日経平均が史上初49,100円台へ。第2のアベノミクス、狙えるか? サナエノミクス相場の行方を読み解く(2つの政策の違い など)

2025年10月21日、東京株式市場で日経平均株価は49,316円01円で引け。
連日で過去最高値を更新。一時は700円超の上昇で心理的節目「5万円」に接近しました。

市場はかつての“アベノミクス相場”を彷彿とさせる熱気に包まれています。

この急騰の背景にある政治・経済の動きと、投資戦略について、確認しておきます。
※昨日記事をアップデート

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日経平均の上昇要因(10/21)


日経平均:日足

米中関係の緊張緩和
20日の米株式市場でダウ平均が+515ドル(+1.11%)と大幅上昇
トランプ大統領が「中国との関係は良好」と発言し、貿易協定への期待が高まる
→投資家心理が改善し、日本市場にも好影響

国内政局の安定感
自民党と日本維新の会が連立政権に合意
→ 高市早苗総裁が史上初の女性首相に選出される見通し
→ 財政拡張・金融緩和政策への期待が株高を後押し

5万円手前で利確売りに押される

10/20の+1,600円の上昇要因は、史上初の女性首相誕生の見通しからのモノでした。
本日も700円以上上げる局面がありましたが、
午後、高市氏の首相選出が報じられると「材料出尽くし」との見方から短期筋の利益確定売りが発生しています。

日経平均50,000円は、大きな節目。本日時点では「上ヒゲ陰線引け」となっています。
49,500円~50,000円が大きな抵抗帯となることは、避けられないでしょう。

保有株を持ち続けるか、利確するかー。
悩ましく感じる人が多いのではないでしょうか。

ちなみに私は保有株をどうしているか
急騰したソフトバンク株も含めて、私は売っていません。

理由は、私自身の投資メンタルにあります。

過去の経験から、「高値で売ったあと、怖くて買い戻せなくなる」ことが多く、結果としてその後の上昇トレンドに乗り損ねてしまうから。そして、ようやく「買い戻す」と、株価が下がり始めてしまい、結局損失を抱えてしまう。

そんな流れが何度もあって、メンタル的にかなりきついからです😓

「サナエノミクス」と「アベノミクス」

高市早苗氏と安倍晋三元総理の関係は、政治的な師弟関係とも言えるほど深いものでした。
以下の本を読んでも、「安倍晋三氏の死」が強いトラウマとなったことを語っており、安倍イズムの継承者」です。

【比較】「サナエノミクス」と「アベノミクス」

彼女の掲げる経済政策「サナエノミクス」は、アベノミクスの進化版とも言われていますが、その中身と優先順位には明確な違いがあります。

項目アベノミクス(安倍政権)サナエノミクス(高市政権)
実施時期2012年〜2020年2025年〜
※2025年10月4日:自民党新総裁に選出
経済環境デフレ下インフレ下(物価高)
3本の矢 ①大胆な金融緩和
②機動的な財政出動
③民間活力を引き出す成長戦略
①金融緩和の継続
②緊急時の機動的な財政出動
③大胆な危機管理投資・成長投資
政策の軸景気回復と雇用創出経済安全保障と国土強靭化
財政方針PB(プライマリーバランス)重視純債務残高対GDP比重視
(PBルール凍結)
成長分野民間主導の成長戦略国家主導の経済安全保障分野
(防衛・半導体・エネルギーなど)
投資対象広範な産業支援特定分野への集中投資
(防衛、AI、サイバー、宇宙など)

違いのポイント

1️⃣ インフレ下での政策運営
物価高と家計支援を重視しつつ、金融緩和は継続。

2️⃣ 経済安全保障を中核に据える
防衛・半導体・サイバーセキュリティなど、国家戦略に直結する分野へ重点投資。

3️⃣ 財政運営の転換
PB黒字化目標を凍結し、「純債務残高対GDP比」を重視。必要な投資には積極的に財政出動。

財政方針転換のメリット・デメリット

個人的に気になるのは、3️⃣財政方針転換のデメリットです。

メリット
• 柔軟な財政出動が可能になる
• 成長重視の政策が実行しやすくなる
• デフレ脱却や景気回復に寄与

デメリット・リスク⚠️
• 財政規律の緩み → 財政赤字の拡大懸念
• 国債の信認低下 → 金利上昇・円安リスク
• 将来世代への負担増 → 社会保障や税制への影響

第2のアベノミクス、狙えるか?


日経平均:長期

注目を集める経済政策「サナエノミクス」。
その内容や市場の反応が、かつての「アベノミクス」に酷似していることから、「第2のアベノミクス」とも。

日経平均は高市氏の総裁選勝利後、史上初の49,000円台に突入。
「サナエノミクス銘柄」と呼ばれるテーマ株が軒並み上昇。防衛、AI、宇宙、エネルギー、半導体など、政策の恩恵が期待される分野に資金が集中しています。

上記チャートは、アベノミクス相場を含む日経平均チャートですが、2025年の上昇(高市新総裁誕生前から上昇)が目を見張ります。

投資戦略のポイント

テーマ株の選定がカギ
政策支援が見込まれる分野(防衛・半導体・AI・エネルギーなど)は、中長期で注目。
📌ただし、あまりに急騰していることもあり、既に買いにくいのも事実…

財政出動による需要創出
インフラ整備や研究開発支援など、企業の業績向上に直結する政策が多く、業績相場への移行も期待。

⚠️ 過熱感と政策リスクには注意
急騰後の反動や、政策実行の遅れ、政局の不透明感には要警戒。

📝まとめ

サナエノミクス」は、アベノミクスの再来というよりも、新たな経済環境に対応した“進化版”の成長戦略。
投資家にとっては、政策の方向性を見極め、関連テーマへの分散投資や中長期的な視点での銘柄選定が求められる局面です。

最近は、日本国内外の要人発言で簡単に相場が動きます。

今後の政策発表や国会での議論の行方にも注目しながら、柔軟かつ戦略的な投資判断を心がけたいですね。