毎月1万円まで電気代がタダな「タダ電」。なぜタダ? 我が家は利用でお得?過去2年分の電気使用量をもとに計算してみた

毎月の自宅の電気代が1万円までタダ(無料)になる電気会社「タダ電

2023年5月末に「毎月1万円まで電気代がタダ!」をうたい料金プランを発表して登場しましたが、9月1日から無料となる範囲を月に最大6500円までに変更しました。

サービス当初、申し込んでみたのですが、時すでに遅し。申込殺到で申込受付を既に打ち切っていました。

事業は奉仕ではありませんので、当然、、「タダ」にはタダなりの訳があります。タダの上限枠が狭まったことで、さらに、利用してお得になる利用者は狭まったことになります。

現在は、100kWhが無料上限であり、東電なら1か月の電気代がおおよそ3,730円です。また、200kWh超えるとタダ電の方が一気に割高になるので注意が必要です。

以下は、5月31日時点、「1万円までタダ」を前提に、我が家の場合で、利用に値するかを検討してみた結果です。条件設定が変わっていることを前提に、参考にしていただければと。

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タダ電:サービスとビジネスモデル

タダ電:サービスとビジネスモデル

なぜ、電気が月1万円までタダで使えるのか?まずは、ビジネスモデルを理解する必要があります。

タダ電のビジネスの仕組み

タダ電のサービスを簡単にまとめると以下の通り。

タダ電:サービスの特徴

・家庭向け電気プラン
毎月10,000円まで電気代がタダ
10,000円以降は利用料に応じて支払いが発生
・切り替え工事や費用も不要、面倒な書類送付な
・基本料や解約料も無料。違約金、解約手数料もなく、気軽に乗り換えが可能
・専用アプリ(現在はiOSのみ)から申し込み

なぜ月1万円まで電気代がタダなのか

なぜ、毎月10,000円まで電気代がタダなのか、その理由は2つ(というか、大きく1つ)

月1万円まで電気がタダを実現する仕組み

❶1kWhあたり65円
 ※これに燃料費調整額や再エネ賦課金が上乗せ(東京電力などと同じ)
❷広告による収入

1kWhあたり65円という電気料金単価は、電力会社との契約内容によりますが、旧電電の2倍ぐらいになります。
東京電力の電気料金

つまり、タダ電は、基本的に、電気をたくさん使う世帯+広告収入で利益を得る収益モデルです。電気をあまり使わな世帯の利用ばかりが増えると、ビジネスは成り立たなくなります。

ちなみに、我が家の契約の場合は、以下のようになり、1kwhの電気料金単価が非常に高いことがわかります。

電力会社東京電力
契約内容従量電灯B :電力量料金 120kWh-300kWh(第2段階料金)
1kwhの単価2023年5月31日まで26.51円 ⇒タダ電は2.45倍
2023年6月1日から36.30円 ⇒タダ電は1.78倍

なお、2023年6月1日から旧電電の電気代は値上げになります。詳細は、以下の記事をご確認ください。

燃料費調整額、再エネ賦課金も考慮する必要あり

実際には、電気料金単価65円だけでなく、燃料費調整額、再エネ賦課金も考慮する必要があります。

ちなみに、我が家の毎月の電気代請求で確認したところ、東京電力(2023年5月)の場合、

燃料費調整額:-1.87円(政府支援による、なければ7.91円)
再エネ賦課金:1.4円
※上記数字は、変動する数値(過去実績では、数カ月継続後、変化してきた)

今後変動することも鑑みて、1kwの電気料金単価を65+7.91+1.4=74.31円とすると、単純計算で、タダ電利用の場合、134.6kW(=月10,000円÷74.31円)使用すると料金が発生することになります。

タダ電利用で電気代は抑えられるか(我が家の場合)

ココからは、タダ電の電気料金単価を、各種調整料込々で、1kw当たり74.31円、月の電気使用量が135kWを目安に、我が家の場合、利用メリットがあるか、調べてみます。

電気使用量が135kwを超えた月

上記は我が家の電気代・電気使用量の2年間の推移です。

我が家の場合、睡眠の質を重視してエアコンをつけて寝るため、夏の電気代が冬より高くなります。

さて、過去2年の電気使用量を調べてみたところ、タダ電使用のポイントとなる135kWを超えたのは月は、次の通りでした。

2021年6月~2022年5月まで:7月、8月、12月~4月(夏と冬)
2022年6月~2023年5月まで:7月、8月、9月(夏のみ)

夏と冬はアウト。ギリギリラインの月もそこそこあります。

結局のところ、エアコンをどのぐらい使うで、電気代が変動。夏の冷房、冬の暖房をどこまで押さえられるか次第です。

エアコンの電気代、電気代を下げる方法は、以下を参考にしてください。

【参考】我が家の直近の冬の電気代が下がった理由

我が家の直近冬の電気代は、その1年前に比べて、かなり電気代が下がりました。

理由は、ものすごく単純で、「寒いのは下半身だけ」と気づき、下半身を温める家電を購入・利用することで、あまりエアコンを使わなかったから。マンションには一定の気密性があるため、上半身はユニクロあったかウェアを着ていると実は、思うほど、寒くなかったのが理由です。結果、国&電力会社の節電プログラムで「5,266円相当のポイント」も獲得し、家電購入代もペイしました。

月の料金が発生しても得か

電気代がタダなら嬉しいですが、タダでなくても、東京電力より、電気代が安くなるのであれば、タダ電に乗り換えのメリットがあります。

そこで、東京電力の各種調整量を加えたもろもろの電気料金単価を1kw当たり36.3円(=36.6-1.87+1.4)で計算して比較してみると、圧倒的にタダ電の方が安くなりました(タダ電の方が月の料金が高くなったのは、2年間で1回だけでした)。

今後、電気代値上げや各種調整金がどのようになるかは、不明ではありますが、上記条件を前提にするなら、我が家の場合は、切替を検討してよさそうです。電気代が高くなると思うと、意識的な節電効果も期待できそうです。

【まとめ】タダ電利用でメリットがあるご世帯

さて、最後に、タダ電利用でメリットがありそうな世帯をまとめておきます。

タダ電利用で電気代が下がる世帯

・単身世帯
・2人以上の世帯でも、日中は誰も家にいない
・出張・旅行で、自宅を留守にすることがある
・別荘など、普段使わない家を持っている
・ソーラー発電などの発電で、ある程度電気を賄っている

なお、電気代は、各家庭の電気の利用状況によります。まずは、ご家庭の年間の電気代を調べてみてください。なお、電気代をみる場合は、1年だけ見るのではなく、2年分を確認して、同じような傾向があるか確認の上、ご判断下さい。

また、上述した通り、タダ電は、基本的に、電気をたくさん使う世帯+広告収入で利益を得る収益モデルなので、電気をあまり使わない一人暮らしの人ばかりが殺到したら、ビジネスは成り立たなくなります。

その点も加味して、利用のご検討を!