値動きの激しい仮想通貨市場。
特にここのところ、ビットコインは驚くほどの速さで上昇しており、これからビットコインを保有したいと思っても、怖くて購入ができないのが現状ではないでしょうか。
仮想通貨に限ったことではありませんが、株価/価格が高騰し、イケイケ・ドンドンで相場が盛り上がっている時に、相場の行き過ぎを冷静に判断できたら、購入に踏み切れたり、大暴落に飲み込まれることを避けられます。
そんな判断の一つの指標として役に立つのが対数チャート(ログスケールチャート)です。
今回は対数チャートについて解説の上、現在のビットコインを対数チャートで確認し、今後の投資について考えます。
目次
通常使用するチャートの欠点:錯覚
通常、価格の推移表示に表示に使うチャートは「いくら上下したか」を見るチャートですよね。
このチャート、大変見やすいのですが、値が一方的に上昇・下落した場合、直近の値幅変動が大きくなり、必要以上に相場が動いているような錯覚に陥ってしまうという欠点があります。
ん?錯覚?よくわからないとお思いのあなた。以下の図を見てみましょう。
例えば、1万円から1万円上昇するのと、10万円から10万円上昇するのは、どちらも上昇率は100%で同じですが、チャート上の見た目は、「10万円から10万円」の方が、大きく上昇したように見えます。
一つの銘柄が❶1⇒2万円、さらに上昇して❷10万円⇒20万円になったチャートが1チャート上に表示されると、❶の上昇がちっぽけに見えてしまいます。
このようなチャートの錯覚を防ぎ、「何円上下したか」ではなく「何%上下したか」を基準に目盛りとしてグラフ表示するのが対数チャート(ログチャート、またはログスケールチャート)です。
対数チャート(ログチャート)とは
対数チャートとは、縦の目盛に対数目盛(log scale)を用いたチャートで、ログチャートとも呼ばれます。※方対数グラフとも言います。
この対数チャートを使うと、価格(Y軸)のパーセンテージ変動をうまくとらえることができ、相場の行き過ぎを冷静に確認することができます。特に価格が右肩上がりに上昇していくような長期株式チャートで有効です。
百聞は一見にしかずです。ビットコインのチャートで確認してみましょう。
ビットコインチャート、通常チャートVS対数チャート比較
仮想打通貨ビットコインの暴騰・暴落期間を通常チャート、対数チャートで見比べてみましょう。
なお、チャートには以下も一緒に表示をしています。
・200日線
・2017年バブルの最高値 – その後の大暴落最安値を山・谷とするフィボナッチ線
・一目均衡表
ビットコイン:通常チャート
ビットコイン:対数チャート
過去の上昇期間と比べて、まだ上昇期間が短いですね。
2つのチャート比較
上の2つのグラフを比較すると、随分見た目の印象が異なります。そして、重要なのは、2017年のバブル初期~中期と同じようなカーブを描いて上昇していますが、その上昇期間は、過去に比べてまだ短いという点です。
仮想通貨バブルが起きた2017年も年初から価格上昇をしていましたが、本当にバブルが来たのは、いわゆるバブルの餌食となってしまった、出川哲朗さんの出演するCM(2017年12月開始)がキッカケで仮想通貨に参入した「出川組」が大量に市場に参入してきてたバブル最終版です。
しかも、現在は、2017年バブル時はいなかった米国を中心とする機関投資家、マイクロストラテジーやテスラなどに代表される上場企業による保有など、購入したら売らない長期保有組が増えており、過去より、足の長い投資家が増えています。
投資家心理サイクルとビットコイン
上図は、当ブログで何度も紹介している図ですが、投資家心理チャートで表現したPsychology of Market Cycle(サイコロジーマーケットサイクル:投資家心理と市場サイクル)です。
1. Disbelief(懐疑)
2. Hope(希望)
3. Optimism(楽観)
4. Belief(確信)
5. Thrill(スリル)
6. Euphoria(陶酔)
7. Complacency(陶酔、独りよがり)※間違った買い
8. Anxiety(不安)
9. Denial(拒否)
10. Panic(パニック)
11. Anger(怒り、自暴自棄)
12. Depression(降伏、意気消沈) →再び「1」へ
私個人としては、2020年2月20日現在、ビットコインは4.Belief(確信期)にあると判断しています。もう少し高くなると5.Thrill(スリル)に入ってくるかなぁと考えています。今後も急騰しては下落を繰り返しながら、まだまだ上がるとの考えです。
最後に
今回は、価格変動が激しいビットコインなどを対数チャートで確認する重要性を紹介しました。
暴騰・暴落を繰り返すビットコインをはじめとする仮想通貨は、冷静になって相場状況を確認するために、ときどき対数チャートで相場の行き過ぎを確認してみることをお勧めします。