
投資で成功するのは極めて難しい。
上昇するか、下落するか、確率は1/2。それなのに、多くの人が投資で多くの資金を失い、マーケットからの退場を余儀なくされます。
「負け」の原因は何なのか? その答えを突き詰めれば、「負けの99%は自爆」である。
そう、私はある一冊の本を読んで学びました。
著書「運を支配する」
「負けの99%は自爆」というフレーズは、著書「運を支配する」で20年間無敗の経験を持ち「雀鬼」の異名を持つ桜井章一さん と ビジネスだけでなく麻雀をも極める株式会社サイバーエージェント代表取締役の藤田晋さんが、麻雀やビジネスを踏まえながら、運やツキの流れ、勝負勘などについて語った中の1フレーズ。
本書の中には、投資家なら是非とも心得ておきたい「勝負事への挑み方(心構え)」が満載の良書です。
勝負のプロとして「運を味方につけ、勝ち続ける極意」が学べる本書から、「投資で負ける」ことについて考えてみたいと思います。
「麻雀」と「ビジネス」、そして「投資」
麻雀と仕事。一見関係がないように見えますが、どちらも勝たなければ意味がありません。
以下は、麻雀のルールを記したものですが、これはまさに、ビジネスのルールと同じではありませんか?まさに、麻雀と仕事は無関係のように見えて、同じなのです。
- どんな牌が配られるか分からない「不平等」から勝負はスタート
- 一定のルールに則り、いかに人より早く大きく上がれるかの「相対的な競争」を競う
- 刻一刻と状況が激しく変化する中で、冷静で素早い「状況判断力」が問われる
- 大半の時間は「忍耐」。最終的には「忍耐力」が勝負の分かれ目
これは、「投資」においても同じですよね。
不平等な環境(能力含む)で、刻一刻と変わる状況下で冷静で素早い「情報判断力」が求められるのはまさにおなじ。ヒートアップせず、冷静に忍耐力をもって、勝負時を待って勝負することを求められるのは、まさに投資と同じです。
負けの99%は自爆
負けの99%は自爆。これを理解するには、雀士桜井さんの言葉をそのまま聞いてもらった方が心に響くはずです。以下、著書「運を支配する」から引用します。
激しい戦いも大きな風が巻き起こらない一見クールな戦いも、負けのほとんどは自滅という事実だ。
ほぼ互角の打ち合いでも、息がちょっと上がったり、リズムがおかしくなってちょっと失策をやらかすだけで、あれよあれよという間に対戦相手が崩れてしまう。こちらが勝負をかけなくても、勝手に相手が卓の向こうで音もなく沈んでいく。そんな光景を何千回、何万回目にしたことか。それを見て私は、負けというものは99%が自滅であることを悟ったのだ。
負けの99%は自滅。このことは麻雀に限らず、スポーツでもビジネスでも生き方でも、人が関わるすべてのものにいえることではないだろうか。実際、スポーツでも、ビジネスでも、あらゆる世界で繰り広げられている勝負はつぶさに見ていくと、自滅で「負け」を引き寄せているパターンが圧倒的に多いことに気づく。
わざわざ自ら負けようと思う人はいないのに、なぜ自滅してしまうのか。それは「勝ち」を求める思考や行動のあり方にすでに自滅の要素が含まれているから、としかいいようがない。
「勝ち」に囚われるあまり、おろそかになってしまうものがどれほどあることか。焦りや緊張、不安や迷いといったマイナスの感情も起きるだろう。それによって行動や思考が正しい筋道をたどれなくなることもあるだろう。ミスを犯しても気づかず、修正を怠ることもあるだろう。視野が狭くなって大局観を誤り、相手への気遣いをなくし、信頼を失うこともあるだろう。そんな一つひとつの積み重ねが自滅へのループを確実に描いていくのだ。
投資における最大の自爆は「損切りができないこと」
投資における典型的な負けの原因は、損切りができないこと。
まさに、自滅の典型的なパターンで、自ら負けを引き寄せた(負けを受け入れた)行動。「勝ち」に囚われた考えが、少しでも損をしたくないという思いとなり、正しい思考・行動ができなくなる。
ただ、情勢を冷静に判断し、
・明らかにポジションとトレンドが逆だと考えたら損切。
・ポジションをもったら即損切ラインを設定し、その損切ラインを動かさない など
正しい思考と行動をしていれば、大打撃を被らずにすむ方法と時間はいくらでもあったはずなのだ。
自分のトレードに反省然りです。
相場に復帰できなくなるような、或いは、精神がやむような大きな「自爆」をしないためにも、間違ったと思ったら小さく負けておく。それがとても大事であると肝に命じて相場に挑みたい。
最後に
いかがでしたでしょうか。
負けのほどんどが自爆によるものだと理解いただけたでしょうか。
投資家なら誰もが自分に負け、失敗し、損失を被って、身体で学ばなければいけないことです。これを体得できれば、投資で成功は可能です。
ただ、次回以降、そのような失敗を減らすために、間違ったと思ったら素直に負けを認めて、次のチャンスまで待つ。
そんな投資を極めていきたいと思います。
さて、今回紹介した本ですが、トレーダーなら非常に学ぶところが大きい本です。また、いろいろ気にある部分があるので、機会をみつけて紹介したいと思います。