金価格が史上初の1g1万円を突破。その背景は?

2025年10月10日:トランプ大統領の対中警告で市場が大荒れ🌀
しかし、金融市場は再び上昇をしています。

何が起きたのか、現状はどうなのか、そして、今後をまとめます。

[スポンサーリンク]

金融市場暴落、何が起きたのか?

🔥2025年10月10日、トランプ米大統領が突如、中国に対して以下の強硬措置を発表しました:

• 中国製品に100%の追加関税(既存の30%に加え、合計130%に)
• 重要ソフトウェアの対中輸出規制
• 実施予定は2025年11月1日から

この発表は、中国がレアアース(希土類)を含む製品の輸出規制を強化するという通告に対する報復措置とされています。

市場への影響


SP500(日足)

トランプ氏の発言直後、世界の金融市場は大きく動揺。
株など、上昇過熱気味だった相場が「調整のきっかけ」を探していたタイミングと重なり、ポジション解消によるパニック売り😱が加速しました。

その後、トランプ氏はSNSで「米国は中国を助けたいのであって、傷つけたいわけではない」と投稿し、融和的な姿勢を示したことで、一旦安定を取り戻したものの、市場価格はもとには戻っていません。

2025年10月10日のトランプ大統領による対中追加関税発言によって急落した各市場の下落率と、10月15日時点での回復率は以下の通り。

※1 10/9終値→10/10最安値
※2 10/10最安値→10/15終値

市場10/9終値10/10最安値10/15終値下落率※1回復率※2
S&P5004,5084,3854,472-2.73%+1.99%
NASDAQ10025,098.1824,207.1524,750.25-3.54%+2.24%
日経平均48,580.4447,962.6148,394.76-1.27%+0.90%
ビットコイン109,883104,000112,984-5.35%+8.63%
金価格(円/g)21,80521,70822,452-0.44%+3.42%
米長期金利4.148%4.032%4.025%-2.79%-0.17%

S&P500とNASDAQ100:
急落後、徐々に反発。
NASDAQはテック株中心のため下落幅が大きかったが、回復も早く。

日経平均:
日本独自の要因で下落は小さめ。

ビットコイン:
週末も取引されるため、急落後すぐに反発。
ボラティリティが高く、最も回復率が大きく。ただし、10/16に再び下落

米長期金利:
金利は逆に下落(=債券価格は上昇)
その後やや反発したものの、全体的には低下傾向

安全資産として買われた「金」


ドル建て金価格(長期チャート)

金価格、最高値更新

金価格はリスク回避の動きから大きく上昇。

10月10日以降も上昇続き、15日にはさらに大きく上昇。
2025年10月15日、ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物価格は1オンスあたり4,200ドル超を記録。史上最高値を更新しました。

年初からの上昇率は50%以上に達し、円建てでも1グラムあたり22,000円超と過去最高水準に至っています。

金価格上昇の要因

金価格上昇の要因はが様々重なっています。
🌍 地政学リスクの高まり:米中摩擦や世界各地の緊張が「安全資産」としての金需要を押し上げ
💰 中央銀行の大量購入:中国などが金を積極的に買い増し、需給が逼迫
🏦 米金融政策の転換:FRBの利下げで実質金利が低下し、金への投資が加
📉 米ドル安:ドルの下落により、相対的に金の価値が上昇
🇯🇵 円安と国内インフレ懸念:円建て金価格が上昇、日本でも個人投資家の需要が増加

さらに、
🔮 強気の今後の見通しも。
ゴールドマン・サックスは2026年末に4,900ドル到達の可能性を示唆。
その他一部で、5,000ドル突破の予測もあり、強気な見方が広がっていることも、買い要因に。

ただし、急騰後の調整や利上げ再開、地政学リスクの緩和などが起これば、価格が下落する可能性もあるため注意が必要です。

現状:一旦落ち着く

10月10日以降、トランプ大統領は軟化の姿勢で、株式・リスク資産の反発、また、米10年債利回りは直近、レンジ内で上下しながらも急激な動きは控えられています。

しかし、トランプ氏発言が再燃する可能性、政策見通しの揺らぎを怖がる投資家も見られます。

また、一方で、市場参加者の中には、これまでの上昇を “バブル的過熱” と見なす慎重論も出始めており、過度な楽観を否定する声もあります。

落ち着きを取り戻しつつあるが過度な安心は禁物です。

今後のリスク・注意点

市場が一時的に落ち着きを取り戻しているとはいえ、先行きを左右しうるリスク要因は複数存在します。
以下、特に注意すべきものを列挙しておきたいと思います。

政策・トランプ発言の振れ戻し 最大の不確実要因
トランプ氏が再び対中強硬姿勢を取る可能性が残る。
報復措置や輸出制限が再発すれば、供給網混乱とハイテク・素材セクターへの逆風に直結。

政策の不確実性
FRBが慎重姿勢に転じると、金利低下期待が後退し、債券利回り上昇や株価圧迫を招く。

企業収益の伸び悩み
コスト上昇や景気減速で利益成長が鈍化し、株価の上値を抑えバリュエーション見直し圧力に。

地政学・予期せぬショック
中東・台湾などの緊張拡大でリスクオフが加速し、安全資産への資金流入が急増。

最後に

昨今、株価も金も急騰し、資産をアホになって持ち続ける「アホールド戦略」の有効性を実感する人が多いと思います。
しかし、多くのだからこそ、忘れてはならないのが金融市場の本質的な不確実性です。

持ち続ける強さと、揺れ動くリスクの両面を理解しながら、冷静な視点と柔軟な戦略で向き合う。

このことを忘れないようにしたいと思います。