日経平均は「今年最大」の下げ幅…前日比1,285.34円安。なぜ、売りが集中したのか。今後の不安材料、あれこれ...

2024年7月25日の日経平均株価は「今年最大」の下げ幅を記録。
前日比1,285.34円安の37,869.51円で取引を終えました。

なぜ、これほどまで売り込まれたのでしょうか?

確認をしておきます。

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日経平均が1,200円以上も下げた理由

7月25日の日経平均株価は寄り付きから大きく下げてスタート。

前日の米国株市場で、
❶NASDAQが−3.64%
❷フィラデルフィア半導体指数が−5.41%
と米ハイテク株が急落
していたこと。

さらに、為替市場では、
❸急激な円高が進行

これらが嫌気され、指数寄与度の高い半導体関連銘柄を中心にリスク回避の売りが集中し、今年最大となる下げ幅を記録しました。

日経平均株価が3万8,000円を下回ったのは4月26日以来、およそ3ヵ月ぶりです。

■2024年7月25日の日経平均
終値     :37,869.51円
下げ幅    :1,285.34円
構成銘柄騰落数:値上がりが35銘柄、値下がりが189銘柄、変わらずが1銘柄
年初来銘柄  :高値更新が9銘柄、安値更新が111銘柄
押下げ業種  :電気機器、証券業、保険業、機械、銀行業
押下げ銘柄上位:ソフトバンクグループ〈9984〉、東京エレクトロン〈8035〉、アドバンテスト〈6857〉、ファーストリテイリング〈9983〉、リクルートホールディングス〈6098〉

チャートで見る日経平均下落

下落の状況をチャートでも確認してみます。

昨日の下落で、年初来最高値からは4,557.26円の下げ。今年の上昇分の半分を吹き消しました🥀🥀
2024年年初からの状況をまとめると次のようになります。

日付前年終値年初来高値年初来安値終値
2024年7月25日33,464.1742,426.7732,693.1837,869.51
日付今年の上昇幅年初来高からの下落幅今年の最大上昇幅
2024年7月25日4,405.34-4,557.268,962.6
日付今年の上昇幅年初来高からの下落幅
2024年7月25日49.2%50.8%

フィボナッチで確認しておくと分かりやすいですね。

なんともピタリと、チャート分析的に重要な水準で下げ止まっています。なお、本日の段階では、5月24日につけた安値まで下落して反発しています。

フィボナッチについてご存じない方は、以下もご参考に。

今後の株価の不安材料

今後の株価の不安材料

年初来からの上昇の半値戻しを達成したところで、再び上昇に転じてくれるといいのですが、いろいろと不安材料があります。

カネ余りバブルの終焉を示す指標がいろいろ

1つ目は、これまで、世界の株式市場は、特に、政府による資金供給が引き起こした「カネ余りバブル」を背景に、経済成長以上に上げ過ぎてきました。

世界の株式と比較しても、米国の株式は上げ過ぎてきている….以下は、米国と世界の株価の推移です。1987年末の株価を100としたときの、各年の株価を示したデータですが、2021年時点で、米国株を除く世界株が435なのに対し、米国株はその約4.5倍の1975にまで上昇しています。

そして、米国の国政策金利は、高止まり中で、次いつから下落に転じるかと言う段階にあります。

また、投資の神様ウォーレン・バフェット氏のバブル指標ともなる二つの数字も、上げ過ぎを示しています。

詳細は以下の記事で解説しています。

8月月初に「水星の逆行」入り

株式・為替などの金融市場が荒れやすい水星の逆行期間が8月月初に控えています。
ボラティリティが激しくなり、損しやすい時期です。

詳細は以下の記事で解説しています。

株式バブルパーティーの終焉で起こること

株式バブルパーティーの終焉で起こること

長期上昇トレンドを描いてきた大相場では、投資家は簡単に降りられません。そんな中で「ギリギリまで儲けたい欲望」と「高値警戒感からの疑心暗鬼」の葛藤が投資家の間で静かに育っていきます。

そして、何かがきっかけで売りが出てくるや、皆が大慌てで売りに殺到します。

さらに、大きく下げては戻しを繰り返して、 徐々に戻しが鈍くなり、本格的な暴落相場へ突入していく。そして、マーケット参加者は、売り逃げ一色となります。

こうなると、政府だって止められません。皆がバブルに踊って買いまくってきた相場では、買い余力がある投資家も少ない。すると、値ごろ感からの買いも入らず、マーケットは売りが殺到するだけの地獄と化します。

これが、何度と繰り返されてきた「バブル崩壊の地獄絵」です。同様のことは、コロナショックの時も、リーマンショックの時も起こりました。特に、昨今主流のコンピューター売買では、買いも売りも転換が早く、事前対策なしでは、逃げ切ることはできません。

そして、慌てふためいて損切りした人は、「もう、株はやめた…」と株式市場に戻ってこれなくなります。

最後に

今回は、現在の日経平均の状況について、確認をしました。
年初来上昇幅の半値下落したとは、そろそろ、株式バブルパーティーの終焉が迫る時期でもあります。

株式投資のメインを、長期積立投資としている私個人としては、悩ましい時期です。