2024年3月5日、ビットコインが日本円で1000万円を突破しました。
上場投資信託(ETF)への資金流入を背景に、オプションなどのヘッジ買いが勢いをつけています。ビットコイン以外の仮想通貨への資金流入も広がり、急騰する通貨が出てきています。ただし、最高値更新で、乱高下していることも事実です(仮想通貨ではこれが常ですが)。
さて、ビットコインは構造的に値上がりしやすいように設計されています。そのポイントとのあるのが「需要と供給」です。
ビットコイン 1000万円達成を機に、現在のビットコインの現状、および、ビットコインが値上がりしやすい次の半減期から見る次のバブルについても検討してみます。
目次
祝!ビットコイン1000万円
2月最終週、ビットコイの対円価格はは、700万円台後半での揉み合いが続いてきましたが、3月に入り、このもみ合いを抜けて以降、一転して再び上値を追う展開をしています。
ビットコインが好調な要因
ビットコインが好調な要因として、以下が挙げられています。
・米国で1月に上場したビットコイン現物ETFへの引き続きの資金流入
・2024年4月に迫った半減期への期待(後述)
ドル建てでは様相が異なるビットコイン
円建てでは非常に大きく上昇しているビットコインですが、ドル建てでみると随分と様相が異なります。
今やっと、2021年のバブル高値にタッチしたところです。ビットコインが円建てで上昇している理由は、とてつもなく円安が進んだからです。
つまり、海外勢から見ると、「ビットコイン価格の本格上昇ははこれから」なわけです。
ビットコインが構造的に値上がりする理由
ビットコインは、その構造的に、値上がりしやすい特性を備えています。
そもそも、ビットコインは、株式と異なり、業績が存在しません。株式の場合、企業の財務状況や業績などファンダメンタルズを見て投資判断を行いますが、ビットコインにはこのようなモノは存在しません。
※ファンダメンタルズの代表:PER(株価収益率)、PBR(株価純資産倍率)、ROE(自己資本利益率)
ビットコイン価格が値上がり要因は、ズバリ「需要と供給」です。
価格を決める「需要と供給」
通常、モノの価格は「需要と供給」で決まります。
需要 | それを欲しいと思う人がどれだけ多いか |
供給 | 生産量、発行枚数、通貨量 |
価格 | 需要と供給のバランスにによって決まる |
市場に出回るものほとんどは、「需要があれば、サービス提供者は供給量を増やす」⇒「価格が安くなる」が経済学のセオリーです。
法定通貨である、ドルや円などの通貨は「ジャブジャブ刷られる」と揶揄されることがありますが、経済状況に合わせて輪転機を回すことができるからです。
米国は景気後退(灰色の部分)の度に、ドルを刷っています。これだけ市場に出回るお金が増えれば、1ドルの価値は下がります。これをもって、「貧乏父さん 金持ち父さん」の著者ロバート・キヨサキ氏は、以下の本でドル(法定通貨)はフェイクだ!と論じています。
この「需要と供給」のセオリーから見た時、異質なのが「ビットコイン」です。
ビットコインは「供給」に制約。「需要」が上回れば上昇する
ビットコインの発行上限は2100万枚とあらかじめ定められています。今現在は、93%がマイニング済(発行済み)です。
発行上限に達する前なので、少しずつですが、日々マイニングされ、市場に出回るビットコイン数は増えています。現在、1日当たりのマイニング量は900BTC程度です。
ただし、マイニングできる量・採掘量(供給量)は、段階的に減ることが定められています。このマイニング量が変化するタイミングが「半減期」です。
ビットコイン採掘者は、トランザクション(取引)をまとめたブロックが生成される度に、報酬としてこのビットコインを得ていますが、この報酬がブロック数21万枚を迎えるたびに半分になっていきます。
ビットコインは大口投資家が買い占めているとの話も
2010年5月22日、ビットコインがはじめて交換されたのはピザ2枚でした。それから15年もかからず、ビットコインは1000万円まで上昇しました。
このような急騰をしてきたビットコインですが、一説にはビットコインの全供給量の7割はこの大口投資家によって買い占められているとの噂もあります。すると残りは3割。しかも、パスワード紛失・所有者死亡で取り出せなくなってしまったものもあります。このような中で、残り3割を大勢で取引しているとすれば、価格が上昇してもおかしくはありません。
ビットコインの保有割合については噂の域を超えませんが、いずれにしても「需給の偏りによる価格変動」は価値が高騰の重要ファクターとなっていることは間違いありません。
さて、ここまでで言いたかったことをまとめます。
ビットコインは、常に「供給」に制約があります。これにより、ビットコインは、何かのGoodニュースと、頃合い(半減期・サイクルなど)が整うと、一気に「需要」が高まり、一気に値上がりするという性質を持っているのです。
暗号資産が値上がり要因
暗号資産が値上がりする要因を、もう少しブレークダウンしてみると、以下のようになるでしょうか。
❶将来、需要が大きくなるとの予想がでる(市場への期待)
