激しさを増している米中対立。そして中国政府による自国中国企業への規制強化。
米国の対中政策は、バイデン政権が誕生時は、トランプ政権よりお手柔らかに行くのではないかとの見方が強かったですが、実際は、バイデン政権になって、より厳しく、そしてより組織的に…
米中対立の根底にあるのは、現覇権国「米国」と新興国「中国」の覇権争い。覇権争いといっても武力衝突ではなく、経済の分野で、貿易戦争、半導体戦争、5G戦争となって厳しさを増しています。
一方、中国政府による自国企業に対すると統制強化も厳しくなり、7月になって中国株式指数の下げが厳しくなっています。
あまりにも下げがきつければ、これは、下落は米国株式、日本株式にもマイナスの影響を及ぼします。
そこで、今週、中国の天津で中国外務省の謝鋒 外務次官と米国務省のウェンディ・シャーマン副長官が会談が開催されるなど動きもある中、現在の中国株の状況を今一度確認しておきたいと思います。
さらに下落し、買いたい水準に到達
少し買ってみました(後述)
目次
中国株の締め出しを行う米国株式市場
米国株式市場に上場する中国企業には厳しい風が吹いています。
理由は、中国企業の不正会計疑惑が相次いでいることを理由に、米当局が新たな規制を導入。中国企業に対する監視を強めたからです。
その背景には、不正を取り締まるという目的もあるとは言え、世界の覇権を譲りたくない米国。台頭する中国に対し、米国証券市場から調達した資金が、中国企業の発展、その利益が税金として政府や軍となり、ビックデータを利用した国家主権にかかわっていくことを避けたいなどの理由もあるでしょう。
結果的に、投資家は中国関連株への投資を減らし、中国関連株は下落しています。
中国政府の自国内規制
中国は、自国内への統制強化も強めています。もともとは大手IT企業に対する取り締まりや規制から始まりましたがが、7月26日、小中学生を対象とした学習塾の規制強化策を公表し、教育関連銘柄が大幅下落。中国株式指数の下げ足が速まっています。
打ち出されたのは中国当局が策定した「双減」と呼ばれる教育改革案。
小中学生への過剰な宿題と課外学習の負担を減らすため、学習塾の新規上場を禁止し、既存の塾は非営利団体として登記する方針を示したことで中国の教育関連銘柄が大幅に下落しました。
中国の教育銘柄が総崩れ、規制強化で半値以下に (日経新聞:2021年7月26日)
また、IT企業に対しても、「安全で秩序ある市場環境」をつくるのが狙いとして、中国工業情報省がインターネット業界の取り締まりへの着手を発表(期間:半年)。アリババをはじめとする企業の株価も大きく値下がりしています。
清華大生から見た中国の最先端がまとめられた書籍「清華大生が見た 最先端会社、中国のリアル」(2020年2月発刊)には
・中国社会のデジタル革命
・アリババ系とテンセント系によるIT競争
・中国の急激な発展を支える中国の教育事情 など
今回の中国政府の統制にも大きく影響する分野の、中国のリアルがまとめられています。
本書を読んだ感想は「中国への敗北感🥀」。ハードな競争で生き残るために戦う中国人と企業に「日本・日本人は絶対に勝てん..」と… だからこそ、「次なる覇権国候補として注視すべし」との考えを一層強くしました。
私の中国株投資と今後の戦略
私は、中国を次なる覇権国として注視しています。
2021年入りして以降も、真っ先にコロナの打撃から経済が復活したのが中国であったこと、さらに、2020年2月頃をピークに、安くなった中国株に興味を持ち、米国市場に上場しているアリババを何度かCFDで売買してきました。
しかし、7月上旬に米国株式軟調にプラスし、中国政府自体の国内企業への規制がより厳しくなり、株価の行き先が見えなくなったため、泣く泣く😢大きめの損切りを行いました。
反転を狙いたい中国株式
しかし、軟調な相場も、時期はわかりませんが、いずれどこかで終わる。
米国が英国から世界の覇権を奪った歴史が示すように、「覇権国は変化」することを念頭に、どこかで、中国株を保有したいと思っています。ただし、中国株には全く明るくないので、以下を購入候補にしようと考えています。
長期保有:Tracker Fund of Hong Kong ETF(2800) ※高橋ダンさんが著書で推奨
iシェアーズ・コア MSCI チャイナETF(2801)
上海株式指数・上証50連動型上場投資信託(1309)
上場インデックスファンド 中国A株(パンダ)(1322)
中国株ニューエコノミーファンド(CXSE)
短期売買:香港H、上海A ※GMOクリック証券【CFD】
ただ、今は目下、下落の真っ只中なので、まずは、チャートで状況を確認してきます。
中国株式指数などチャート確認
それではチャートを確認します。
なお、以下のチャートは、私が短期売用(数週間~数ヵ月)に取引をしてる、GMOクリック証券【CFD】「プラチナチャート」のです。
時間軸を長くするために、PC版のチャートを使いましたが、通常は、スマホ画面でチャート確認&売買しています。
香港H株チャート(上:月足、下:週足)
月足は長期トレンドライン的にはまだまだ下落余地がありますが、一目均衡表の雲下限に到達。一旦底抜け後、雲中に戻ってくるか注視したい水準。
週足も一目均衡表の雲の下限に到達。
上海A株チャート(上:月足、下:週足)
上海A株も香港H株と同じような状況。週足が一目均衡表の雲の下限に到達しており、反転するか見極めたいところです。
アリババチャート(週足、米国証券市場上場)
米国証券市場上場するアリババは、トレンドラインに到達しました。下げ止まるか、底抜けるかが試される水準です。
最後に
今回は、下げ足を速める中国株式の背景(理由)とチャートの確認、そして私の中国株の投資スタンスをまとめました。
上記の通り、香港H、上海A、アリババともチャート的にはチャートポイントに到達しています。このままレジスタン水準を抜けてさらに下落する可能性もあるので、今すぐ投資とは思っていませんが、安い水準で変えればチャンスです。
相場は、大半の投資家が弱気になったときがチャンス。損切りが多発し取引額が増えるようならそこが底かもしれません。
今は、ガンガン上を目指してる米国株指数を買い増ししたくなりますが、悲観を買い銘柄分散するということも考え、引き続き、中国株への注視を続けます。
追記 2021/7/28
7月27日、記事をUP以降も、中国の株価指数 香港H株・上海A株は下落。
月足チャート分析で、買いたい水準に到達したので、上海A株、アリババをCFDで購入しました。
判断ポイントは以下の通りです。
上海A株:過去2度の高値水準に到達。7/28午前中反発したので購入
アリババ:長期トレンドラインに到達。7/27夜間、米国市場時間に購入
中国政府による国内への規制が原因での下落なので、確実に事業に影響を与えるため、このまま買いが続くかは不明です。下落するようなら損切りします。