国民を不安にする銀行、金を貸さない銀行に存在意義はない

「晴れの日に傘を差し出し、雨の日には傘を貸さない」と揶揄される日本の銀行。本来、銀行の役目は、経済の血液である「お金」を円滑に流すことです。しかし、融資に後ろ向きな銀行の姿勢によって、お金の流れは絶たれ、これが企業の活性化及び地域経済の成長に悪影響を及ぼしています。

金融不安に陥れば、融資先中小企業に対し、貸し渋り・貸し剥がしを行いながら、いよいよ銀行が危機に直面した時は、護送船団方式で公的資金が注入される。
また、一消費者の目線から見れば、低金利で銀行に預金しても金利がほとんどつかず、逆に引き落とし手数料負けしているのが実情。借りる側にとっても、カードローンなどの金利は消費者金融と変わらず、住宅ローンすら、住宅金融支援機構の「フラット35」に負けています。

このような銀行の存在意義の低下により、本書の著者、経済評論家の渡邉氏は、タイトル通り、「5年後には銀行は半分以下になる」と提言します。本書では、銀行に求められることは何かを明らかにした上で、危ない銀行、および、生き残りのために銀行がすべきことについて、著者の意見がまとめられています。

淘汰されるのは「地方銀行」「第二地銀」

バブル崩壊以降、銀行業界は再編・合併が繰り返されてきました。その中で、都市銀行は規模の利益やグローバル化を推し進め、一方、信用金庫は「地べた」の営業を行い、地域密着型の営業を進めてきました。それに対し、非常に中途半端な立ち位置にあるのが、「地方銀行」や「第二地銀」です。

地方銀行は、少子化や地方の過疎化が進む中、ますます顧客獲得に苦慮することとなり、5年後には、地方銀行及び第二地銀の数は今の1/3まで淘汰されるだろうと著者は予測します。

地方銀行の生き残る道は、地域に貢献する仕組みをつくること

新規顧客を開拓したくても融資先がないとか、資金需要がないという声もあります。しかし、地方銀行の生きる道は、地域に貢献する仕組みをつくることしかありません。

お金は経済の血液であり、銀行はそれを送り出すポンプであり、ポンプで血液がうまく流れる仕組みをつくることも銀行の大事な仕事の一つです。国家規模の大掛かりな仕組みは別として、各地域において、お金がスムーズに流れる仕組みを考えることが、今後、地方銀行が生き残るカギです。

その策として、著者は、以下の2つの普及を挙げています。
・リバース・モーゲージ
・ノンリコース・ローン

リバースモーゲージでシニア向け融資

リバースモーゲージとは、自宅(持ち家)を担保にして、そこに住み続けながら金融機関から融資を受けられる主にシニア層向けの融資制度です。 特に地方で進む高齢化において、老後の資金は大きな問題です。死亡後は自宅を売却して、その代金を融資の一括返済に充てるリバース・モーゲージは、今、地方銀行が地域に密着しながら生きていくためのツールとなります。

ノンリコースローンを普及させよ

ノンリコースローンとは、ローンの返済についての原資となる範囲に限定を加えた融資の方法です。原則として融資対象の物件以外に債務の返済義務が及ばない事が大きな特徴です。契約者の債務を軽減させることができれば、融資を望む人も増え、銀行も地域の経済発展に貢献することができます。

著者も、本書はじめに述べている通り、日本は、リーマンショック以降、世界で起こった金融危機の影響を最も受けなった国の一つだが、それは日本の銀行が他国の銀行に比べて、近郊本来の機能(金融仲介機能、信用創造機能、決済機能)を十分に果たしてこなかったことの裏返しです。
高給取りで、手数料の高い、つまり、客が損する可能性が高い信託商品を売りつける銀行には、個人的にも納得できません。いっそのこと、銀行が淘汰され、他の業界のように、もっと顧客サービスに徹した体質に変貌してくれることを望みます。

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