株式 | 楽天証券 制度上の満了が近づくまで放置して運用 |
iDeCo | eMAXIS Slim 先進国株式 | SBI証券 |
一般課税口座 積立 | eMAXIS Slim 全世界株式 | SBI証券他、ポイント付きで積立が可能なクレカで投信積立 ※tsumiki証券のみ、eMAXIS Slimが選べないので例外 |
上記3つのファンドを1本に絞るなら「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」への投資が最も安心だと考えています。
積立投資は、将来、切り崩すために行うものです。つまり、「積立投資の出口戦略」なしに、積立投資の成功はありません。
以下の本は、積立投資の切り崩し方に対して、深い気づきを与えてくれました。一読の価値ありです。
インデックス/ETF投資のおすすめ本
低コストのインデックスファンドを利用し投資を始めるに当たって、おすすめの本を紹介します。
レベル・目的に合わせて、読んでみることをおすすめします。
積立投資の基礎を学び🔰
これからお金について学びたい人を対象に、お金の基礎、貯め方など、読みやすい本を中心に、良書をセレクトしました。
難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!:山崎元
「お金のド素人」に「お金のプロ」山崎元氏が、なるべく安全なお金の増やし方を指南。お金の素人にもわかりやすく知っておくべきお金のことを教えてくれる、本の体裁はポップだけど筋が通った良書。
本当の自由を手に入れるお金の大学:両@リベ大学長
誰も言わないけど、やれば人生が変わる〈お金の勉強〉が満載。貯める・稼ぐ・増やす・守る・使う の5つの力が1冊で身につく。絶大な人気を誇るマネー書は一読の価値あり!
日本一カンタンな「投資」と「お金」の本:中桐啓貴
本書では、心理とマネースキルの両面について、ストーリー仕立てのわかりやすい解説。マネーの勉強の🔰におすすめ。
となりの億り人:渡辺努
簡単ではないが、努力次第で資産1億円は可能。「天引き習慣」「保険は入らない」「長期投資」で、普通のサラリーマンでも目指せる再現性のある「資産形成方法」をわかりやすくアドバイス。
長期投資・積立投資について学ぶ本
ウォール街のランダムウォーカー:バートン・マルキール
「投資家は、個別株の短期売買やアクティブファンドで運用をするより、ただ、インデックスファンドを買って、ただ待っているだけの方がはるかによい結果を生む」インデックス投資のバイブル書。再販を重ね、現在13版。普遍的な内容はそのままに、変貌を遂げる金融マーケットに追随し、内容も変化し、時代に即したものに変化しています。その理由を、データ・分析・歴史などで証明する、非常に説得力のある良書。第13版は初版から50周年の記念版。マルキール氏はインフレは当面続くとみるも、それでもインデックスファンド投資が最強という論を引き続き展開。
敗者のゲーム:チャールズ・エリス
投資での成功は、難しい証券分析などの専門知識や経験を身につけることではなく、短期的に市場を出し抜こうとすることでもない。市場平均利回りを上回る(=市場に勝つ)ことがきわめて難しくなった今、最も簡単かつ結果の出る方法は、インデックス・ファンドを活用することである!
この本を最初に読んだのは、20年程前だが、衝撃を受けたことを覚えている。今なお通用する、初心者でも読みやすい王道本。
投資で一番大切な20の教え:ハワード・マークス
リーマンショックで最も稼いだ運用会社として知られる逆張りファンド。そのトップを務める著者が、長年の投資経験を「投資哲学」としてまとめた一冊。ウォーレンバフェットも大絶賛する投資哲学本で、バークシャーハザウェイの株主総会で配布した実績を持つ素晴らしい本。本書で紹介される20の投資哲学はタイトルだけ見ると平凡。しかし、読めば、なぜ、投資の神様バフェットをも魅了したのかがわかる!私がこれまで読んできた投資哲学本の中でも、間違いなくTOP10に入り必至。インデックス投資でFIRE(経済的自立&早期リタイア)を目指している人にもおすすめ。
インデックス投資は勝者のゲーム:ジョン・C・ボーグル
インデックスファンドに特化したポートフォリオこそが、株式市場のリターンから公平な分け前を効率的かつ確実に獲得する唯一の投資戦略。著者は、投資信託会社バンガード・グループの創業者兼元会長。発売後以降、改定を重ね、只今、弟10版。アセットアロケーションと退職後の投資に関する章が追加されるなど、時代に合わせて進化を遂げている、読み継がれる良書
つみたて投資の終わり方:カン・チュンド
本書は、具体的に積立投資の出口戦略をアドバイスしてくれる良書。
読了後、実際に老後の取り崩しシミュレーションを行ってみて、いかに取り崩し方が大事であるのかを実感!単なるロジックではない、極めて実践的な学びが得られる。
半値でも儲かる積立投資:星野泰平
そんな、株価が下がるとおろおろしてしまうあなたに、株価が下落しても、コツコツ続けていれば、最終的にはリターンとなることを、多数のシミュレーションで腹落ちさせてくれる1冊。株価の変動に動じず、腹のすわった投資ができるようになる指南書。
終わりで大きく儲かる「つみたて投資」:星野泰平
長期投資においては、始めるタイミングは大切じゃない。大切なのは「出口戦略」!「半値でも儲かる積立投資」同様、様々なシミュレーションを例に腹落ちして理解させてくれる良書。私は、この本で、長期投資のメリットが腹落ち!
お金は寝かせて増やしなさい:水瀬ケンイチ
上げ相場だけでなく、暴落相場をどう乗り切るかに関しても、長期にわたってインデックス投資を愚直に継続する著者の意見や、実際に資産額がどのように変化したかもともに公開。苦しい時期を乗り切ることで得られる長期インデックス投資の圧倒的なリターンがわかる。
ほったらかし投資術:山崎元、水瀬ケンイチ
ローコストで手間いらずで負けない、平均的パフォーマンスを上回る「インデックス運用」が最強であることを非常にわかりやすく学べる。確定拠出年金(iDeCo)、NISAを最大限に活用する方法について、何をどうすればいいか、シンプルな手法の解説もわかりやすい!
更に多くのマネー本から探したい方は、以下の記事も参考にしてください。