金(ゴールド)の国内価格が、史上初の1グラムあたり1万円を突破しました。
背景にあるのは、「世界的な金価格の上昇」と「円安」です。
目次
金価格、1g 1万円を突破
金現物の購入には消費税がかかります。一般的に、円貨で見る場合、その価格は税込みです。この税込み金価格が1g 1万円を突破しています。
1万円というキリのいい数字を突破し、一旦売られるかと思いましたが、現状、さらに上昇しています。
金価格上昇の背景
直近の世界的な金価格の上昇にあるのは、ふたつの米国の重要経済指標の悪化です。これにより、8月29日NY市場でドル建て金が急騰しました。
米重要経済指標の悪化
1つは、コンファレンスボードの消費者信頼感指数。事前予測116を大きく下振れ106。特に消費者の雇用・賃金に関する将来への期待感が後退しました。
2つ目は、米求人件数。事前予測950万件を大きく下回り882万件となりました。これまで米求人件数は1000万人の王台を超える期間が続いてきたので、かなり状況が悪化しています。また、失業者一人あたりの求人件数も、過去2の大台に迫っていたのが、1.5程度になっています。
景気の先行指標
「有事の金」と呼ばれますが、金は不況の足音が近づいたり、戦争などの有事が高まると買われます。
コンファレンスボードの消費者信頼感指数は「景気の先行指数」です。景気の先行指数はウォッチをしておきましょう。
以下の記事では4つの景気の先行指標を紹介しています。
現物金投資の魅力
「金は利息がつかない」商品ですが、一般的な金融商品と現物金の違いで面白い点は、「現物の金は消費税を含めて利ザヤを稼ぐことができる」点です。
長期保有で、価格上昇+消費税
買うときには消費税を「払う」必要がありますが、買うときは消費税を「受け取る」ことができます。金価格・消費税とも安い時代買って寝かせ、金価格上昇&消費税が幾分か上がった時代に売れば、消費税分も含めて「利ザヤ」が稼げるわけです。
【参考】二十歳記念に子に「金コイン」
私の場合、二十歳の記念に両親が「金コイン」をプレゼントしてくれました。「長く保有するといいことあるよ。でも、本当に困ったら売りな」とのコメント付きででした。
二十歳というと大学生。散在しがちな世代です。正直もらったときは、金アクセサリーのように使うこともできず、換金方法も知らずで「つまらないプレゼントだ」と思いました。しかし、一方で、「金に興味」が湧きました。
両親の愛が詰まったプレゼントということで、売ることもできません。それゆえ、無理せず「長期投資」が実現します。子どもに長期投資を意識させるという意味でも、悪くないプレゼントになるのではないでしょうか。
金投資の勉強に「金投資本」
過去に読んだ金投資本を紹介しておきます。
「今、金を買うか」は別問題として、金投資の特徴は知っておいた方がいいです。株・FXなどとは違う目線で金融市場を見ることに役立ちます。
超カリスマ投資系YouTuberが教える ゴールド投資 :2021年発行
ゴールドに投資する6つの理由がわかりやすくまとめられています。経済の基本を抑える上でも参考になります。
金持ち父さんの「これがフェイクだ!」 :2019年発行
「金」の本ではありませんが、本物のお金は「金」「銀」であり、政府のお金である「ドル」「ユーロ」などはフェイク資産だと説いています。政府やエリートに騙されないためにも、なぜ、「政府のお金がフェイクなのか」の教えは知ってくべき内容です。
いま金を買わずしていつ買うのか! :2019年発行
値上りし始めたら止まらないのが「金」の基本的な解説から、「有事の金」は忘れた頃にやってくる、出口の見えない異次元金融緩和の果てにどうなるかなど広く解説されています。