9月から新学期がスタートする米国。
日本では4月から学校の新学期が始まり、新入社員も4月から社会人生活がスタートとなりますが、米国では9月が新学期。
これは、金融市場にとっても同じこと。つまり、9月は相場に新しい動きが出始めやすい時期であり、その転換点となりやすいのが「レイバーデー(Labor Day)」=「労働者の日(祝日)」です。
2024年の米国レイバーデーは、9月2日に当たり、米国金融市場は休場です。
目次
米国レイバーデーと金融相場
日本では4月が新学期。米国では新学期のスタートは9月です。金融相場でも、夏休みが終わった9月がスタート時。新たな気持ちで仕事への取り組みがスタートします。
米国の新相場入りは9月。レイバーデー明け
米国レイバーデーは、9月第1月曜日。2023年の場合は、9月4日(月)に当たり、は米国市場はお休みです。9月5日(火)からが新しい新年度がはじまります。
日本では4月が新学期で心機一転新たな気持ちで挑む季節となりますが、米国人もレイバーデー明けが心機一転のタイミングとなるわけです。
そのため、市場の癖=アノマリーとして、レイバーデー明けは相場の流れがガラッと変わったり、または、トレンドが発生しやすいと言われます。
9月の上旬は機関投資家をはじめとする大口トレーダーがどのような、動きを取るか、見極めてから、動くことも一つの手です。
日本の祝日だけでなく、米国の祝日も押さえておきましょう。適切でないタイミングでポジションを取ることを避けられます。
格言:9月第2土曜日まで相場に戻るな
上記のような背景もあってか、次のような格言があります。
Sell in May, and go away. don’t come back until St Leger day.
5月に売って、セント・レジャー・デー(9月第2土曜日に行われる競馬レース)まで戻って来るな
よく知られる相場格言「Sell in May」には、続きがあって、9月2週目までは投資を控えるようにと言っています。動き出すのは9月3週目、状況がわかってからでも、投資は遅くないと格言はアドバイスします。
【歴史は語る】大暴落・大恐慌は9月・10月に集中
9月、10月は歴史的な大恐慌が起こった月として知られています。
1929年10月24日 世界大恐慌
1973年10月 第一次オイルショック
1985年09月 プラザ合意
1987年10月19日 ブラックマンデー
1992年09月 英国がユーロ導入を断念(ポンド危機、ジョージソロスに敗北)
1998年10月 ロシアデフォルト→LTCMが破綻
2001年09月11日 9.11同時多発テロ→株式市場が閉鎖→暴落
2008年09月15日 リーマンショック
例えば、1929年の世界大恐慌、記憶に新しい2008年のリーマンショックも、レイバーデー明けから相場が不安定になり始め、最終的に大暴落につながっています。
米S&P500の騰落回数も9月が最悪
S&P500指数の前月比株価騰落回数も9月が最悪です。
「勝率9割の投資セオリーは存在するか」(馬淵治好 著)に紹介されている、1929年~2015年までの前月比騰落回数結果は以下のようになっています。
月別騰落回数 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
上昇回数 | 55 | 47 | 53 | 54 | 49 | 48 | 49 | 50 | 38 | 51 | 51 | 63 |
下落回数 | 32 | 40 | 34 | 33 | 38 | 39 | 38 | 37 | 48 | 36 | 36 | 24 |
今年2023年がどうなるかはわかりませんが、現状はどんどん相場が上がる地合いではありません。現在は、高値圏にあり、気を付けるにこしたことはありません。
ちなみに、現在の米国株価指数は以下のように推移しています。
S&P500
ダウ30
相場格言セルインメイを利用した【投資戦略】
9月の安いところで買い、翌年の春(5月)までに売る
私は、かつて、つみたてNISAを始める前、NISA口座(5年間でポジション解消 or ロールオーバーが必要)において、この方法で、毎年秋に買い、ポジションを貯めた上で、そろそろ高値かなと思う年に全売却するという投資法で、それなりの利益を得ました。
以下の記事はその成績を公開したものです。
投資アノマリー・サイクルを学ぶおすすめ本
「セルインメイ」をはじめ、投資アノマリー・投資格言・投資サイクルは、金融相場の統計情報です。その理由はよくわからなくても、どのようなアノマリーがあるか知っておくことで、投資成績UP、或いは、大きな損失を避けることにつながります。
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最後に
今回は、レイバーデーと金融市場について、紹介しました。
相場の変化はリスクでありチャンスでもあります。どのような動きをしても対応できるように、ヘッジ策などを取っておかれることをお勧めします。