2024年9月27日。自民党総裁選挙にて石破茂新総裁の誕生しました。
石破総理で誕生で、1ドル146円⇒142円台まで急落。日経先物は2000円超の下落。
為替は既に円高に反応済みですが、石破新総裁が誕生したのは金曜東証クローズ後。既に為替は円高を織り込んでいますが、日経平均はこれから。
週明けの金融市場は大荒れ必至です。
目次
自民党総選挙:候補者のスタンスと新総裁決定後の市場の反応
各候補者の金融政策に対する立ち位置は、次のようなものでした。
高市氏:積極財政+金融緩和継続
小泉氏:積極財政+緩和修正容認
石破氏:財政再建+緩和修正容認
石破氏は5度目のチャレンジ。高市氏、小泉氏を予想する人も多い現状でした。
金曜日、場中の金融市場は、「財政刺激・金融緩和」を主張する高市早苗経済安保相の勝利を事前に織り込んだ「高市トレード」で、株高・円安へ動いていました。
しかし、自民党総裁選決選投票の結果は、石破氏215票、高市氏194票で石破氏当選。
「高市トレード」の逆回転が生じて、ドル円は146円から142円台へ下落。日経平均の先物は現物終値比で2,000円下落。週明けは株安が必至な状態です。
日経平均先物(時間足)
日経平均の終値は39,829円(903円高)。日経平均先物は、37,615円まで下落。約2,000の下落。
日経平均先物(日足)
200日移動平均線付近で下げ止まる。
ドル円(時間足)
146円ミドルから、142円前半まで下落
ドル円(日足)
高市トレードの巻き返し VS 解散総選挙期待:どこで収束?
週明けの注目は、「高市トレード」の巻き戻しがいつ&どの水準で収束するかです。
ただ、これは読みが難しい。相反する意見が様々、交錯しています。
石破茂氏の政策
石破氏の政策を確認しておきます。
❶石破ビジョン:地方こそが他らしい時代を創り。歴史を変える
❷総裁選の政策集:5つの柱で、未来を創り、未来を守る
❶とにかく「地方」。金融政策は、石破氏が強く傾倒している分野では全くありません。
❷について言うと、5つの柱のうち、3つめの柱に「経済・物価高対策」に関する記載があります。しかし、全体を通じて強く打ち出されているのは「地方創成」と「外交・安全保障」「人口減少対策」など、守り型の政策です。
緊縮財政があり得るか?(日足)
石破新総裁の誕生の誕生で、「金融緩和期待」から、一転、財政再建⇒「緊縮財政」指向するのではないかとの懸念もあり、これが現実となれば、経済は下向きます。
当然、株式市場には下落圧力がかかります。
ただ、金融資産課税などを含めた増税に対しても、石破氏は新総裁決定後も「貯蓄から投資の流れを操作するようなことはしない」というスタンスを示しています。
さすがにトップとなると、経済に慎重にならざるを得ず、株価が下がるようなことを積極的にやるスタンスはなさそうです。アナリストの声にも、基本、金融政策は石破氏の得意とするところではないので、日銀の判断に任せるというスタンスではないかと述べる人もいます。
総選挙期待もある
石破ショックは過剰反応という意見もいろいろあります。その理由の一つが、石破氏の政策は「岸田政権の政策を基本的に継続する」ものだからです。それは、2回目投票で、岸田派が石破氏についたことからも明らかとなっています。
更に、来週の新内閣発足後は、市場の関心は、衆院の解散・総選挙にシフトしていきます。
なお、過去調査によると、2000年以降の日本株には、以下の通り「選挙は買い」の実績があるそう。
2000年以降の解散は8回に対する、市場の版の結果は以下の通りであり、早期解散への思惑が強まれば『選挙は買い』でもあり、株価は一段高を試し得る」とみる、市場関係者もいます。
銘柄 | 株高/株安 | 解散前日終値から投開票日直前の終値までの平均上昇率 |
---|---|---|
日経平均 | 8回株高(全勝) | 5.2% |
TOPIX | 7回株高 | 4.1% |
エコノミストの意見は交錯
以下、市場の声・エコノミストの声は様々であり、金融市場がどう動くかは、はやり、市場を見ずして答えナシなのではないかと思っています。(参考記事)
- 石破氏に対して、緊縮財政を志向するのではないかとの根強い警戒感が根強い
- 投資家が期待していた結果ではないかもしれず、いったんは弱気のムード
- 経済刺激策が打ち出された中国への資金シフトが生じるかもしれない
- 野党支持層や無党派層の支持も期待できる石破氏が世論調査で高めの支持率を得ることができれば、結果的に石破氏の政策を評価する声も増えてくるだろう
- 高市氏や小泉氏が高い支持率を得たことは、新政権でも無視できないだろう。成長戦略への配慮も期待できるのではないか
- 金融政策は、石破氏が強く傾倒している分野ではない。日銀の判断に任せるというスタンスだろう
- 解散・総選挙の流れを鑑みれば、株安を引き起こすような金融引き締め的な発言も予想されない
- 政治とカネの問題で有権者に自民党は変わったという印象を植え付けるのに適した人選なのではないか
11月には米大統領選挙
2024年11月には、米大統領選を控えています。今後、日米のリーダーが変わることで、新たな変化も予想されます。
結果、金融市場がどう動くかを知るのは「神」のみです。