株式投資で史上最強の投資家ともいえるウォーレン・バフェット氏。
バフェット氏の投資スタイルといえば、「いい会社の株を割安な株価で買って、あとは長期投資に徹する」という極めてシンプルなもの。しかも、「他の誰もが売っているときに買い手にまわる」ことを投資戦略の大原則としています。
2009年の金融危機 リーマンショック時は、危機発生前から、金融危機を引き起こした要因であるデリバティブと住宅市場を警戒し、現金比率を高め、実際にリーマンショック発生時にバンク・オブ・アメリカなどの銀行株を優先株で購入し、大きな利益を上げました。
今、バフェット氏の市場を見る目として参考になる2つの数字が、バブルを示しています
2024年7月半ば以降、株価は調整状況にありますが、これまで続いてきた世界的バブルの終焉を示す、Xデーは既に始まっているのか?
まずは、現状を確認したいと思います。
目次
バークシャー・ハサウェイの現金ポジション(手持現金)
バークシャー・ハサウェイの現金ポジションが過去最高
バークシャー・ハサウェイは、投資と保険業務を行う会社です。著名な投資家であるウォーレン・バフェットが率いており、彼の投資戦略と経営手腕によって知られています。
バフェット氏は、短期的な利益よりも、長期的な価値を重視する投資戦略を採用する投資家です。バークシャー・ハサウェイは、Apple、コカ・コーラ、アメックスなどの主要企業の大株主ですが、一方で、長期視点で、バブル時に安くなった株を買うために現金ポジションを高めることが知られています。
その、バークシャー・ハサウェイの現金ポジションが過去最高となっています。
暴落前に売り抜ける:バークシャーの現金ポジション推移
バークシャー・ハサウェイの現金ポジションには傾向があります。
株価の上昇と連動するかのように、バークシャーの手元現金額が上昇し、バブル発生直後に、現金ポジションが減ります。
リーマンショックの時は、バブル崩壊の最中である2008年に、ゴールドマンサックスやバンク・オブ・アメリカなどの銀行株を安く手に入れ、結果として、2008年末の現金ポジションは大きく減少。同様のことは、ITバブルやコロナショック時も起こっています。
現在、バークシャーには現金の山
2024年第1四半期の時点で、バークシャー・ハサウェイは1890億ドルという記録的な手持ち現金を保有しています。
過去に習うなら、次のバブル崩壊を警戒すべき状況です。
バークシャー・ハサウェイでは、既に長期投資の逆張り思考で、「他の誰もが売っているときに買い手に回れる」が実行できるように準備が整っています。
2024年6月時点での現金保有率は17.5%。1997年以来のバランスシート上の現金資産の平均は13%なので、通常より高い比率にあります。(参考記事)
バフェット指数
バフェット指数は200%
バフェット指数は、ウォーレン・バフェット氏が株価の割安・割高を判断するときに使っているといわれる指標です。
一国の株式市場の時価総額が、その国のGDPを大きく上回ると株価は割高。逆に、下回ると割安であることを示します。
この指数が、2024年7月現在、バフェット指数や200%に到達後、下落を始めています。(上図:青線)
過去のバフェット指数とバブルの関係
バフェット指数が200%となる状況は、過去と比べても、極めて高い水準です。
過去においては100%が警戒水準で、150%が最終警告水準でしたが、昨今はこれが200%まで上昇しています。
ITバブル :2000年3月ごろに140%を突破 ⇒ その直後にITバブルが崩壊
リーマンショック :2007年03月ごろに最高値108% ⇒ 2008年にリーマンショック発生
コロナショック以降:2021年200%手前まで上昇 ⇒ 2021年末~2022年10月まで株価が調整
米国政策金利もピークアウト
米国政策金利は只今ピーク。いつから利下げが始まるかが最大の関心事となっています。
米国政策金利の利下げは、金融市場における大きな転換点で、景気が冷え込む時期に突入していきます。
以下は、過去のチャートにコメントを加えたものです。
これら3つの指標を見ても、大きな相場転換期はまもなくやってくると考えられます。
まとめ
本記事では、コロナショック後の金余りから発生したバブルの崩壊を、以下の3つの指標から確認しました。
・バークシャーハサウェイの手持現金
・バフェット指数
・米国政策金利
どの指標から来ても、まもなく「大きな相場の転換点」が来ることを示唆していると思われます。
しかし、以下も事実です。
しかし、準備がないと儲かりもしない。
いずれにせよ、❶現金比率を高める、❷ヘッジ手段を用意する など、策をしておいた方が、投資成績は上がることは間違いありません。
以下の記事も参考にしてください。