株式投資やFXでは考えられないほどボラティリティの高い仮想通貨市場。
トレーダーの中には、取り憑かれたように売買に熱中し、チャートから離れられなくなっている人もいるのではないでしょうか?

私も軽~い中毒症状かもしれません。

ギャンブルが与えてくれる興奮と現実逃避

上記記事の通り、ジェットコースターのような価格変動は、ギャンブルのようにハラハラドキドキ興奮し、特に儲かっているときは、自分が生きる現実世界の嫌なことを忘れさせてくれます。

この興奮がエスカレートすると、確固とした戦略もないまま、ただただお金を投じ、身を破滅させることになります。

本:快感回路–なぜ気持ちいいのか なぜやめられないのか

かつて読んだ面白い本を思い出したので紹介しましょう。

薬物、肥満、セックス、恋愛、ギャンブル、ゲーム etc.

私たちが何かをしようとするとき、その動機付けの鍵となる「快感」
この快楽を求め、我々はとてつもない時間と費用と労力をつぎ込み生活しています。一方で、人類はこの快楽による行き過ぎをはよくないと考え、抑えるために教育、法、宗教などによる快楽の制御を行ってきました。

では、なぜ、気持ちいいことはやめられなくなるのでしょうか?

この快楽回路を様々な実験をもとに解明するのが今回紹介する一冊。

本書のタイトルでもある「快楽回路」とは、脳に実在する神経系。この快楽回路が活性化しドーパミンが放出が放出されることで人は快楽を感じます。しかし、快楽回路の興奮は、時として、そのダークサイドである依存症を引き引き起こしてしまうのです。

本書では、快楽を感じるメカニズムを各種刺激実験を取り入れながら、薬物・肥満・セックス・ギャンブル別に徹底的に描いています。

もっと食べたい - 肥満のメカニズム

太る要因には遺伝など様々な要因がありますが、太る理由は 運動不足 << 食べ過ぎ。食べ過ぎさえ抑えればぶくぶく太ることは避けられます。 では、なぜ、わかっているのに食べてしまうのか? 摂取行動は快楽回路を興奮させますが、肥満の人は痩せた人よりドーパミン受動態密度が平均して低い傾向にあります。つまり、太っている人は「快楽回路が食べ物に対して鈍感」で食欲は増してもあまり快楽が得られません。だから、快楽を得ようと食べ過ぎてしまいます。

ギャンブル、ゲーム依存症 - 不確実性の快楽

お金儲けは人間の快楽回路のドーパミン動作性ニューロンを活性化することがわかっています。

では、ギャンブルへの嗜好はどのように生じるのでしょうか?

人の脳は、もともとリスク(=不確実性)に快楽を見出す性質があります。しかも、確率論的には不合理な判断をし、とくに惜しい負けに対しては非合理な判断をしてしまいがちです。

投資経験のある人なら誰でも一度は経験するポジポジ病。チャートを見ていると、なぜだか取引したい気持ちがうずうずしてきて、非合理にもポチってしまうことがありますが、これのポジポジ病も「不確実性=リスクへの快楽をコントロールできなくなった状態」です。


自分の欲望をコントロールできないことは、日常生活の中にもよくあると思いますが、本書を読むといろいろ納得させられます。
本書の最終章では「快楽の未来」が語られていますが、この内容もなかなか興味深いです。

自分の欲望をコントロールできない方は、是非読んでみてはいかがでしょうか?

快感回路—なぜ気持ちいいのか なぜやめられないのか (河出文庫)

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