物価はどう推移し、1万円の価値はどのぐらい目減りしたか(1970年~)。2024年10月企業物価指数が過去最高、消費者物価指数も高い数値

日銀が2024年11月13日発表した「10月の企業物価指数」(速報値)が過去最高

2020年平均=100に対し、2024年10月は123.7(前年同月比で3.4%上昇)と報じられました。

企業物価指数は、2023年8月以来の高い伸び率。指数は2カ月連続で過去最高を更新しています。特に、コメの価格が高騰したのだとか。

家計物価の推移を示す「消費者物価指数」も、10月の速報値は108.8(前年同月比+1.8%)です。

コンビニやスーパーに行くたびに「高っ!」と、家計出費が心配になる方は多いのではないでしょうか。私もそんな一人。

ここで、物価はどう推移してきたのか1万円の価値はどのぐらい目減りしたか、確認をしておこうと思います。

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企業物価指数と消費者物価指数

企業物価指数と消費者物価指数<

企業物価指数」は日本銀行調査統計局が、「消費者物価指数」は総務省統計局が発表している物価指数です。どちらも、基準年2020年を100として算出されています。

二つの物価指数の関連性

企業物価指数が上がりはじめると、消費者物価指数(CPI)に影響する可能性が高くなります。各種メーカーが、原材料の上昇分を、BtoC商品へ価格転嫁していくことになるからです。

つまり、2024年10月が過去最高をということは、さらなる値上げで家計に打撃を与える可能性が大きいということです🥀🥀🥀

企業物価指数(詳細)

・日銀が毎月発表
・企業間で取引される財の価格変動を測定する指標(BtoB価格
・以下の3つから構成
 ・国内企業物価指数
 ・輸出物価指数
 ・輸入物価指数
景気動向を把握し、金融政策を判断するための材料となる
・企業間での商取引における値決めの参考として利用される

消費者物価指数(詳細)

・総務省が毎月発表
CPI(Consumer Price Index)とも呼ばれる
・家計に係る財及びサービスの価格等を総合した物価の変動を測定する指標(BtoC価格
・経済指標を実質化するためのデフレーターとして利用
・国や地方自治体が取り決める経済施策や金融政策の判断材料の一つとして活用
年金などの給付水準としても使用
・総合指数は全国と東京都区部の2種類。その他、以下のような指数もある
 ・生鮮食料品を除く総合指数(コアCPI
 ・食料及びエネルギーを除く総合指数(コアコアCPI
 ・持ち家の帰属家賃を除いた総合指数

企業物価指数と消費者物価指数の推移

企業物価指数が過去最高、消費者物価指数の推移がどのように推移してきたか
見ていきましょう。

データをまとめるに当たって

2つのデータが共に取得できる「1970年」から、現在までのデータをまとめています。
・各年の物価指数は年平均
・2024年分のみ、10月の速報値
・セルのカラーは、緑⇒黄⇒赤の順で高い数値を示す

また、物価データだけを見ていても状況が分かりにくいので、「日経平均株価」と「経済に関わる重要イベント(日本・世界)」を併記しまいた。

企業物価指数が過去最高、消費者物価指数の推移(1970年~)

新型コロナ感染の2020年から、
 企業物価指数は消費者物価指数は+23.7%、
 消費者指数は+8.8%

上昇しています。

結構、上がっとるなぁ…一方で、令和は、物価がことがわかります。

※クリックで拡大
企業物価指数が過去最高、消費者物価指数の推移(1970年~)

▼データ出所
日本銀行調査統計局「企業物価指数」
総務省統計局「消費者物価指数」
kabutan「日経平均 月足データ」

2つの物価指数、1970年を100とすると…

企業物価指数が過去最高、消費者物価指数の推移(1970年を基準)

表だけでは、物価変動がわかりにくい…
基準年を1970年(=100)にして、グラフ化してみたのが上の図です。

50年強で、物価3.5倍

2020年ごろから、くいっと物価が上昇しているのがよくわかります。

なんと、1970年の消費者物価指数CPIを100とすると、2024年10月のCPI=352.154年間で物価3.5倍です。ちなみに、「人生100年時代」とすれば、これで、「人生の半分強の時間での値上がり分」となります。

さらに驚く、昭和の物価上昇

上記グラフで、現在の物価上昇以上に驚いたのは、高度成長期後、バブルに向かう「昭和の物価上昇」が半端ないこと!

1970年から10年もたたずに、物価2倍です。信じられない…

戦後に生まれた第一次ベビーブーマー世代(団塊の世代)の子育て期、今、70代のおばあちゃんとか、スーパーに行く度に「値段、上がっとる!」と驚いていたのかなぁ…。
(このころはバブルに向けて、日本がお祭りに向かう時期でもあるので、「年収推移」も一緒に見ないとだめですが)

いずれにせよ、令和世代を生きた私たちは、長引く不況で「物価は上がらん・変わらん」という概念がすっかり刷り込まれ、マヒしていたことがよくわかります(反省)。

円高に支えられていたことも考えると、円高でなければ、物価指数はもう少し右肩上昇だったはずです。ちょっと、怖くなる。

再び、昭和の時代のように、今後も物価は上がるとみておいた方がいいと、改めて実感した次第です。

1万円の価値は?劇目減り

1万円の価値は?劇目減り

上記では、1970年のCPIを100とすると、2024年10月の物価指数は352.1になっている述べました。

これを別の言葉に言い換えてみます。

1970円当時1万円で買えたものが、2024年10月時点では、3万5210円出さないと買えません。

つまり、1万円の価値が目減りしているということです。

具体的には、「1970年の1万円の価値を100」とすると、「2024年10月の1万円の価値は28.4に目減り」しているということです。

仮に1970年から、ずっと、1億円をタンス預金していたら、確かに、手元にあるのは1億円だけど、の実質価値が2840万円に目減りしていたということです。

ちょっと、怖くないですか?

でも、その1億円を、ずっと、日経平均に投資していたら… 全く様相は異なります。

長くなるので、別の機会に解説します。