株式投資で史上最強の投資家ともいえるウォーレン・バフェット氏。

バフェット氏の投資スタイルといえば、「いい会社の株を割安な株価で買って、あとは長期投資に徹する」という極めてシンプルなもの。しかも、「他の誰もが売っているときに買い手にまわる」ことを投資戦略の大原則としています。

前回の金融危機、リーマンショック時も、危機が起こる前から、金融危機を引き起こした要因であるデリバティブと住宅市場に早くから警鐘。金融危機の最中には、バンク・オブ・アメリカなどの銀行株を優先株で購入し、大きな利益を上げました。

そのウォーレンバフェット氏のバークシャー・ハサウェイの現在の手元現金が1,110億ドル(約12兆円)まで高まり、次の金融危機への備えとみられています。

また、バフェット氏考案の「バフェット指数」も過去最高値。いずれも、次の金融危機を示唆しています。

バークシャー・ハサウェイの手元現金最高額に

下図は、バークシャー・ハサウェイの現金ポジションとS&P500の推移です。

バークシャー・ハサウェイの現金ポジションとS&P500の推移

過去の手元現金と株価の関係

上記、バークシャーの手持ち現金と株価の関係を整理してみましょう。

株価の上昇と連動するかのように、バークシャーの手元現金額が上昇。前回のピークは、金融危機直前の2007年末の433億ドル。その後、2008年にはリーマン危機の最中、ゴールドマンサックスやバンク・オブ・アメリカなどの銀行株を安く手に入れた結果、2008年末の現金ポジションは255億ドルに減りました。しかし、その後、10年強の時間を経て、手持ち現金は最大化。現在は1,110億ドル(約12兆円)に上り、これは前回ピークの3倍弱となっています。

過去に習うなら、バフェット氏は次の金融危機を警戒

上記結果が示すことは、バフェット氏は次の金融危機を警戒すると同時に、暴落後に割安な株価で底値買いするための現金を増やしているということ。

いつでも、逆張りで「他の誰もが売っているときに買い手に回れる」が実行できるように準備をしているのです。

バフェット指数は150%に迫る

下図は、米国のバフェット指数の推移です。
バフェット指数の推移

バフェット指数とは

バフェット指数とは、ウォーレン・バフェット氏が株価の割安・割高を判断するときに使っているといわれる指標です。

具体的には、「株式市場の時価総額÷その国のGDP×100」で表せ、100%を超えると割高とされています。この数値が、現在、過去の最高値150%に迫る水準となっています。

過去のバフェット指数とバブルの関係

上記のバフェット指数の推移をより詳しく見てみましょう。

ITバブル時

1997年(ITバブル前):100%越え
2000年3月ごろに  :140%を突破 ⇒ その直後にITバブルが崩壊

リーマンショック時

2006年11月ごろ:100%を超え
2007年03月ごろ;最高値108% ⇒ 2008年にリーマンショック発生

上記結果より

上記2つバブル時の推移から、100%越えると警戒域。ただし、すぐにバブルが崩壊するわけではなく、数年ほどたってから暴落が起こっています。ただ、現在の150%近くの水準は、もはや暴落手前といっても過言でない水準であると言えるのではないでしょうか。

米国政策金利もピークアウト

過去の記事「トレンド転換の見極め方。滅多にない株式/FXの「トレンド大転換」の原因となる重要イベント・指標を知る」で示した通り、米国政策金利の低下は「長期時間軸におけるトレンド大転換」=株価下落、暴落のサインです。

上記記事で重要な部分を、以下に抜粋します。

FFレート(米政策金利)の推移とバブルの崩壊

FFレート(米政策金利)の推移とバブルの崩壊

上記は、米政策金利(青線)とバブル(灰色)の関係を表した図です。米政策金利の低下が起こってからしばらくしてバブル崩壊が起こっていることが分かります。この歴史は繰り返されています。

米政策金利は低下傾向

また、昨今、世界的な金利低下が叫ばれていますが、上記図を見ても、米政策金利を見ても長期金利の最高金利が下がっていることは明らかですね。

そして、2019年7月31日、大きな変化が起きました。「米政策金利が0.25%引き下」、つまり、ピークアウトをしたのです。

日米金利推移

「長期時間軸におけるトレンド大転換」は、単純に0/1で切り替わるものではありません。上下動を繰り返しながら下降方向に向かうため、トレント大転換に気が付きにくいのです。

結果、多くの人はリーマンショック時のように、気が付いたときには大暴落に巻き込まれていて手の打ちようがなくなってしまうのです。

まとめ

リーマンショックから10年強い。米国株式が世界経済を引っ張り、驚くほどの株価上昇を見せました。

しかし、今、①バークシャー・ハサウェイの手元現金額、②バフェット指数、③米政策金利の状況、いずれを見ても、次の金融危機を警戒した方がいい時期にあることがお分かりいただけたでしょうか。

私Chamiは、株式については「上がったら売る」の売買戦略に転じており、長期株式ポジションはそのままに、CFDで米国株式指数(米ダウ、S&P500、ナスダック)を売る売買戦術で売買しています。

皆さんは、大きな株価暴落への備えはできていますか?以下、私のヘッジ方法を示しますが、参考になれば幸いです。

来たる大暴落相場で「売り」で攻める方法
トレンド大転換の兆候(サイン)が現れ、いざ、下落・暴落に備える必要が出てきたとき、ただ、怖がっていてもどうしようもありません。
買いポジションを解消すると同時に、上手に「売りで攻める」ことが大事です。

iDeCoやつみたてNISAなどの長期現物買のポジションはそのままに、ヘッジのために「売りで攻める」ことができれば、資産を大きく既存することが避けられるばかりか、上手に投資すれば売りで一気に資産を増やすことも可能です。

以下の記事で「売り(ショート)で攻める」方法についてまとめているので、是非、ご確認を。

CFDで米国指数売りの結果公開
米政策金利の0.25%下落を受け、GMOクリック証券【CFD】米ダウ指数/S&P500指数/ナスダック指数の最高値圏からの下落を狙っていた結果は以下のページで公開しています。

株価下落時に仕掛けたい!恐怖VIX指数の売買戦略
株価下落をトリガーに、同時に仕掛けると効果的な恐怖指数VIX指数売買戦略についても、以下で公開しています。