フィボナッチ数列や黄金比率を使って相場の転換を予測するテクニカル分析フィボナッチ・リトレースメント。
不思議なぐらいよく当たりますが、どのような指標で、どうチャート分析に活用したらよいのでしょうか?
目次
押し目を的確にとらえるフィボナッチ・リトレースメント
相場はトレンド相場でも、一直線に上昇・下降をするわけではなく、上下に「戻り」の動きを繰り返しながら動いていきます。
上昇相場に、一定期間下落して小さな底をつけることを「押し目買い」といったり、大きく戻す場合も、「半値押し」、「3分の1押し」といった言葉を聞きますが、このような押し目や戻りの目標価格を判断する指標として「フィボナッチリトレースメント」がよく機能します。
なお、フィボナッチとは、13世紀のイタリアの数学者レオナルド・フィボナッチ氏が研究した「フィボナッチ級数」、リトレースメントとは「引き返す、後戻りする」という意味になります。
フィボナッチによる押し目の目標値幅予測
フィボナッチリトレースメントを理解するためには、黄金比率やフィボナッチ数列を理解する必要がありますが、そんな難しいことは省略して、重要ポイントのみ見て行きましょう。
フィボナッチ数列
フィボナッチ数値は以下の通りです。
①0.0%
②23.8%
③38.2%
④50.0%
⑤61.8%:黄金比率
⑥76.4%
⑦100.0%
ただし、チャート分析では上記比率と微妙に数値が異なる以下のパターンがよく使われています。
チャートの天井から底までの値幅を100%として、そこから次に来る戻りや押し目を非常によく当てます。
株式、FX、コモディティ、仮想通貨、あらゆる金融市場において、「押し目」や「戻し」の目標値値の予測・目安として、大いに役立ちます。絶対に攻略すべきチャート分析法です。
※上記フィボナッチ数列と微妙に数字が異なる数字は赤色
①0.0%
②23.6%
③38.2%:強いトレンドの場合の「戻り目標値」としてよく機能
④50.0%:半値押し
④61.8%:弱いトレンドの場合の「戻り目標値」としてよく機能
⑤78.6%:黄金比の平方根
⑥100.0%
上記の中で、特に重要とされているのが、38.2%、50.0%、61.8%で、それぞれ「強いトレンド」の戻り目安、「半値」、「弱いトレンド」の戻り目安としてよく機能します。
フィボナッチ・リトレースメントを使ったチャート分析
それでは、フィボナッチ・リトレースメントはどのように使ったらよいでしょうか。
フィボナッチによる相場予測例
以下は、一気に下落した後の「底値付近チャート」です。
天井を100%、底を0%として、フィボナッチ・リトレースメント線を描いています。
下から順に、0 → 0.236 → 0.382 → 0.50 → 0.618 → 0.78.6 → 1 の7本の線が表示されています。
上記チャートの場合は、底値からの反発に対し、上昇の反発力がなかったため、一旦反発するも、23.6%ラインで何度も上昇を拒まれ、長期間、底値徘徊しています。
ただし、一度、このラインをブレークすると上昇に弾みがつき、一気に、61.8%戻しのラインまで上昇しています。
これからの上昇ターゲットとしては、78.6%戻し、100%戻しなどが、考えられます。
【参考】 TradingView(トレーディングビュー)
上記、チャート説明では、次世代のトレードチャートともいえる優れた分析チャート
TradingView(トレーディングビュー)を使用しています。
TradingViewを使うと、株式、FXが同一チャート上で見えるのは当たり前のこと、CFD、先物、仮想通貨、などあらゆるチャートがこのチャート一つで見れるので非常に便利。いくつもの金融口座にログインし、それぞれのチャートツールで分析する必要がないため、時間短縮につながります。
このTradingVeiwでは、チャート上にある、描画機能の赤枠のボタンをクリックすることでフィボナッチを簡単に描くことができます。フィボナッチ・リトレースメントをクリックした上で、天井と底を続けてクリックすれば、簡単に指標が描画されます。
ちなみにフィボナッチは非常に優れたトレーディング指標となり得るので、上図の通り、さまざまな分析ができるようになっています。ただし、使いこなしは難しいので、まずは「フィボナッチ・リトレースメント」をマスターしましょう。
なお、Tradingviewでなくとも、国内、株式・FX・仮想通貨などの取引ツールには、ほぼ、フィボナッチ・リトレースメントの描画が備わっているので、まずはそれを使ってみましょう。
まとめ
常に正確にフィボナッチ・リトレースメントの押し目・戻し予測が当たるわけではありませんが、自分の予測の信頼性を確認する一つの方法としては非常によく機能するので、是非、相場のセンスを高めるためにも活用してください。