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金融市場に大きな影響を与える<strong>米国長期金利(米国債10年物利回り)が2.78%まで上昇。私が想像していた以上に上昇大きく、重要なターゲットポイントである200月移動平均性に到達しました。

通常なら、200MAに到達したことで、一旦、下落に転じる可能性もありますが、超長期チャートで確認すると、最近の米国債10年物利回りの上昇は、これまでとは少し様子が異なるようにも見えます。

もし、トレンドが転換し、このまま長期金利が上昇するとなると、株・FXにも影響。特に、株式には悪影響が予想されます。

そこで、現在の状況を確認しておきたいと思います。

米国長期金利は2.78%まで上昇。200月移動平均線に到達

米国長期金利は2.78%まで上昇。200月移動平均線に到達

2022年になって米国債10年物利回りの上昇が続いています。上図は月足チャートですが、重要な指標である200月移動平均線水準2.7%も超え、2.78%まで上昇してきました。国債の利回りが上がるということは、国債が売られているということになりますね。

下図は過去40年弱の米国債10年物利回りの月足チャートですが、これまで利回りは一定のレンジ幅でチャネルを形成しながら、右肩下がりで低下をし続けてきました。しかし、直近の状況を見ると、米国債10年物利回りがチャネルを飛び出し上昇してきているようにも見えます。

直近では200月移動平均線という重要な水準に到達したことで、一旦、オーバーシュートをしても、下落する可能性もありますが、この長期にわたって続いてきた下落トレンド終焉して上昇トレンドがスタートしたとなると、大きな大転換となり、金融市場への影響は大きくなります。国債の利回り上昇は、セオリー的に、株価をはじめとして価格下落を招きます。

こうなってくると、私がざっくりと思い描いてきた投資シナリオとも大きく外れていくことになり、株式ポジションをもっと早期に減らしていく必要がでてきます。

今後の長期金利がどうなるか、通常以上に注視する必要があると考えています。

2022年4月、景気後退の予兆となる「逆イールド現象」も発生

2022年4月、景気後退の予兆となる「逆イールド現象」も発生

以下の記事で指摘した通り、2022年4月1日には、10年-2年米国債の利回り差がマイナスになる「逆イールド現象」が発生しました。

長期金利と短期金利の差がマイナス=逆イールド現象は「アメリカの景気後退の予兆」です。過去の6回の逆イールド発生時は、逆イールド発生から半年~1年半強で株式の長期上昇トレンドがピークを打つ傾向があることが分かっています。

ただし、1980年9月の時は、2カ月後には株価がピークを打ったこともあるので、のんきにピークをつけるまでにまだしばらく時間があるだろうと思っていると、下落の嵐に巻き込まれてしまうとも限らないことは覚えておかなければなりません。

警戒はしながらも、長期金利の動向を見守る

ここまで、不安材料ばかり上げてきましたが、冷静に考えてみると、FRBは、金融引き締めをし始めたばかりです。当初予定よりもFRBは急ピッチで政策金利は上昇していくことが想定されますが、最も樹注意すべきは、「引き締め(利上げ)の行き過ぎ」です。

日本のバブル崩壊も、引き締めコントロールを間違ったことで起こりましたよね。その点、FRBは過去を学習し市場との対話はうまくなっています。

と、このように考えると、政策金利引き上げから行き過ぎのレベルに達するにはまだ時間があるとの考えに至りました。

金融引き締めの行き過ぎを測る指標があれば、それを見ていくことがよさそうですが、果たして何を見ればいいのか?

これについては、今後の課題としつつ、200月移動平均線に到達した米国債10年物金利がどのように動くのが、もう少し静観をしたいと思います。

最後に

今回は、上昇止まらず200月移動平均線に到達した米国長期金利(米国債10年物利回り)の状況を確認しました。

考えが、まとまっていませんが、現状では、結局のところ、もう少し、動向を静観したいというのが結論。また、金融政策の行き過ぎを示す指標となるのが何か、については、今後の私の課題として、自己研鑽に励みたいと思います。