コツコツ投資の代表的手法「ドルコスト平均法」。
株価に関わらず、毎月同じ額をコツコツ買っていく積立投資法です。
この「ドルコスト平均法」を発展させた積立投資法「バリュー平均法」をご存知でしょうか?
最強の積立法「バリュー平均法」
バリュー平均法は、良書「自分でやさしく殖やせる 「確定拠出年金」最良の運用術」の著者 岡本和久さんが提案する積立投資法。
ドルコスト平均法のように毎月同じ額を自動的に投資するのではなく、マーケットの変動に合わせて買い付け額を変動させ、時には売却も含めて投資する方法です。
文章にすると、ちょっと難しくなりますが、バリュー経路(バリュー・パス)という資産成長の道筋を決め、その上で毎回、時価残高がバリュー経路になるように資金を投入していきます。
バリュー平均法は以下の本でより詳しく学べます。良書です。オススメです!
バリュー平均法の買付事例
文章では難しいので、買付事例を見てみましょう。「バリュー経路額」に基づいて、追加購入したり、売却したりしていきます。
時価残高がバリュー経路を超えた場合には超過分を売却し、値下がり時の買い増し原資とします。これにより、ドルコスト平均法より安い価格で多くを買い付けることができるため、パフォーマンスが向上します。
ドルコスト平均法とバリュー平均法の違い
ドルコスト平均法との違いを表にまとめると以下のようになります。
ドルコスト平均法 | バリュー平均法 | |
---|---|---|
投資対象 | 同一銘柄 | 同一銘柄 |
買付タイミング | 定時 | 定時 |
投資額 | 定額 | 株価が下がった時は増額、 上昇した時は減額 |
取引内容 | 買いのみ | 買い、売り |
取引執行 | 業者 | 投資家自身 |
取引の頻度 | 原則月1回 | 原則四半期ベース |
投資目標 | 投資総額 | 自家残高 |
バリュー平均法の問題点
上述した通り、バリュー平均法はドルコスト平均法より安い価格で多くを買い付けることができるため、パフォーマンスが向上します。
しかし、本方法に問題がないわけではありません。
- マーケットが大幅に下落した場合、許容できる投資金額の範囲内ではバリューパスに追従できないことがある
- マーケットが継続的に下落する場合、追加投資により傷が深くなる
- マーケットが上昇し超過分を売却する際、課税口座では税金を支払う必要がある
- マーケットが継続的に上昇する場合、リスク資産の比率を下げるため、さらなる上昇に対して機会損失が発生する
- 金融機関で一度設定すれば、ほったらかしでよいドルコスト平均法に比べて手間がかかる(1の場合など、自己判断が必要になる)
バリュー平均法、問題解決・軽減策
先に挙げた問題を、どう解決、或いは軽減するか?岡本さんは以下の方法を奨めています。
- 運用の手間削減のため、3ヶ月ごとの買付を推奨
- 確定拠出年金での購入を推奨
投資対象の投資信託と準備金の間で資金が行き来する可能性と、売却時により生じる税金をゼロにするには、確定拠出年金は最適な運用先となります
確定拠出年金については、以下の記事を参考にしてください。
では、いくら積み立てる?
さて、優れた投資方法はわかりました。
では、老後資産を作るためには、いくら積立てたらいいでしょう。
岡本さんは、毎月の積立額のオススメ額として、20代は月2万円、年代ごとに1万円ずつ増やすことを推奨しています。例えば、50代なら月5万円は積立てたいですね。