❷何らかの理由で、注目される(戦争、通貨危機 など)
❸暗号資産の技術革新(アップデート、セキュリティ強化、他)
❹オンチェーン指標の変化(取引所ー外部ウォレット間の大口の資金移動など)
ビットコイン以外の通貨の場合は、以下も要因になるでしょう。
❹暗号資産の取引所への上場
❹バーン(Burn)で供給量が減少
もう一つ、ビットコインの価格上昇で忘れてはいけないのは、ビットコイン開発者 サトシ・ナカモト氏の功績。
供給量(希少性)の担保、「改ざんができない事」が必須の条件となりますが、ビットコインの場合、この改ざんが一切できないよう設計されています。
このセキュリティの高さこそ、正体不明のビットコイン開発者 サトシ・ナカモト氏の功績。実在すら証明されていない人物が、前代未聞で2016年度のノーベル経済学賞にもノミネートされたのもうなづけます。正体不明で謎が謎を呼ぶ点も、マーケティング(需要)的観点から、価格上昇の要因に一役買っていると言えるでしょう。
【投資戦略】次の半減期、次のバブルはいつか
ビットコイン投資家なら、大事なのは、投資戦略です。
ここからは、4回目の半減期と次のバブル時期についてです。
以下記事からの重要ポイントのみ抜粋して紹介します。
4回目の半減期は2024年4月
半減期 回数 | 日付 | 経過日数 | BTC価格($) | BTC価格(円) | 上昇倍率 | 報酬 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2012年11月28日 | $12.31 | 約1300円 | 50→25BTC | ||
2 | 2016年7月9日 | 1319日 | $650.63 | 約7万円 | 52.9 | 12.5BTC |
3 | 2020年5月12日 | 1403日 | $8517 | 約91.5万円 | 13.1 | 6.25BTC |
4 | 2024年4月21日ごろ | 3.125BTC | ||||
5 | 2028年 | 1.5625BTC |
上表は、過去の半減期です。半減期のサイクルは約4年。日数は確定していませんが、1,400日程度で半減期を迎えます。
ちなみに現在、bitcoinblockhalfの「ビットコインブロック報酬半減カウントダウン」によると、4回目の半減期は2024年4月21日ごろとみられています。
次のバブルは2025年と予想
上図は、対数表示で示したビットコイン価格の推移です。
ビットコイン価格が、青~緑~黄色~赤の線でで示されていますが、これは、次の半減期までも残日数を表しています。現在は「青色」で、半減期が迫っていることを示しています。
ビットコインは以下のようなバブルサイクルを形成する特徴があります。
・半減期前後(青~赤)の期間は❶S2F理論値に近い水準で価格が形成
・赤~オレンジ~黄色の期間に上に❶理論値より上方にオーバーシュート
・黄色~緑の期間に激しく暴落し、その後、底ねり(2年強)
これらを参考にして、4回目の半減期が「2024年4月21日」とした場合、ビットコインの次のバブルはいつ頃になるでしょうか?
以下は、次の半減期までの残日数を元に、その目安となる日を計算してみた結果です。
半減期というイベントを通過後、一旦売られる(或いは、イベントを先取りして先んじて売られる)でしょうが、残日数が1,000~800日ぐらいに次のバブル高値が来るとすれば、「2024年11月~2025年5月」の間に、最高値を迎える可能性が高いとシミュレーションすることができます。
次の半減期までの残日数 | 色の目安 | 目安となる時期 |
---|---|---|
1400日 | 赤 | 2024年4月21日 |
1200日 | 橙 | 2024年11月7日 |
1000日 | 黄 | 2025年5月26日 |
800日 | 薄緑 | 2025年12月12日 |
600日 | 黄緑 | 2026年6月30日 |
400日 | 緑 | 2027年1月16日 |
200日 | 青緑 | 2027年8月4日 |
0日 | 青 | 2028年2月20日 |
次のバブルでいくらまで上昇する?
価格はいくらまで上昇するでしょう?
この点については、私はわかりません。下限で見積もっても1BTC=2,000万円は超えるでしょう。過去の推移を見ていると、3,000万円、5,000万円もあり得るでしょう。
【最後に】ビットコイン投資、私はどうする
いずれにせよ、ビットコインは時間が経つほど希少性が高くなる通貨です。既にビットコインを保有しているなら、アホになってホールドしておけばいいというのが私のスタンスです。
買い増すなら、今すぐ買うか、半減期後の急落を待ってからでしょうか。
私の場合、売買が上手でなく、また、メンタルコントロールも上手ではない(合理的に動くべきとわかっていても、非合理に動いてしまう人)ので、安易に売ってしまうと怖くて買い戻せなくなります。よって、保有分については、長期ホールドです。
バブルサイクルを意識しながらも、お金の必要に応じて換金するぐらいのスタンスでいた方がよいかなと思っています。