ビットコイン1300万円突破。価格変動の激しい仮想通貨分析には「対数ログチャート」必須。過去バブル比較&相場の行き過ぎ の冷静な判断に

値動きの激しい仮想通貨市場。
特にここのところ、ビットコインは驚くほどの速さで上昇しており、これからビットコインを保有したいと思っても、怖くて購入ができないのが現状ではないでしょうか。

11月14日には1400万円を突破。
大きなきっかけは、11月5日にトランプ氏が大統領選挙に勝利したこと。選挙期間中より、仮想通貨に関する公約を複数宣言していたことから、その実現期待から急上昇です。

仮想通貨に限ったことではありませんが、株価/価格が高騰し、イケイケ・ドンドンで相場が盛り上がっている時に、相場の行き過ぎを冷静に判断できたら、購入に踏み切れたり、大暴落に飲み込まれることを避けられます。

そんな判断の一つの指標として役に立つのが対数チャート(ログスケールチャート)です。

今回は対数チャートについて解説の上。その上で、現在のビットコインを対数チャートで確認します。

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通常使用するチャートの欠点を補う「対数ログチャート」

通常使用するチャートの欠点:錯覚

通常、価格の推移表示に表示に使うチャートは「いくら上下したか」を見るチャートです。

価格の変動を見るには大変見やすい表示形式ですが、値が一方的に上昇・下落した場合、直近の値幅変動が大きくなり、必要以上に相場が動いているような錯覚に陥ってしまう欠点があります。

2つの上昇率100% 比較

通常のグラフの欠点

ん?錯覚?よくわからないとお思いのあなた。

上図を見てみましょう。

1万円⇒2万円(+1万円)
10万円⇒20万円(+10万円)

これら2つの上昇率は、共に+100%です。しかし、通常のチャートで見たとき、「10万円から10万円」の方が、急上昇したように見えてしまいます。

1万円⇒2万円、なんだ、大したことないや… といった具合に。

こんな見方をしていると、チャート分析を見誤りやすい。

問題点:価格変動の大きいビットコインの場合、通常チャートでは過去の変動が確認できない

このようなチャートの錯覚を防ぎ、「何円上下したか」ではなく「何%上下したか」を基準に目盛りとしてグラフ表示するのが対数チャート(ログチャート、またはログスケールチャート)です。

対数チャート(ログチャート)とは

対数チャートとは、縦の目盛に対数目盛(log scale)を用いたチャートで、ログチャートとも呼ばれます。※方対数グラフとも言います。

この対数チャートを使うと、価格(Y軸)のパーセンテージ変動をうまくとらえることができ、相場の行き過ぎを冷静に確認することができます。特に価格が右肩上がりに上昇していくような長期株式チャートで有効です。

百聞は一見にしかずです。ビットコインのチャートで確認してみましょう。

ビットコインチャート、通常チャートVS対数チャート比較

ビットコインチャート、通常チャートVS対数チャート比較

トランプ大統領再選で、価格上昇が加速したビットコイン。
11月12日、1,300万円を突破
11月14日、1,400万円を突破

久しぶりに、価格がロケット上昇する急騰を見せています。

過去の2回(2017年、2021年)の仮想通貨バブルを含むビットコインの価格推移を、対数チャートで見比べてみましょう。

なお、チャートには以下も一緒に表示をしています。
・200日線
・一目均衡表
・2017年、2021年のバブルの最高値

チャートはクリックで拡大できます。

ビットコイン:通常チャート

直近、ビットコインは、恐ろしいほどの急騰で、怖くてとても買えそうもありません。

ビットコイン:対数チャート

対数チャートで見ると、2024年の上昇も、2017年・2021年のビットコインバブルとあまり大差のない上昇を示しており、まだまだ、ここからブレークしそうなチャートであることがわかります。

2017年のバブル期などは、「ビットコインはゴミ」「ビットコインには価値がない」「バブルに浮かれて、そんなものに投資するのはバカだ」という発言が飛び交っていたものです。

しかし、2024年現在では状況は激変しました。なんといっても、世界No.1の国の大統領が、選挙戦に公約宣言するほどですから。

これについては、まだ「口先」に過ぎませんが、実際の金融市場では、米国の最大手運用会社がビットコインETFを組成し、実際に販売されるという実績もあります。

価格が高くなるほど「対数チャート」の重要性は増す

上の2つのグラフを比較すると、随分見た目の印象が異なります。そして、重要なのは、2017年・2021年のバブル初期~中期と同じようなカーブを描いて上昇していますが、その上昇期間は、過去に比べてまだ短いという点です。

今後、どうなるかは不明ですが、1400万円を突破し、益々、チャート分析(特に、過去バブルとの比較)では、対数ログチャート分析が重要になります。

毎日見る必要はありませんが、価格が大きく動いた時、通常チャートと共に、確認するようにしましょう。

ビットコイン市場。日本と世界(米国)

ここで、日本と米国の状況を確認しておきたいと思います。

ビットコインと日本市場

日本で仮想通貨の大きなバブルとなったのは2017年。
この時は、チャート分析や、ビットコインの価格を読み間違って、大量の「出川組※」と呼ばれるバブルの餌食組が発生しました。

※2017年12月開始の、出川哲朗さんの出演する仮想通貨CMをきっかけに、仮想通貨に参入した人たち

このようなこともあり、仮想通貨を懐疑的に見る人が日本では増え、結果、仮想通貨市場において大きな勢力であった日本マネーは減り、結果、すっかり、この市場で後塵に排すことになりました。

仮想通貨市場を見るには、世界市場を見ることが必須です。

ビットコインと世界市場

現在、最も大きく仮想通貨市場をけん引しているのは「米国」
上述した通り、大統領選挙の戦い中の、ビットコインに関する公約宣言をしており、ビットコインには追い風。

トランプ次期大統領は11月12日、自らの新政権で「政府効率化省(DOGE)」を新設し、そのトップに実業家イーロン・マスク氏を起用すると発表しました。DOGEと言えば「ドージコイン」!このことからも仮想通貨には追い風。

ちなみに、マスク氏は13日、自身の公式Xで政府効率化省(DOGE)のロゴを公開。アメリカ国旗を掲げた柴犬のキャラクターと歯車のモチーフを組み合わせたデザインとなっています。

このこともあり、ドージコインは3年ぶりの高値まで急上昇。過去3か月間で、ドージコイン(DOGE)は、250%上昇。2021年5月8日に記録した過去最高値(79.44円)から、‐25.6%の位置まで上昇しました。

マスク・ビタリックなどテクノ・リバタリアンの動きは見逃せない

今、世界を大きく変化させている人たちが、テクノ・リバタリアン

彼らがどのような思想を持ち、世界をどう変えようとしているかは、投資をするなら、橘玲さんの以下の本で学んでおいた方がよいでしょう。

ちなみに、上記本では、イーロン・マスク氏だけでなく、イーサリアムのビタリックもテクノ・リバタリアンとして紹介。ブロックチェーンで世の中を変えようとしている一人です。上記の本でも、目指すところが紹介されています。

最後に

今回は、価格変動が激しいビットコインなどを対数チャートで確認する重要性を紹介しました。
暴騰・暴落を繰り返すビットコインをはじめとする仮想通貨は、冷静になって相場状況を確認するために、ときどき対数チャートで相場の行き過ぎを確認してみることをお勧めします。