『マネー・ショート 華麗なる大逆転』(原題:The Big Short)という映画をご存知でしょうか?
映画の舞台はリーマンショック。世界経済を襲ったリーマンショックの裏側でいち早く経済破綻の危機を予見し、ウォール街を出し抜いた4人のアウトローたちを描いた真実の物語。時限爆弾とも言われた「サブプライムローン」が数年以内にデフォルトすることを予測し、ウォール街を出し抜くべく奮闘する金融トレーダーを描いた金融ドラマです。
目次
映画のストーリー
物語は米国の住宅バブルがはじける2006年頃。
金融マーケットにいる4人の男たちは住宅ローン市場で起こる「異常」をいち早く察知。忍び寄る暴落に気が付くのです。
- 低所得者
普通なら信用が低いからと断られる住宅ローンが「銀行」から借りられている - 銀行
貸し倒れるかもしれないローンが「投資銀行」に買い取ってもらえる - 投資銀行
AAAクラスの優良証券に粗悪なサブプライムローンを混ぜて作った証券のパッケージCDOを「投資家」に販売して儲けている - 投資家
AAAクラスの優良証券を手に入れて喜ぶ - 証券化されたパッケージ
さらにパッケージ化されて複雑化されて販売。デリバティブの取引量は、もともとの商品である原資産の何倍にも倍増 - サブプライムローンの焦げ付きが出始めているのに、FRBまで市場は安全だと言っている
サブプライムローンのデフォルトが増えているのに、こんな詐欺まがいの状況が長く続くわけはない」、「実体経済とマネー経済のかい離が激しすぎる」と、4人はそれぞれの方法・考えで市場に挑戦を挑むのです。
動画紹介
本作は、第88回アカデミー賞で、作品賞、監督(アダム・マッケイ)、助演男優(クリスチャン・ベール)、脚色(チャールズ・ランドルフ&アダム・マッケイ)、編集賞(ハンク・コーウィ)の合計5部門にノミネーされ、脚色賞を受賞してます。
マネー・ショート華麗なる大逆転 (字幕版) 実話に基づき、4人のアウトサイダーを描いた物語。大手銀行、メディア、政府が否定した世界経済の破綻を予見した男たちによる大胆な投資は、銀行のいかがわしい闇を浮かび上がらせた。そこには人間も物も、何もかも信じられない世界があった。 |
原作本紹介
より深く、本映画を理解したいかたは、原作本をチェック!原作は、映画『マネーボール』の原作者であり、アメリカを代表するベストセラー作家、マイケル・ルイスの『世紀の空売り―世界経済の破綻に賭けた男たち (文春文庫)』です。
暴落について理解を深めたい方はどうぞ!
映画から学んだこと
弱小投資家として、私はこの映画の中に、いろんな学びがありました。
①リーマンショックを改めて理解
世界を震撼させた「リーマンショック」。
当時、連日ニュースとなりましたが、リーマンショック・サブプライムローンの問題について自分の言葉で説明できますか?
本映画を見ると、当時、暴落カウントダウンに向けて起こった異常事態を改めて、学ぶことができます。
②暴落の予兆はある
暴落には、必ず、それが発生するするための理由があります。その異常・異変に気付き、適切に行動を起こせるか。
今、いくつか、暴落カウントダウンの予兆が表れ始めている中で、我々は、それらを察知し、来るXデーに備える必要があります。
③マーケットに起こる異常に気付いても、その「Xデー」はわからない
中でも、私が最も、本映画を通じて学んだのが、以下のことです。
マーケットで起こる詐欺に気づいて「big short(大きな売り)」を仕掛けても、成功=利益はすぐにやってこない。
なぜなら、「Xデー」が来ることは予測できても、それがいつかまではわからないから。
しかし、準備がないと儲かりもしない。
それ故、暴落に向けて売り挑む(ショートのポジションを取る)としても、気がおかしくなりそうな苦悩を耐えたなければ成功は手に入らない。
④パーティー会場を後にするのは難しい
「下落したら、沸騰している株価沸騰パーティーの会場から立ち去ればいい」と思っていても、ズバリのタイミングでパーティー会場から退席することなどできません。おかしい?と気づきながらも、暴落が受け入れられずにポジションを持ち続けるけ、取り返しがつかない含み損に呆然とすることになるのです。
リーマンショックから10年強… 今、米ダウは。相場下落対策のススメ
100年に一度と言われたリーマンショックですが、その後市場は回復。米ダウはリーマンショック前の高値を世界に先駆けて達成しました。
そして今、米国長短金利の逆転、米国政策金利の引き下げなど、リセッション(景気後退)のシグナルが点灯し始めています。
皆さん、もうそろそろ、下落への備えが必要です。
大型の下落相場に備える方法は、以下記事を参考にしてください。何らかの気づきがあるはずです。