日本人の死因第1位「がん」。誰もががんにはなりたくないと思っているでしょう。
「がんにはなりたくないなら、野菜スープが最強!」と断言するのが、本書の著者であり、ノーベル化学賞の候補にも名が挙がる抗がん剤の世界的権威である前田浩さん。
野菜スープは「毎日」食することで、がん予防だけでなく、高血圧、糖尿病、白内障、シミ、アトピーも改善すると言います。
今回は、「最強の野菜スープ」から、野菜スープがガン予防になる理由、最強スープの作り方のポイントを紹介。また、野菜スープを習慣化するために大事な「調理をラクにする方法」についても紹介します。
なぜ、人はがんになってしまうのか
なりたくない病気のトップと言っても過言ではない「がん」。人がなぜ、がんになってしまうのでしょうか。
猛毒「活性酵素」とは
がんをはじめ、ほとんどの病気や老化に密接にかかわっているのが、猛毒な「活性酸素」です。
活性酸素とは、通常の酸素が変質したもので、激しく活性化し、他の物質を攻撃します。これにより起こるのが「酸化」。鉄が錆びる=酸化も活性酸素のしわざで、人体でも同様のことが起きます。
呼吸で取り込んだ酸素のうち、2~3%は体内で活性酸素に変わってしまいます。また、活性酸素は、紫外線や放射線、化学物質、呼吸で取り入れた酸素やタバコ、食品添加物など、あらゆるものから発生して、細胞や遺伝子を攻撃します。
年齢とともに衰える免疫システム
古くなった細胞の遺伝子情報は正確にコピーされ、新たに生まれる細胞に引き継がれます。ところが、情報が正確にコピーされないと遺伝子が異常をきたし、がん細胞が生じます。遺伝子情報のミスコピーの原因になるのが活性酸素です。
体内では毎日、遺伝子の異常を抱えた細胞が5000~6000個生まれると言われていますが、それでもがんにならないのは、免疫の監視システムが働き、がんの芽を摘み取っているからです。しかし、年齢とともに免疫力が衰えると、がんの芽を見逃してしまい、がんの発生を許してしまうのです。
なぜ、がん予防に「野菜スープ」なのか
がん予防の基本は、「健康的な食事」と「適度な運動・睡眠」です。
食事の観点から、ガン予防に効果的なのは、抗酸化物質(ファイトケミカル)の宝庫である野菜をたっぷり使った「野菜スープ」。前田先生曰は、野菜をたっぷり食べ、体内に抗酸化物質を取り込んでおけば、活性酸素を撃退し、がんを予防することができると力説します。
野菜に含まれる抗酸化物質「ファイトケミカル」
猛毒の活性酸素を抑えてくれるのが、抗酸化物質の宝庫である「野菜」です。
野菜に含まれる抗酸化物質には、さまざまな種類がありますが、代表格はファイトケミカル。ファイトケミカルは、植物が紫外線や害虫などから、自らを防衛するために作り出す物質の総称です。植物の色素や香り、苦味などを構成している成分です。
植物は、一年中、強い紫外線を浴びていますが、がんになりませんが、それもこのファイトケミカルのおかげです。
ファクトケミカルの例
ファイトケミカルは身近な野菜や果物、豆類、お茶にたっぷり含まれています。
・トマトのリコピン
・ホウレンソウのルテイン
・ニンジンやカボチャのカロテノイド
・大豆のイソフラボン
・緑茶のカテキン
・タマネギのケルセチン
・ブルーベリーや赤ワインなどのアントシアニン
・ニンニクやネギ、ワサビなどの辛味成分や香り成分のイオウ化合物 等
また、野菜に多いセルロースやヘミセルロースといった食物繊維は、腸内細菌の善玉菌を増やし、発がん物質を生成する悪玉菌の働きを抑えます。善玉菌は便通を整え、腸内の白血球を活性化して免疫力を増強し、大腸がんを予防します。
事実、野菜を食べる人ほどがんにならないというデータがあります。活性酸素が関与する高血圧、糖尿病といった生活習慣病や、目や肌の病気の改善にも効果的です。
