2026年1月末から2月初旬にかけて、金市場では、短期間で大幅な価格下落が発生しました。
過去数年と比較しても大きな値動きとなり、市場関係者や投資家に強いインパクトを与えています。

大きな動きとなったので、備忘録として、
その背景や要因、今後の見通しを整理します。
銀(シルバー)の動向についても簡単にまとめます。

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そもそもの背景 | なぜゴールドは上昇したのか

近年、世界では中央銀行による金融緩和が続き、
お金が余っている状態(過剰流動性)」が続いています。
その結果、株式だけでなく、

  • 金・銀
  • 原油・銅
  • その他コモディティ(資源)

といった実物資産にも資金が流入し、価格が上昇しています。
2025年にコモディティ投資への関心が高まったのも、この流れの一部です。

資金が溢れる結果、
「最終的に価値を守れる資産は何か?」を投資家が考え、
その結果、形のある資産=実物資産に資金が流入しました。

紙幣やデジタルマネーと違い、金や資源は「現物としての価値」があります。
そのため、インフレや通貨不安が意識される局面では、評価されやすくなります。

2025年月末の金(ゴールド)急落の背景


2025年以降、金価格(ドルベース)

  • 1月30日、1日で約8〜12%の大幅安を記録
  • 高値圏から一気に5,000ドル割れする調整局面へ
  • 取引量の急増とボラティリティ拡大

この動きは、単一の要因ではなく、複数の材料が重なった結果と考えられています。

1️⃣FRB人事・金融政策観測の変化

米国のFRB(連邦準備制度理事会)次期議長人事を巡る報道をきっかけに、
金融引き締めが長期化するとの見方が強まりました。

米大統領が新FRB議長に指名したのは、ケビン・ウォーシュ氏。
市場では「利下げが進みにくい」「金融引き締め観測が強まる」との見方が浮上。

これにより、

  • 米ドル高
  • 金利低下期待の後退
  • 無利息資産である金の魅力低下

といった流れが発生し、売り圧力につながりました。

2️⃣ 過熱相場の調整・利益確定売り


2003年~金価格(ドルベース)

金の一本調子の上昇は、2022年から始まり、金相場は“過熱状態”。
このため、一部投資家が利益確定売りに走りやすい局面にありました。
そこに、1️⃣のニュースが出たことで、下落が加速しました。

3️⃣ レバレッジ取引の解消・強制決済

さらに、重要な支持線を割り込んだことで、テクニカル売買も活発化。
先物や証拠金取引におけるレバレッジポジションの解消も、急落を増幅させました。

  • 追証発生
  • ロスカットの連鎖
  • 強制決済の増加

が発生し、売りが売りを呼ぶ展開となりました。

【現在】市場環境とセンチメント

急落後の市場では、不安定な値動きが続いています。
投資家心理は慎重姿勢に傾いており、様子見ムードも強まっています。

本日もボラティリティは高いまま。3~4%です。
当面は、金融政策関連のニュースに強く反応しやすい相場環境が続きそうですね。

今後の見通しと注目ポイント

📌大事なのは、ここからです。

近年、各国の中央銀行はドルへの依存を少しずつ減らしています。
「ドル離れ」を起こしています。

その対策として、多くの国が金の保有を増加させています。
金は特定の国に依存しない資産であり、「最後の安全資産」となります。

今後、金融市場を見るに当たっては、次の3点を意識しておきたい。

  • 市場には資金があふれている
  • 通貨への信頼が揺らいでいる
  • 資源が戦略物資になっている

個人的には、「ドルを刷る限り、金価格は上昇する」と思っているので、
調整が一巡すれば、買い増したい気持ちがあります。

そこで、今後、注視しておきたいことをまとめておきます。

米ドル・金利動向が鍵

今後の金価格を左右する要因は、米国の金利政策とドルの動向

  • 利下げが進めば金にとって追い風
  • 引き締め姿勢が続けば下押し圧力

📌FOMCに注視が必要です。

ただし、コモディティの価格は、金融政策だけで決まらない

コモディティの価格は、金融政策だけで決まりません。
以下も影響します。

  • 生産量
  • 需要と供給
  • 地政学リスク
  • 紛争や制裁

これらはすべて、現実世界の動きに直結。
👉インフレ対策や分散投資として、再評価されるのは自然な流れ。

資源は重要な「国家戦略」に

現在、資源は単なる投資対象ではなく、国家の安全保障と直結する存在になっています。
米中対立の長期化や世界の分断により、

  • エネルギー
  • レアメタル
  • 重要鉱物

の確保が、国の重要課題に。
👉グリーンランドや中東、北極圏などを巡る動きも、すべて「資源確保」の一環。

これらをふまえ…
急落後は、値動きが不安定になりやすく、短期的な上下動が続くでしょう。
しかし、社会の構造が変わらない、むしろ、主要国の保護主義・全体主義的な動きが進む中で、逃避先としての「金」の重要性は変わりません。

しかし、現在は、数年前と比べると十分な高値。
こんな中で、ストレスを増やさず買うには、やっぱり「コツコツ積立投資」なんですかね…

全く面白くない結論ですが、それが現実的なのでしょう。

銀(シルバー)の動向について


2003年~銀価格(ドルベース)

折角なので、銀(シルバー)の動向の動向も確認しておきます。
今回の局面で、銀(シルバー)は、一時 30%以上の下落を観測するなど、価格変動が非常に激しい状況となりました。

銀の下落要因は、金と共通する金融政策要因に加え、レバレッジ取引の影響や工業需要の見通し変化が重なった点にあります。

元々、銀には以下のような特徴があります。

  • 金より価格変動が大きい
  • 投機資金の影響を受けやすい
  • 工業需要の影響も大きい

銀は金よりもボラティリティが高く、金以上に上級者向けです。
中長期では工業需要の回復が重要なポイントとなります。

長らく、私のポートフォリオに銀はありません。
ただ、ジム・ロジャーズ氏の本を読むと、押さえておきたくるコモディティであることは間違いありません。

最後に

金は中長期的な安全資産としての価値を維持していますが、短期的には不安定な相場が続く可能性があります。

急落で買い増そうと焦りすぎることなく、少し動向を見たいと思います。