人生の悩み事の多くは「お金」にまつわるもの。間接的には9割の悩みは「お金」ともいわれます。
「1万円札は原価約20円の紙切れ」です。しかし、人は、嫌というほど「お金という呪縛」にがんじがらめになっています。
ではなぜ、1万円札を破ることができないのか?どうしたら、お金の呪縛から解放され、楽に生きられるのか?
私も昔は、1万円札が破れませんでした。しかし、支払いをほぼキャッシュレス決済、外出時に1000円さえ持っていなくても平気になってしまった現在、お金に対する価値観も変わったのでしょう。ふと、「ある本の教え」を思い出し、同じことにトライしてみたら抵抗なく破れました。そして、更に、気持ちが楽になった気がしました。
今回は、「お金の呪縛からの解放」について書いてみたいと思います。
目次
お金の価値
本来、お金とは、単なる価値を交換するための道具。「1万円は原価20円の紙切れ」にすぎません。
コロナ禍で米国はドル、日本銀行は円を刷りまくって市中にばらまいているように無限に作り出せるものです。中央銀行が通貨発行権を握り、恣意的にマネーサプライの増減させることができる=簡単に価値を操作できるものです。
異常な勢いで伸びる、米国のマネーサプライ
しかし、特に、日本は長らくインフレも経験せず、お金の価値が下がる経験に乏しい、また、平均年収が上がらない(むしろ下がる)経験もしています。そのため、日本人は、お金に対し、絶対的な価値があると認識しているように見えます。
給与所得者の平均給与推移 参照:厚生労働省
しかし、「たくさんあるものは値が下がる」のが通常の経済。
例えば、「スイカ」が豊作なら、「スイカ」の値段は下がり、逆に不作なら値は高騰します。しかし、お金の絶対量は増えているのに、1万円は「1万円の価値認識」のままです(実際は正しくない認識)。
信用・信認で”神化”する「お金」
しかし、ここに「信用」「信認」が付くと、お金はまるで「神」のような存在になります。
このような状態に、著書「君は1万円札を破れるか?〜お金の洗脳を解くと収入が倍増する」の著者で洗脳研究の権威である苫米地英人さんは、世界の支配者たちによって民衆に仕掛けられている経済的な「洗脳支配」、世界中の富を一手に収めるための好都合なカラクリに他ならないと説明。お金の本質と支配(洗脳)のカラクリに迫っています。
本来のお金の機能
経済学の教科書には、お金の機能は、「交換媒体、価値尺度、価値保存」の3つと説明されています。しかし、実際は、お金を発行する権限を権力者が握った段階で、お金には「支配の道具」という機能が加わっています。
中央銀行による紙幣の増刷もその一つ。これは「信用創造」という錬金術であり、これが現代の資本主義を牛耳っています。
お金と恐怖
太古・古代においては、人の金欲の正体は「飢餓への恐怖」でした。食べることができなければ、死んでしまうからです。
しかし、先進国の場合、多くの場合、「飢餓への恐怖」はありません。しかし、「飢餓の恐怖」と「快適さや満足を得たいという欲求」がごちゃ混ぜになり、「お金がないと不安」という心理がより強固なものになっています。
だから、人は自分に合わない仕事、自分が人生をかけてしたい仕事だとは決して思わなくても、仕事をやめることができません。そして、ある年齢になって、自分がやりたいこともせずに一生の大半を過ごしてしまったことを後悔することになります。
なぜ1万円札を破ることができないのか?
上述した通り、「たくさんあるものは値が下がる」のが普通の経済です。
しかし、我々は、お金を絶対的な価値基準としてとらえる癖が染み付いてしまっているため、「お金の価値は変わらず、モノの価値の方が上下している」と錯覚しています。
このような考えでは、経済的な支配者の思うつぼです(後述)。それ故、苫米地さんは、お金の洗脳を解く第一歩として、お金に絶対的な価値はないことを認識し、1万円を破ってみようと読者に問いかけます。
経済的支配者が牛耳る世界
経済的支配者は「安定」を望まない
経済が安定し、皆幸せに暮せること。普通の人は、このような環境が誰にとってもハッピーと考えます。しかし、経済的支配者にとっては、世界経済が安定的に成長することは、必ずしも望ましいことではありません。
理由は、経済支配者や経済的成功者は、バブル、大恐慌、戦争が起こらないと儲けるチャンスに恵まれないからです。近年の約10年ごとに起こる世界恐慌も、コロナショックも、その渦中、或いは、その回復で儲けたのは富裕層です。
その後の世界経済の覇者をめぐって、なかば意図的に引き起こされているのです。
人と煩悩を利用する者たち
人はなかなか煩悩(欲)を捨てられません。この煩悩を巧みに権力者は利用します。
「国の機関」の中枢機関に見える欧米先進国の中央銀行は、国の期間ではありません。ECBもBISもFRBも各国政府から完全に独立した機関であり、これら中央銀行の実権を握っているのは、大株主、もしくは理事である米仏ロスチャイルド家、米ロックフェラー家、モルガン家です。
英国イングランド銀行は形の上では国営化されていますが、事実上はロスチャイルド家をはじめとする個人に支配されています。先進国の通貨発行権を握ることにより、これら大富豪たちが世界の富のほとんどを独占しているにも変わらず、彼らの名前・活動はベールに包まれています。上記世界のパワーバランスは少しずつ変化し、ここ数年、米国の力が相対的に弱まっています。
我々は、そろそろ以下の点に気がつかなければなりません。
- 煩悩が第三者によってコントロールされ、支配するための道具して使われているという事実
- 資本主義社会における「成功」ばかりを追い求めると、ますますお金の奴隷と化すという事実
真の「自由」とは
「お金の呪縛から解放されたい、自由になりたい」と多くの人が思っています。
釈迦は、【「自由」とは、「自らを由(よ)りどころとし、他のものを由(よ)りどころとするなかれ」】と説きます。
つまり、思考や行動の判断基準を自らにおきましょうということ。「お金から自由になる」には、「お金」というモノサシから自由になることが大事なのです。
最後に
「お金(お札)」はしょせん「紙(かみ)」。
みんなからの「信用」があるため、価値が担保されているように見えますが、「神(かみ)」ではありません。私は、1万円を破ってみて、「単なる紙じゃん」と思えたことで、少し気持ちが楽になりました。
確かにお金は必要ですが、生活をミニマル化しながら、そして、自分が楽しめる方法で糧を稼ぎ、幸せに楽しく生きる方法はあります。そんな気持ちになれば、満員電車に乗って毎日会社に通うだけが人生だけでないと思え、人生が楽になります。
今、私は、企業人を止め、個人事業主となり、基本的に自分が好きなことに取り組んで暮らす生活に切り替えました。今の時代なら、それができます。
【参考】21世紀の新たな「神」についても知っておこう
21世紀の新たな「神」については、イスラエルの歴史家で哲学者でもあるユヴァル・ノア・ハラリさんは、以下の著書で、解説しており、今現代の社会で「それ」が神化しています。この本は、これからの時代を生きる上、読んでおくべき良著です。ちなみに「デウス」とは、ラテン語で「神」を示す言葉です。