なぜ、サラダではなくスープなのか
野菜を食べればいいのであれば、生野菜サラダでもよさそうに思います。しかし、ここは、しっかり「野菜スープ」を選択したい。
理由は、生の野菜をそのまま食べても、ファイトケミカルはわずかしか吸収することができないからです。
サラダの100倍の活性酸素消去力
ファイトケミカルの多くは、野菜の「セルロース」という食物繊維の一種でできた頑丈な細胞壁の中にあります。ファイトケミカルを取り出すには、この細胞壁「セルロース」を壊さなくてはなりませんが、野菜を噛んだり、包丁で刻んだりした程度では大半の細胞壁は壊れませんし、体内でもセルロースを消化できません。
前田さんらの実験によると、野菜の活性酸素を消去する働きは、生野菜をすりつぶしたものより、野菜を煮出したゆで汁のほうが10倍~100倍強いことが明らかになっています。
野菜スープには、ファイトケミカルのほかにもビタミン類、ミネラル類など野菜の有効成分が丸ごと溶け出しています。野菜のこれらの有効成分は熱に強いので、加熱しても壊れません。日々、スープをとり続けていれば、がんだけでなく、生活習慣病の予防、老化予防に直結します。
1日350gを目安に食べたい野菜
厚生労働省は、成人が1日にとる野菜の目標摂取量を350g以上としていますが、煮てくたくたになった野菜ならたくさん食べられます。
コラム:ビタミンCは熱に弱い?
ビタミンCは熱に弱いと言われますが、これは、あくまでビタミンCを単体で熱した場合のお話。野菜の加熱調理では、ビタミンCが壊れる心配はほとんどありません。 多くの野菜やジャガイモなどのイモ類は、まるごと煮込んでもビタミンCの大半は残っています。緑茶も同様です。
野菜スープの作り方
野菜スープの作り方はとても簡単です。以下は基本となる野菜スープです。
最強の野菜スープ:レシピ
材料
タマネギ、ニンジン、キャベツ、カボチャ、セロリ、セロリの葉、トマトなど合わせて300g
色の濃い葉物野菜は1種類は入れるのがおすすめ
スープの作り方
❶タマネギは一口大、キャベツはざく切りにするなど、各食材を食べやすい大きさに切る
※ニンジンは皮をむかないのがポイント
❷野菜と水は1:3が目安。野菜300gなら水900mlが目安
鍋を火にかけ、吹きこぼれないよう沸騰する前に弱火にし30~60分煮る。 野菜が柔らかくなればできあがり。
❸基本的に味付けはしないのがオフィシャルの考え方
ただし、物足りない場合は隠し味程度に、塩や味噌を加えてOK。使う野菜で味や香りも大きく変わるので、お好みに合わせて
上記でもわかるように、基本、多種類の野菜を鍋に入れ、水を注いで煮るだけです。
味付けは、体にいい調味料でお好みで
なお、最もよく使われている食卓塩は、化学工業品。体によくありません。塩は天然のものを選びましょう。味噌についても同様です。お味噌汁にすれば、日本人のおふくろの味「お味噌汁」となり、毎日飽きずに食べられます。
食べ飽きないように、バリエーションを増やそう
毎日、食べ飽きずに食べるために、ブレンダーを使ってポタージュにして食べてもおいしいです。
私は、クイジナートのブレンダー「スリム&ライト マルチハンドブレンダー」を使っています。1台あると、料理&お菓子作りに非常に重宝します。
野菜スープづくりのポイント
野菜を選ぶ場合は、以下を押さえておきましょう。
- 野菜は新鮮なうちに食べましょう。野菜の有用成分は、時間が経つにつれ失われていきます。たとえば、ホウレンソウのビタミンCは、5℃で冷蔵保存した場合、1週間で約半分、室温では2日で約70%も消失します。
- ホウレンソウ、コマツナ、ブロッコリー、ピーマン、シュンギク、ヨモギ、モロヘイヤ、シソなど、緑の濃い葉物を多く入れとさらに効果が高まります。
