【書評/感想】いのちの初夜(北條 民雄 著)(★5) 死の病に絶望した著者が描く「いのち」は、読者の心を強く打つ 文学界賞 受賞作
『いのちの初夜』は、北条民雄の短編小説。文豪・川端康成にその才能を見出され雑誌『文學界』(1936年2月号)に掲載。第2回文學界賞、さらに、芥川賞の候補にもなった作品です。 『NHK 100分de名著・・・
『いのちの初夜』は、北条民雄の短編小説。文豪・川端康成にその才能を見出され雑誌『文學界』(1936年2月号)に掲載。第2回文學界賞、さらに、芥川賞の候補にもなった作品です。 『NHK 100分de名著・・・
ディストピア・近未来小説の最高峰 、ジョージ・オーウェルの「1984」。 1984年は今となっては過去ですが、オーウェルが作品を発表したのは1949年。その時点から、全体主義により監視社会化した近未来・・・
最初の数ページ読むだけで、これは小説なのか?ルポルタージュなのか?と、そのリアリティがありすぎるストーリ展開に引き込まれてしまう芦沢央(あしざわ よう)さんの小説「火のないところに煙は」。 本作は、作・・・
ふがいない僕は空を見た―。 タイトルがカッコイイ。そう思って手に取った本作。タイトルにふらふらと惹かれて、数ページ、読み始めて驚くことになる。その舞台設定と性描写に… 本作は5編の短編から・・・
傷つきながらも懸命に生きる女性たちを描き、多くの人の心をつかんでいる町田そのこさん。 私にとって町田そのこさんの作品は、『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』に続いて2冊目ですが、『宙ごはん』も、前作同様・・・
8月15日は「終戦の日」。 先の大戦において亡くなられた戦没者を追悼し平和を祈念する日です。 1941年、日本軍がハワイ真珠湾の米軍の施設を襲撃。その後、戦局は悪化し、日本本土も戦場に。1945年8月・・・
公園のベンチでクリームパンを食べる「むらさきのスカートの女」はちょっと変わった女性。 〈わたし〉は、「むらさきのスカートの女」が気になって仕方がない。日々、彼女を観察しています。 この小説では、〈わた・・・
突然、海外出張・旅行・留学中に故郷の島国 日本が消滅してしまったら… あなたは、どう生きていきますか?生きていく自信がありますか? 今回紹介する、『犬婿入り』で芥川賞受賞歴を持つ 作家 多・・・
人生100年時代が現実となった今、老後どう生きるかは、大きな課題。 薄汚いジジババとして生きるか、心も体も快活に生きるか――。 人生が長くなればなるほど、老後の二極化も拡大。「すぐ死ぬんだから」を免罪・・・
小説「月の満ち欠け」は、生まれ変わっても愛するあなたに逢いたいという思いが、数十年の時を経てつながっていく、決して甘くはないけどラブストーリー。作者は佐藤正午さんで、2017年に第157回直木賞受賞、・・・
私は美術館に行くのが好きです。 直近では、金沢に旅行に行った際に、金沢21世紀美術館に行ってきました。 そんな、私ももともと美術館が好きであったわけではありません。美術・デザインの本、歴史・偉人の本に・・・
戦争の悲惨さを描いたピカソの名画『ゲルニカ』 白黒で描かれた泣き叫ぶ女、死んだ子供、いななく馬、振り向く牡牛、力尽きて倒れる兵士…、 1937年4月26日、スペイン北部のゲルニカがドイツ空・・・
想いのつまった手紙、真剣に書いた手紙の「言葉」には力がある。 昨日は、10年前の自分から届いた手紙が、人生につまづき、毎日悶々とした気持ちで過ごしていた受取人たち心に火を灯す小説「株式会社タイムカプセ・・・
遠藤周作の代表小説『海と毒薬』。 1957年に発表された小説で、第5回新潮社文学賞、第12回毎日出版文化賞受賞作を受賞しています。 本小説の舞台は太平洋戦争期。戦争末期、当時の九州帝国大学で起きたアメ・・・
遠藤周作の戦後日本文学の金字塔、『沈黙』(ちんもく)。 第2回谷崎潤一郎賞を受賞し、今なお読み継がれている日本文革の名著です。 舞台は。17世紀、江戸時代初期のキリシタン弾圧の長崎。実在したポルトガル・・・