2022年7月2日に起きたauの通信障害で、全国で音声・データがつながりにくい状況が数日間にわたり発生。日常でいかにスマホに頼っているかが浮き彫りとなりました。
今回は、au回線が障害を起こしましたが、過去には、ドコモ、ソフトバンクも通信障害が発生しています。通信事業者がどれほど徹底した対策を実施しても、障害の発生を「完全にゼロ」にすることはできません。また、通信障害は、いつ、どんな時に起こるかわかりません。
私たち、スマホユーザができることは、通信障害に備えて自衛策をしておくこと。通信障害が起きたとき何が問題になるかをイメージし、今からできるいざという時の対策を行っておくことです。
この記事では、できるだけ手間やコストをかけずに実施できる通信障害対策を考えてみたいと思います。
目次
通信障害でどのような影響が起きるのか
通信障害はユーザに様々な影響が出ます。音声通話、データ通信、どちらの通信障害が起こるかにもよりますが、代表的なものだけでも、以下のような障害があります。
・取引先との連絡がつかない
・待ち合わせができない
・電車やバスの時刻や経路がわからない
・道がわからず、移動できない
・スマホ決済が利用できない(PayPay、au PayなどのQR決済、ICカード決済など)
・コンサートやライブをはじめとする電子チケットが利用できない
ビジネス・プライベートともに、大きな問題を抱えることになります。
通信障害で困らないための対策
大規模災害など通信インフラが壊滅的なダメージを与える場合ではない今回のような交換機のようなハードウェア、ソフトウェアの通信障害の場合、「使える回線が1回線しかない」ことが問題となります。
この場合、解決方法は極めてシンプル。以下のような「別の通信手段を持っておく」ことです。
❶サブ回線の確保を確保しておく
❷無料WiFiスポットを把握しておく
❸スマホ以外の手段の確保
それぞれ、少し詳しく見ていきます。
サブ回線の確保(回線の2重化)
通信障害対策として、もっとも安心感が大きいのは、あらかじめ「サブ回線」を契約しておくことです。デュアルSIMスマホを持っていれば、簡単に回線を二重化できます。
デュアルSIMスマホを持っている場合
スマホには、1台の端末に2回線を利用できる「デュアルSIM」に対応スマホがあります。このようなスマホを持っているなら、メインの回線とは別にもう1回線契約し、必要に応じて切り替えながら使うことができます。
SIMには、以下の2種類があります。
・物理SIM:物理的なSIMカードをスマホに差し込む
・eSIM :スマホ端末に内に回線の契約情報を書き込む
SIMが2種類あるため、デュアルSIM対応端末は「2枚の物理SIM利用」「物理SIMとeSIMを1枚づつ利用」「2枚のeSIM利用」があります。自分のスマホがどれに該当するか知ることが大事です。これがわかれば、ご自身のSIM状況を確認したうえで、空いているSIMスロットに対応したSIMを2回線目として契約すればOKです。
なお、SIMロックに注意が必要です。2022年11月以降は、どのキャリアで買ってもスマホにSIMロックはついていません。それ以前に購入の方は、各キャリアにアクセスし、SIMロックを解除しましょう。
XS以降のiPhoneはデュアルSIMに対応
XS以降、iPhoneはデュアルSIMに対応しており、1台で2つの電話番号・回線を利用することができます。
モデルごとに、どのSIMが使えるかは異なるので注意が必要です。以下は、比較的新しい機種のSIMの状況です。
■nano-SIM 2枚でデュアルSIMが可能
iPhone 13・Pro・Pro Max・iPhone 12・Pro・Pro Max 他
■nano-SIM 1枚 eSIM 1枚でデュアルSIMが利用可能
iPhone 13シリーズ、iPhone 12シリーズ
■eSIM 2枚でデュアルSIMが可能
iPhone 13シリーズ
nano-SIM 1枚 & eSIM 1枚の場合は、メインの回線をeSIMにし、サブ回線をnano-SIMにしましょう。こうしておけば、後で、海外に行く場合など、SIMの差し替えが容易です。
サブ回線に利用しやすい通信プラン
では、サブ回線に利用しやすい通信会社、通信プランは何でしょうか?