- 太陽光を浴びて育った野菜ほど、活性酵素を消去する働きは強くなります。それ故、同じ大根でも、根の部分より、大根の葉の部分の方が断然効果は高いです。捨てずに食べましょう。
- トマトに含まれる赤い色素、リコピンは飛び抜けた抗酸化力を発揮しますが、リコピンは生よりも加熱して食べるほうが、利用効率が高くなります。
トマト缶は、時間がない時の強い味方です。コストも安くて済みます。以下は、Amazonで人気の高いトマト缶です。私はトマトが好きなので、トマト缶は常に常備です♪
果物、コーヒーもがんに効く
野菜のほかにも、果物、豆類、キノコ類、お茶、コーヒーなど植物性食品には、さまざまな抗酸化物質が豊富に含まれています。
- 果物なら「リンゴ」が最強。「リンゴは医者いらず」ということわざを裏付ける研究も数多くあり。
- 「コーヒー」の抗酸化力は赤ワインをしのぐ コーヒー豆には、強力な抗酸化力をもつポリフェノールを多数含む。1日3杯程度のコーヒーは、がん予防に役立つ。
野菜スープを習慣化!おすすめ「電気圧力鍋」
自分の健康を第一に考えるなら、野菜スープを毎日習慣化することが大事。しかし、よいとわかっていても面倒だと多くの人は続けられません。簡単に手間なく調理できる環境を作ってしまうことが大事です。
野菜スープづくりを習慣化するなら、電気圧力鍋が断然楽。野菜をコトコト煮込む間、鍋のそばにつきっきりになる必要がありません。野菜を切って、鍋に放り込んでしまえば後は電気圧力鍋が勝手に調理をしてくれます。病気になって治療代がかかるくらいなら断然安い自己投資になるはずです。
各社より様々な機種が出ていて、どれを買う感悩むところ。そこで、Amazonの電気圧力鍋の売れ筋ランキングを参考に、機能・性能を見比べた結果、おすすめ品をピックアップしました。
一番人気はアイリスオーヤマ 電気圧力鍋 2.2L/4.0L
価格重視なら 山善 電気圧力鍋 マイコン式 2.5L
お安さ重視なら、山善の電気圧力鍋。アイリスオーヤマ製品と比べても大幅にお安いです。安くても細かい圧力設定も行えます。料理によってやや仕上がりに差ができるようですが、価格を考えるなら十分満足できる範疇。
価格・機能のバランスよし パナソニック 電気圧力鍋 3L
無水調理もできる時短電気圧力鍋。使い勝手も抜群。特に、今回のテーマである野菜スープの代表「ポトフ」を作るなら、これが最もおいしくできる商品との評判。価格も意外と高くなく、価格と機能・おいしさのバランスが抜群。
機能重視&よりおいしく! シャープ ヘルシオ ホットクック 1.0L/1.6L/2.4L
少しお値段が高くても、よりよいものを選びたいならシャープのヘルシオ ホットクックです。野菜のうまみを最大限に引き出す無水料理が可能。しかも、130以上のメニューがあり、完全おまかせ調理ができるので、これを超える商品はありません。
無線LAN対応品もありますが、高機能だと、その分、お値段も高くなります。
機能・サイズ・カラー違いの商品が複数あるので、まずは、商品一覧&価格チェックをしてみましょう。迷ったら、Amazonで評価数が高いものがおすすめ&安心です。
最後に
今回は、前田浩先生の「「最強の野菜スープ」の要点と、おすすめの電気圧力鍋を紹介しました。
私は、生野菜サラダが大好きで、お米がなくてもサラダが欲しいタイプです。でも、この本を読んで、折角、野菜を食べていてもスープの1/10~1/100しか効果がないと知って、ショック…目下、野菜摂取の何割かはスープに置き換えるべく努力中です。
人の免疫システムについて楽しく学べるのがまんが「はたらく細胞」。特に、タバコ・アルコール・生活習慣病・ガンなど、不摂生により体の中で何が起こっているか学ぶには、「はたらく細胞 BLACK」は超最高です。