ブロックチェーンについて勉強し始めると必ず目にする「ビザンチン将軍問題」。
ブロックチェーンを勉強をする際にこの問題が取り上げられる理由は、これまでコンピュータサイエンスで「解がない」とされていたこの問題に対し、ブロックチェーンが解を見出したから。だからこそ、分散化ネットワークでコイン/トークンのやり取りができるのです。
では、ビサンチン将軍問題とは何なのか?平素な言葉でまとめてみます。
目次
ビザンチン将軍問題とは
ビザンチン将軍問題とは、オスマン帝国の将軍たちが、ビザンチン帝国の首都、コンスタンチノープルを包囲して攻撃することを想定した意思決定の難問。「信頼できない者同士が集まって共同作業を行い、それでも裏切り者に陥れられないためには、どうしたらよいか?」という問題です。この難問に対し、ブロックチェーンはその難問に現実的な解を提示したのです。
ビザンチン将軍問題とは合意形成問題
「信頼できない者同士が集まって共同作業を行い、それでも裏切り者に陥れられないためには、どうしたらよいか?」という問題は難題です。
不正の起きない堅牢なシステムを構築したくても、システムの内部には必ず不正を働こうとする存在がいること前提にしなくては、リスクを回避できるような監視・抑制できる仕組みを組み込むことはできません。内部不正は、内部メンバーの合意形成の失敗といえますが、このような合意形成の失敗が起きることを「ビザンチン障害」と呼びます。
ブロックチェーンにおけるビサンチン障害対策
顔なじみの中で行われるネットワークですら不正は生じえます。誰がいるかもわからない分散型のネットワークともなれば、不正が起こることが大前提です。
ブロックチェーンのすごさは、これまでのネットワークでは構築しえなかったこの「ビザンチン障害」を回避する仕組みが基本技術の中に組み込まれていることです。
これを実現しているのが、ブロックチェーンの「新しい情報(ブロック)を追加するためのルール」です。このルールは「分散型合意形成アルゴリズム(コンセンサス・アルゴリズム)」と呼ばれ、複数のアルゴリズムが開発されています。
その一つが、ビットコインで採用されているアルゴリズム「PoW = プルーフ・オブ・ワーク」です。
プルーフ・オブ・ワーク(PoW)とは
昨年、ビットコインと共に認知度が高まったキーワードの一つに「マイニング」があります。
PoWを採用しているブロックチェーンでは、正しいブロック情報の処理=正式なブロックの追記作業を行うためには、膨大なPCリソースを使って難しい計算問題を解く必要があり、このブロックを最初に説いた人には、その対価として報酬が得られることになっています。これが「採掘(マイニング)」です。また、このブロック情報が書き込まれる取引台帳データを「ブロックチェーン」、追記作業が「ブロック生成」と呼ばれています。
では、どうして、分散化されて処理されるにも拘わらず、不正なくブロックが生成されていくのか?
それは、改ざんして不正を行う場合は、改ざん時点から全てのブロックの計算をやり直さなければなりません。しかも、他よりも圧倒的に早いスピードで正しい処理を行い、改ざん+現在進行中のブロックの計算も行わなければ、改ざんは実現しません。
つまり、改ざんするぐらいなら、現在進行中のブロックを誰よりも早く処理して報酬を得たほうがよほど効率的なのです。
仮想通貨取引所で起こる不正は仮想通貨自身の問題ではない
coincheckのXEM流出事件に見られるように、事件が起こると、「これだから仮想通貨なんて信用できないのだ」などと言われることがあります。しかし、これは仮想通貨そのもの、coincheck事件の場合は、XEM自身の問題ではありません。これは、あくまで取引所運営者のセキュリティの問題です。
しかし、このような悪事が起こると、世間の仮想通貨を見る目は冷ややかになり、マーケットも縮小してしまうのが現実です。このような事件をきっかけに、仮想通貨を取り巻く環境が整備され、堅牢なシステムにて運用されていくこと、そして再び、仮想通貨市場が元気になっていくことを願うばかりです。
7社が行政処分!業務改善命令を受けなかった取引所
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