
2026年1月、「個人投資家が選ぶ!Fund of the Year 2025」が発表されました。
本アワードは、その年の“リアルな投資家心理&姿勢”を最も反映するランキングです。
本記事では、インデックス部門とアクティブ部門の結果を整理しながら、
- 2025年のランキング結果と総括
- 今後の投資戦略への活かし方
を私なりに考察します。
目次
🏆 インデックス部門 上位結果(Fund of the Year 2025)
| 順位 | ファンド名 | 運用会社 | 獲得ポイント |
|---|---|---|---|
| 1位 | eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 三菱UFJアセットマネジメント | 475 |
| 2位 | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 三菱UFJアセットマネジメント | 105 |
| 3位 | ニッセイ外国株式インデックスファンド | ニッセイアセットマネジメント | 59 |
| 4位 | eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本) | 三菱UFJアセットマネジメント | 52 |
| 5位 | たわらノーロード 先進国株式 | アセットマネジメントOne | 51 |
🏆 アクティブ部門 上位結果(Fund of the Year 2025)
| 順位 | ファンド名 | 運用会社 | 獲得ポイント |
|---|---|---|---|
| 1位 | セゾン・グローバルバランスファンド | セゾン投信 | 59 |
| 2位 | 結い 2101 | 鎌倉投信 | 56 |
| 3位 | ROBOPROファンド | SBI岡三アセットマネジメント | 56 |
| 4位 | ひふみ投信 | レオス・キャピタルワークス | 27 |
| 5位 | コモンズ30ファンド | コモンズ投信 | 25 |
📈 2025年の金融相場の方向性 — 両部門から見える3つの潮流
eMAXIS Slim 全世界株式とほぼ同じ値動き
1️⃣世界分散 × 長期投資が完全に主流化
インデックス部門の上位はすべて、全世界株式・米国株式・先進国株式のファンドです。
特に🏆1位の「オール・カントリー」が2位以下を大きく引き離す圧勝は、
2025年の個人投資家が、
「どこかの国に賭ける」より「世界全体の成長を丸ごと取りに行く」スタンスを明確に選んだ証。
これは、
- 米国一強への不安
- 地政学リスクの分散
- 新興国を含めた長期成長期待
を背景も背景にあるでしょう。
もはや、「バカの一つ覚え」的状態ともいえるかもしれませんが、
• 低コスト・分散・長期という王道戦略、
• 「世界全体の成長を信じて持ち続ける」投資哲学
がますます定着しているとも言えます。
2️⃣ 不透明な相場環境 → バランス型への回帰
アクティブ部門1位は「セゾン・グローバルバランスファンド」。
株式と債券を組み合わせたバランス型ファンドが評価されたのは、
米国の政局/地政学リスク/景気減速懸念など、不確実性を背景に、
「リターン最大化」より「大きく負けない」ことを望んだ方が多かったからでしょう。
3️⃣ AI・テクノロジー活用型運用の台頭
特徴的なのが、ROBOPROファンドのランクインです。
AIやアルゴリズムを活用した運用が、
実験段階から「評価される実戦手法」へ移行したことを示しています。
🧭 結果を今後の投資に活かすための考察
「個人投資家」の姿勢
今年の結果に限らず、「Fund of the Year」が示してきたのは、投資家の“姿勢”です。
- 短期売買より長期積立
- 集中投資より世界分散
- 派手なテーマより再現性
- リターン最大化よりリスク管理
👉「勝ちに行く投資」より「負けにくい資産形成」
この流れは、2026年以降も簡単には変わりません。特に、NISAなど長期運用ならなおさらです。
円安という“副作用”と、合成の誤謬
ただし、上記、個人投資家の姿勢には、無視できない副作用もあります。
それが、「円の価値の下落」という構造問題です。
世界分散投資が広がるということは、
個人が一斉に「円を売り、外貨を買う」構造が、長期的に続くということです。
国家にとっては、過度な円安は
• 輸入物価の上昇
• 実質賃金の低下
• 生活コストの上昇
という形で、確実に国民生活を苦しめます。
しかし、個人の立場に立てば、
「円だけを持ち続けるリスク」は、世界分散が進めば進むほど、むしろ高まっていく。
個人にとって正しい行動が、国家全体にとっては危険になりうる——
これは、典型的な「合成の誤謬」です。
個人の合理性と、国家の安定が、必ずしも同じ方向を向かない時代を私たちは生きています。
このことを常に意識し、「円以外の資産」を持つことが大事です。
日本株が急騰しても、「コアはオルカン」だった意味
2025年の相場で、極めて象徴的だったのが、日本株の圧倒的なパフォーマンスでした。
| 地域 | 指数 | 年間騰落率 |
|---|---|---|
| 米国 | NYダウ | +12.79% |
| S&P500 | +15.19% | |
| ナスダック総合 | +19.11% | |
| 日本 | 日経平均 | +23.95% |
| TOPIX | +20.68% |
※出所:QUICK(米国は2025年1月2日~12月16日、日本は1月6日~12月17日)
AI・半導体の追い風、構造改革、政策期待。
海外投資家の資金流入も重なり、日本株は世界でもトップクラスの成績でした。
それでも、日本株インデックスは、インデックス部門の上位に一切入っていません。
この事実は、非常に示唆的です。
投資家は、
• 日本株の好調を「認めつつ」
• それを「コア資産には置かなかった」
つまり、日本は魅力的だが、それでも“全世界の一部”として扱う
という、極めて冷静な判断が働いていたとも考えられます。
賃上げ、ガバナンス改革、インフレ定着――日本株に中長期の追い風があるのは事実です。
しかし同時に、この先数十年単位で、「日本だけに賭ける未来」は描きにくい
という、投資家の本音も、ランキングにははっきり表れているように思います。
コアはやはり「全世界株式」だが、それで十分なのか
結論として、コアは「全世界株式インデックス」
この原則は、2026年以降でも揺らぎません。
ただし、オール・カントリーは、結局のところ、米国への依存度が極めて高い投資です。
そして、米国は史上最大級の財政赤字を抱える国です。
しかも、トランプ政権では、「世界の米国」から「米国のための米国」への方向転換が著しい。
だからこそ、
オール・カントリーの上に、どんな資産を、どの程度組み合わせるか。
ここからが、本当の意味での資産設計の領域と言えるのでしょう。
AI・アルゴリズム運用という、新しい選択肢
今回、個人的に最も印象に残ったのが、ROBOPROファンドのランクインでした。
正直に言えば、これまで私は、
「AI運用=よくわからず、高コストな運用商品」という程度の認識しか持っていませんでした。
しかし、冷静に考えると、AI運用には、
• 人間では追えないデータ量の処理
• 感情に左右されない判断
• ボラティリティが高い局面での機動力
といった、明確な強みがあります。
もちろん、「万能の解決策」になるとは思いません。
しかし、
コアではなく、サテライトとして“研究対象に値する存在”には、すでになってきている。
今回のランキングは、その“転換点”を示しているように感じます。
まずは、ウォッチするのが大事かもと思った次第です。
最後に:戦略は変わらない。だが、世界は変わり続けている。
今回の「Fund of the Year 2025」からの結論は、今までと何ら変わりません。
全世界分散 × 長期 × 低コストを軸に、
自分のリスク許容度に応じて、別資産も組み合わせて運用する。
しかし一方で、
• 通貨の価値
• 国家の財政
• テクノロジーの進化
などの、世界の前提条件は、確実に変わり続けています。
戦略はシンプルに。しかし、環境の変化には、常に敏感であること。
それこそが、最も重要な「投資家の資質」なのではないでしょうか。






