2024年9月のFOMC、0.5ポイントの利下げ。今後の金利の見通しをドット・チャートで確認(見方・市場の読み方)

米連邦公開市場委員会(FOMC)は、9月17-18両日に開催した定例会合で、政策金利を0.5ポイント引き下げることを決定しました。

0.5%幅での値下げは通常の倍。利下げは4年半ぶりになります。

大きな転換点なので、金融市場の動向を記録します。

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2024年9月のFOMC、0.5ポイントの利下げ

0.5%の利下げの実施について


フェデラルファンド(FF)金利(1970年~)

フェデラルファンド(FF)金利とS&P500株価
(リーマンショック前の利上げから;2004年~)
FFレート(青)、SP500(赤)

パウエルFRB議長は同日の記者会見で、米個人消費支出(PCE)物価指数の上昇率が7月に前年同月比で2.5%に低下するなど物価抑制の進展によって「強力な動きが可能になった」と説明。「(他のの中銀と比べ)忍耐強く利下げをとどまってきたことが実を結んだ」と述べました。

また、今回の通常の倍に当たる0.5%幅での利下げは、「時宜を得たものであり、後手に回らないという決意の表れ」と強調。一部で浮上する「出遅れ」批判に反論しました。

米国の経済環境について

米国の経済環境については、「米経済は良い状態にあり、きょうの決定はそれを維持するためのもの」と発言。

8月に4.2%まで上昇した失業率についても「労働市場は依然として堅調な状態にある」と。すぐに問題視しない考えを示しました。

0.5%の利下げに対する反対票は?

今回はボウマン理事が0.25%の利下げ幅を主張して反対票を投じました。政策決定に理事が反対したのは2005年以来。投票権を持つメンバーによる反対では2022年以来です。

会合前に講演したウォラー理事なども大幅利下げには慎重な立場を示唆していました。

ドットチャートに見る、今後の米国金利の先行き

ドットチャートは、米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーによる金利予想。各ドットは委員1人の予想レンジの中間値を表します。

先行きの見方は、理事の間でも大きく異なります。

経済見通しでは年内残り2回の会合での追加利下げ幅について、FOMC参加者の間で0%から0.75%まで予想が分かれる結果となりました。

追加利下げに対する、参加者19人の内訳
・年末まで利下げ不要:2人
・計0.25%を支持:7人
・計0.5%を支持:9人 ☆中央値
・計0.75%を支持:1名

2024年末だけでなく、その後も、政策金利が下がり、その後、しばらく金利が低い状況が続くと予想されている点も意識しておきたいです。

ドットチャートとは

ドットチャートの見方・市場の読み方

ドットチャート(dot chart)とは、FOMC参加者(メンバー)が適切と考える米国の政策金利である「FF金利(フェデラルファンドレート)」の誘導目標の水準(政策金利の見通し)を、点(ドット)の分布で示した散布図です。

今後2〜3年の金利見通しのほか、長期視点でみた緩和的でも引き締め的でもない金利(中立金利)見通しも示されます。

ドットチャートの見方・市場の読み方

ドットチャートは横軸は将来の時期(通常は1年後、2年後、長期的な予測など)、縦軸は予想される政策金利の水準を示します。
各ドットは、個々のメンバーの予測を示しており、チャート全体の点の分布を見ることで、今後の金利動向に対するFOMCメンバーのコンセンサスを把握することができます。

メンバー間で予測が分散している場合は、政策に対する見解の不一致が示され、反対に予測が集約されている場合は、政策の一貫性が強調されることを示す点も注目です。

ドットチャートの金融市場への影響

FRBはドットチャートが政策意図を示す手段ではないと説明をしていますが、市場にとっては金融政策の先行きを予想する重要な指標です。

そのため、ドットチャートが発表されると、金融市場ではその内容に基づいた金利の見通しが大きく変動することがあります。ただし、強い引上げ/引き下げ予想が出たからと言って、その通りに、株価・為替が動くわけでもありません。発表前にそれ以上に市場が過剰反応していることもあるので、これらも加味して、今後の金融市場の動向を確認する必要があります。

2024年9月、株式・為替はどう動いたか

日足で、それぞれの金融市場を確認しておきます。

米国S&P500

日本株だけを見ていると、見過ごしますが、米国S&P500は最高値圏。
FOMCの利下げで下落していますが、単に前回の高値を超えていくパワーがなかっただけのように見受けられます。

日本株は米国株とドル円に引きずられます。現在は、ドル円(円高)に引きずられて、日経平均は下落していますが、ここに米国株の下落がかぶさって下落しないか、注視が必要です。

日経平均

日経平均は、37,155.26円、775.16円高(2.13%)となりました。値動きが急ですね。カッコたる信念なく売買しているとやられる相場です。

2024年7月を頂点とした上値トレンドラインが急速に下落してきています(黒線)。また、200日移動平均線も、株価の上に存在しています。

これらを跳ねのけて上昇できるかー。抜けられないと、日本株は… しんどそうです。

ドル円

FOMCの利下げ発表で、ドル円は円安方向に進みました。急いで進んだ円高が一旦戻った状況です。

ただし、今後も、ドルは金利引き下げ方向、円は金利引き上げ方向です。このことを加味して、勝率が高い方向に戻ったら仕掛けるのがベターと思われます。

 

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