
2025年9月10日、日経平均株価の任継平均は、連日で最高値を更新。
背景にあるのは、米国雇用統計の下方修正によって「利下げ期待」が急速に高まり、世界的に株式市場へ資金が流入したことです。
でも、 そもそも「利下げで株が上がる」ってどういうこと?
本記事では、以下をわかりやすくまとめてみます。
✅ 利下げで株価が上がる仕組み
✅ 利下げが「朗報」か「警告」かを見極めるポイント
✅ 今回の日経平均最高値の背景
✅ 次回FOMCまでの注目イベント
目次
2025年9月10日の日経平均
• 日経平均株価続伸、終値で史上最高値更新(43,837円、前日比+378円)
• 前日の米ハイテク株高を背景に海外投資家による主力のAI関連銘柄や株価指数先物への買い
• 石破首相の辞任表明以降、市場では次期政権への期待が先行
昨今の日本株の上昇は、次期政権への期待がありますが、それは、全世界の株価に大きな影響を与える米国株式の上昇があってこそです。
なぜ利下げで株価が上がるのか?
利下げとは、中央銀行が政策金利を引き下げること。
特に米国のFRBが利下げを行うと、世界中の株式市場に大きな影響を与えます。
利下げが株高につながる理由は、主に3つです。
1️⃣企業の資金調達コストが下がる
• 金利が下がると、企業は銀行から安く資金を借りられる。
• 設備投資や研究開発が進み、将来の利益拡大が期待される。
• 成長期待を見込んで株式が買われやすくなる。
2️⃣債券の魅力が低下し、株式へ資金がシフト
• 利下げで国債などの利回りが低下。
• 相対的に株式投資のリターンが魅力的に映り、資金が株式市場に流入する。
3️⃣割引率が下がり、株の理論価値が上がる
• 株価は「将来利益の現在価値」で決まる。
• 割引率(=金利)が下がれば、理論的な株価は上昇する。
利下げは「朗報」か「警告」か?見極めポイント
利下げは必ずしもポジティブとは限りません。
その背景次第で、株価への影響が正反対になることもあります。
タイプ | 内容 | 市場への影響 |
---|---|---|
⭕️予防的利下げ | 景気減速の兆しに先回りして緩和する措置 | 株高につながりやすい |
⚠️ 対処的利下げ | すでに景気が悪化しており、後追いで緩和する | 株安につながることも |
見極めポイント
• 利下げが「予防」なのか「対処」なのかを読み解くことが重要。
• 市場の折り込み度合いも大事
• 利下げがすでに市場に織り込み済みの場合、実施後に「材料出尽くし」で株価値下がりも
• サプライズ利下げなら、ポジティブに反応する可能性が高い。
• 利下げがインフレ懸念とセットなら、通貨安や物価上昇のリスクも。
現在の利下げ期待は「朗報」か?
今回の米雇用統計の下方修正は、
• 景気過熱ではない → インフレ懸念が和らいだ
• FRBが予防的に利下げに動ける → 成長を支える政策余地がある
という点から、市場は「朗報」としてポジティブに解釈。
👉米国株が上昇し、連動する形で日本株も買い優勢に。
次回FOMCと注目イベント
次のFOMC(米連邦公開市場委員会)は、
• 2025年9月16日(火)〜17日(水)[米国時間]
• 日本時間では 9月18日(木)午前3時頃に政策金利が発表予定
• 四半期ごとの経済予測(ドットチャート)も公開され、市場に影響を与える可能性。
市場は、雇用統計の下方修正やCPI(消費者物価指数)の結果を受けて、利下げの可能性を織り込みつつあります。
以下、FOMCの動向に深く関連しそうなイベントをまとめてみました。
📅 2025年9月|FOMC前後の米国経済指標カレンダー
日付 | イベント・指標名 | 発表時間 | 注目ポイント |
---|---|---|---|
9月11日 | 消費者物価指数(CPI) | 21:30 | インフレの基準指標。利下げ期待に直結 |
9月12日 | ミシガン大学 消費者信頼感(速報値) | 23:00 | 消費マインドの先行指標。株価に影響 |
9月16日 | 小売売上高 | 21:30 | 個人消費の強さを測る指標 |
9月16日 | 鉱工業生産・設備稼働率 | 23:00 | 景気の実体を示す指標 |
9月17日 | 住宅着工件数・建設許可件数 | 21:30 | 金利感応度が高い住宅市場の動向 |
9月18日 | FOMC政策金利発表 | 3:00 | 利下げの有無・ドットチャート好評 |
※日本時間
✍️ まとめ|利下げ相場の見方
• 利下げは「企業の成長」「資金の流入」「理論価値の上昇」を通じて株高につながる。
• ただし、利下げの背景が「予防」か「対処」かで意味は大きく変わる。
• 今回のケースは「朗報」と受け止められ、日経平均は史上最高値を更新。
• 投資判断では「金利の動き」だけでなく「その理由」を読み解くことが不可欠。
📌短期的な株価上昇に惑わされ過ぎないように!
中長期的には「実体経済と企業業績」をチェックする視点も大事