東京証券取引所は11月5日、株式の取引終了時間を午後3時から3時半に変更します。
東証の取引時間は平日の午前9~11時半、午後0時半~3時半の計5時間半に。
終了時間の延長は1954年以来、実に70年ぶりとのことですが、30分の時間延長で、市場にどのようなインパクトがあるでしょうか?世界的に競争力はあるのでしょうか?
延長に合わせ、新たな仕組みも導入
取引時間の延長にあわせて、終了前の5分間に「クロージング・オークション」という新たな仕組みも導入されます。
この5分間は注文はできますが、売買は成立せず、株価も変動しません。
従来通り、引け時に「板寄せ(いたよせ)」と呼ばれる方式で終値が決まることは変わりませんが、その時間が長くなります
※場中の売買締結法は「ザラバ方式」
指値注文をする人たち「メイカー」がが価格と数量を提示して注文出しを出しあい、マッチングした売買が成立します。また、成行注文(テイカー)では、出されていいる売買注文の中から、最も有利な価格が約定します。
クロージング・オークションの仕組みは、ロンドンや香港など海外の市場では導入されています。
取引終了前 | 投資家からの注文は受け付けも、売買は成立させない |
午後3時半 | 買い注文・売り注文を一斉に突き合わせて終値決定 |
これにより、東証は以下のような改善につながると述べています。
従来 | 取引終了間際に注文集中・取り消しで株価が大きく変動するケースがあった |
新制度導入後 | 投資家がほかの注文動向を把握しやすくなり、価格決定の透明性が高まる |
これまで、引け注文は終値に大きく影響するため、大口の機関投資家は引け注文を避ける傾向がありました。しかし、クロージング・オークションの導入により、これまで引け注文を手控えていた機関投資家などの注文が期待できるのではないかと東証は考えているようです。朝の寄り付き注文のような大口の売買が行われるかに注目です。
延長しても、東証の取引時間は世界的に短い
画像:日本経済新聞
取引時間の延長に加え、新たな仕組みで取引の参加者を増やし、市場をより活性化させたい考えがあるそうですが、インパクトはあるのか?
影響がありそうなのは、「上場企業の決算発表時刻。前倒し・後ろ倒し」。
ただ、それ以外のインパクトは??
毎日板を見て取引する短期トレーダーの方にとっては、神経がする減る時間が増えてしまうだけのような…。欧州の海外投資家勢にとっても、延長されても、時間的な投資のしやすさに大差はないように思うのですが…
いずれにしても、世界的に見ると、東証の取引時間は世界の市場に見劣りします。
2025年に1日の取引時間を22時間に延長する計画(夜間も含む)を発表している「ニューヨーク証券取引所(NYSE)」との大差がありすぎます。