サブ回線として利用しやすいのが、基本料0円プランや格安プランです。ただし、選ぶ場合は単に安いというだけでなく、メイン回線とキャリアが重ならないようにしなければ通信障害対策にはなりません。
以下の記事では、低料金でサブ回線が持てる以下の回線を紹介しています。
・povo2.0 :携帯番号維持だけなら最も安い(au回線)
・HISモバイル:最安290円~(NTTドコモ・ソフトバンク回線から選択可能)
・日本通信 :1GBで最安290円(ドコモ回線)
詳細は以下の記事で紹介しています。
スマホがデュアルSIMに未対応
デュアルSIMに対応していないスマホを使っている場合は、格安スマホを用意して、格安キャリアを用意する必要があります。
ただし、たとえ0円携帯を入手したとしても、普段は2回線目のキャリアを使わないのにスマホを持ち歩くのは、相当に非効率です。このように考えると現実的なのは、無料Wi-Fiスポットを利用する方法です。
無料WiFiスポットの把握
無料Wi-Fiスポットを利用するためには、緊急時に備えて、日頃の生活圏内や通勤ルート内で、店舗や街のフリーWi-Fiを利用できる場所を把握しておくことが大切です。
現在地付近のフリーWi-Fiを簡単に探せるアプリが複数あります。
例えば、アプリ「タウンWi-Fi」は、利用可能なWi-Fiが見つかったときに通知を受け取ったり、自動接続したりできます。普段の生活で使用しておくこと、通信料を抑えることにも役立ちます。
タウンWiFi by GMO WiFi自動接続アプリ
TownWiFi Inc.無料posted withアプリーチ
私は、時々、コーヒーショップ、喫茶店、レストランなどで無料Wi-Fiのお世話になりますが、たまには、会社近く、自宅近くのWi-Fiスポットを利用してみることも大切です。
・店が混んでいて席が確保できない
・席によってWi-Fiがつながりにくい。遅い
・利用時間制限がある
など、問題があることもあります。また、コンセントが使える席なども、確認をしておくと、万一のトラブル時に役立ちます。
スマホ以外の通信手段の確保
より根本的な部分に目を向けると、スマホだけに頼らない通信手段・連絡手段・決済手段を確保しておくことが大切です。
❶自宅回線(光回線)の確保
❷近所の公衆電話の位置の把握
❸QR決済やタッチ決済以外の決済手段の用意
自宅回線(光回線)の確保
ご家庭で自宅回線(光回線)を利用している場合は、そのキャリア選びにも注意が必要です。
キャリアの囲い込み合戦が熾烈となり、ポイントなどの特典を付けて、スマホと自宅の固定電話(光回線)を同じキャリアを選択させるような傾向がありますが、これも、十分考えたうえでキャリアを選ぶことが大切になります。
QR決済やタッチ決済以外の決済手段の用意
今、現金を持ち歩かない人が増えているのではないでしょうか。私もそんな一人。知らば居場所に行かない限り、現金を持ち歩かなくても平気になりました。
しかし、QR決済やタッチ決済などのスマホ決済に頼り切っている方は注意が必要です。クレジットカードは持ちつつ、万一、帰宅途中に通信障害が発生した場合も、スマホに依存することなく自宅まで帰れる現金は持ち歩いた方がいいと言えます。
以下では、私の財布と、おすすめのコンパクトウォレットを紹介しています。
最後に
今回は、大手キャリアの通信障害をきっかけに、スマホユーザのリスク対策として、できるだけ手間やコストをかけずに実施できる通信障害対策を考えてみました。
リスク対策は、「まずい」と思ったときに対策しておかないと、忙しさに追われて忘れ去られ対策せずじまいになってしまいます。思ったときにすぐ対策する癖をつけたいですね。