【感想/あらすじ】ブラックボックス(砂川文次 著)(★4) 「ちゃんと」と「暴発的暴力衝動」。人・世の暗部を描く、芥川賞受賞作
ちゃんとしなくちゃー 人は多かれ少なかれ、ダメな自分に焦燥を感じて生きています。 今回紹介する、砂川文次さんの『ブラックボックス』は、「ちゃんとしなくちゃ」という思いとは裏腹に、「暴発的暴力衝動」で理・・・
ちゃんとしなくちゃー 人は多かれ少なかれ、ダメな自分に焦燥を感じて生きています。 今回紹介する、砂川文次さんの『ブラックボックス』は、「ちゃんとしなくちゃ」という思いとは裏腹に、「暴発的暴力衝動」で理・・・
人は、何度も人間関係に傷つく。しかし、再び誰かとつながり、誰かと心を通わせ、前に進む― 窪 美澄さんの小説『夜に星を放つ』は、死や別れなど、かけがえのない人間関係を失い傷ついた者たちが、再び誰かと心を・・・
元禄14年3月14日(1701年4月21日)朝、江戸城松の廊下において、赤穂藩主・浅野内匠頭が、高家・吉良上野介義央を斬りつけました。「松の廊下 刃傷事件」として知られる時代劇でも有名な事件です。 白・・・
2024年のNHK大河ドラマ『光るの君へ』。 私は、NHK大河ドラマをきっかけにして、歴史を学ぶのが好き。ドラマを楽しむだけでなく、関連書籍を読んだり、関係のある地に旅行に行ったりすると、歴史が楽しく・・・
「デフ・ヴォイス」=「ろう者の声」 丸山正樹さんの小説『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』は、17年前に法廷で耳に障害を持つろう者である容疑者に手話通訳したことがきっかけで、事件に巻き込まれていく、現・・・
宇佐見りんさんのベストセラー小説『推し、燃ゆ』は、2020年下半期の芥川賞受賞作。 推しアイドルがファンを殴って炎上…そして、芸能界引退。学業も学校生活も家庭も底辺で、ままならない人生に苦・・・
現代社会につきまとう息苦しさ。みんなと同じ、つまり、普通でないと、変な人・不快な人のレッテルを貼られます。 社会は男性差別・性的マイノリティなど、「多様性」を受け入れる時代に向かっていると言われますが・・・
「多様性・ダイバーシティが大切」。現代社会でよく聞くフレーズです。 多様性とは、集団において年齢、性別、人種、宗教、趣味嗜好などさまざまな属性の人が集まった状態のことです。そして、この多様性を大事に組・・・
小説『硝子の塔の殺人』は、知念実希人さんの本格ミステリー長編。 本屋大賞2022にもノミネートされ、Amazonでも多くのコメントがつく人気作品です。 いわゆる連続密室殺人ミステリーなのですが、先が知・・・
『いのちの初夜』は、北条民雄の短編小説。文豪・川端康成にその才能を見出され雑誌『文學界』(1936年2月号)に掲載。第2回文學界賞、さらに、芥川賞の候補にもなった作品です。 『NHK 100分de名著・・・
ディストピア・近未来小説の最高峰 、ジョージ・オーウェルの「1984」。 1984年は今となっては過去ですが、オーウェルが作品を発表したのは1949年。その時点から、全体主義により監視社会化した近未来・・・
最初の数ページ読むだけで、これは小説なのか?ルポルタージュなのか?と、そのリアリティがありすぎるストーリ展開に引き込まれてしまう芦沢央(あしざわ よう)さんの小説「火のないところに煙は」。 本作は、作・・・
ふがいない僕は空を見た―。 タイトルがカッコイイ。そう思って手に取った本作。タイトルにふらふらと惹かれて、数ページ、読み始めて驚くことになる。その舞台設定と性描写に… 本作は5編の短編から・・・
傷つきながらも懸命に生きる女性たちを描き、多くの人の心をつかんでいる町田そのこさん。 私にとって町田そのこさんの作品は、『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』に続いて2冊目ですが、『宙ごはん』も、前作同様・・・
8月15日は「終戦の日」。 先の大戦において亡くなられた戦没者を追悼し平和を祈念する日です。 1941年、日本軍がハワイ真珠湾の米軍の施設を襲撃。その後、戦局は悪化し、日本本土も戦場に。1945年8月・・・