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テレビ東京の看板番組ともいえるドキュメンタリー「ガイアの夜明け」

今まさにニュースとして賑わっている話題、普通の人は知らないけれども、知る人はその動きに注目する話題など、世の中を一歩先取る情報番組として定評があります。

本書は、2002年から2015年までの13年間、「ガイアの夜明け」のプロデューサーを務めた野口雄史さんが、番組制作を通じて体得した「時代の先読み力」についてまとめた一冊です。現在、野口さんは、テレビ東京の看板報道番組「ワールドビジネスサテライト」のプロデューサーを務めています。

「ビジネスの成功には時代を先取ることが大事」と入れますが、10年先でなくとも、半年先でも先取るのは難しいのが現実。しかし、「ガイアの夜明け」は、新規性があり、まさに今聞いて面白いというタイムリーな情報を切れ味鋭く先取り取材した番組です。彼らスタッフはいかにして、半歩先行く情報をドキュメンタリーにまとめているのでしょうか?

本書では、以下の章構成で、半歩先行く着想力・アイデア力がどのように生まれるかが学べます。

1章:まだ見ぬ”現実”を撮りにいく
2章:まだ見ぬ”シーン”を描いていく
3章:まだ見ぬ”関わり”をつくっていく

まだ見ぬ”現実” “シーン” “関わり”

毎週放送があるドキュメンタリー番組の舞台裏は大変です。正直、取材は取材・撮影してみないとわからないと言います。長期取材をしても、結果的に没になってしまうかもしれません。事実、事件などが生じ、放送できない取材もあったと言います。しかし、ドキュメンタリーの取材者は、「これは面白くなりそうだ」「世の中に伝えなければならないことだ」という”兆し”や”可能性”を感じ、取材に向けて走り出します。

ここで大事は、「どの断面を切り取ればドキュメンタリーとして描けるか」同じ取材対象でも、どう切り取るかで面白さ・鮮度は全く異なったものになります。しかも、番組のコンセプト上、”経済性”も盛り込まなければなりません。まだ見ぬ”現実”,”シーン”,”関わり・つながり”を俯瞰し、つなぎ合わせていかなければならないのです。

つまり、いかに情報をまとめるか、というアイデアがとても重要になるのです。

たくさんの1字情報に目を通し、徹底的に考える

番組を作るには、取材先を見つけなければ話になりません。そのために、野口さんが情報源としていたのはメインが「新聞」、それに加ええてニュース番組や他のドキュメンタリー番組などです。

このような情報を「1次情報源」として、徹底的に考えながら読むそうです。
・このニュースの背景にある日本の課題・問題は何か?
・その新しい商品は、何か問題の解決に役立つのか?
・これを番組で取り上げると、他でも参考になる、良い取り組みなのかどうか、普遍性があるのかどうか?
・どのようなメッセージが込められるのだろうか?

上記のような考えを持ちながら、読むことは大変な労力を要する作業です。しかし、野口さんは、「ただ漫然と記事を読むだけでは、”兆し”をとらえることできない」と言い切ります。必死で考え読み解くからこそ、記事の背景がわかり、世の中のつながりや、将来の兆しが見え、番組をまとめるアイデアが生まれてくるのです。

さらに情報を昇華させる

上記のように熟考しながら読んでも、アイデアに昇華できない1次情報も多数存在します。

しかし、「何かなんか心のなかでひっかかる」

そう感じることがあると言います。このような記事はそのページごとファイリング。分野別に付箋をつけて大雑把に分類して寝かせます。そして、2ヶ月毎に再び目を通すのです。すると、別の情報と組み合わさり、別のアイデアへつながっていくことがよくあると言います。

私を含め多くの方は、ニュースに触れても「ふーん、そうなんだ」と思うだけで、その背景や他との関連性を熟考・昇華させることなく、ただ、目の前を流れていくだけだと思います。

しかし、着想力・アイデア力を高めるには日々のこうした訓練がとても大事であることを思い知らされました。
一度目を通した情報を一度保留。後で見返し昇華ようという意識があるかで情報の質は何倍にも高まると、改めて再認識させられました。今後、少しは意識したいと思います。