マーケットの魔術師の一人、トム・バッソ氏。
「ミスター冷静沈着」とも呼ばれ、書籍「魔術師に学ぶFXトレード―プロ化する外国為替市場への普遍的テクニック」の中で、「手仕舞いとポジションサイジングだけさえ正しければコイントスの表か裏かでロングかショートを決めても利益が出せることを証明」しているすごい方です。
さて、そのバッソさんの言葉にシステムトレード(bot売買)に関係する興味深い言葉があります。
私も過去にFX×MetaTrader4で自動売買をしていたことがありますが、当時を振り返ると彼の言葉が納得できます。これは仮想通貨の自動売買でも当てはまる「あるあるネタ」です。
トム・バッソ氏の言葉:システムトレード編
以下、トム・バッソ氏のシステムトレードに関しての言葉です。
・今まで開発されたどんなシステムも、その手法にとって最も有効な過去のデータを使って売買の経過を説明しているので、素晴らしいものに見える
・過去のデータによるパフォーマンスを優れたものにしようと、システム開発者はよくアルゴリズムを非現実的なくらい制限の多いものになり、売買量や儲けが大きく減ってしまう
簡単に言えば、最初は自動売買ラクチン!と思ってトレードし始めても、含み損や損切が膨らみ始めると、途端にそのシステムに疑心暗鬼になり、自動売買を停止してしまうのです。
また、損切や含み損を減らすべくプログラミング改造をすると、制約だらけになってしまって、損失は出にくくなるかもしれないけど、利益も少ないといったシステムになってしまうという、悩ましいジレンマにもぶち当たります。
システムトレードの経験がある方なら納得できるのではないでしょうか。
システムトレードも万能ではない。成功するには使い方がある
私が上記で言いたかったのは、システムトレード、自動売買はよくないということではありません。
裁量トレードに一長一短があるように、システムトレードにも一長一短があり、正しく使わないと損するということです。けっして24時間売買し続けてくれる夢のツールではありません。しかし、そのロジックの特性を十分理解し使えば、働き続けられない人間に変わってしっかり仕事をしてくれる頼もしい相棒になれます。
さて、バッソさんですが、有名著作「禅トレード」にて、冷静に投資をするためのメンタルの話を中心に彼の持論を語っています。
その中で、彼が「投資で成功する3条件」を次のようにまとめています。
- 投資を始めるときとやめるときの戦略を持っていること
- うまくいくだろうと思っていた投資がうまくいかないとき、自分の資産を守るリスク管理や資金管理の対策があること
- 自分をよく理解し、自分の置かれた状態、使えるリソース、そして自分の性格に合った投資戦略を組み立てていること
上記3つの中でも、投資で成功するために最も大事なことは「3」。
決して裁量トレードの話だけではありません。システムトレードとて同じです。
システムトレードは、1をプログラミングしたものであり、優れたシステムトレードなら2についてもしっかり戦略がプログラミング化されているでしょう。しかし、3つ目は自分自身の問題です。自分に合うか合わないか、どのぐらいの損失なら許容できるのか、そして、ロジックの特性を自分なりちゃんと理解して使っているかは、自分自身の問題です。
マーケットで勝つためには「メンタル」が非常に大事。是非とも学ぶべきです。