もしこれから起こる変化に適応したければ、まず僕たち自身がその変化に気づき、
自らの選択と行動を変えていくしかない。
ただ漠然と周りに流されて、意味も感じられないのに学校や会社に行く毎日。
政治や社会や会社のせいにしてただ愚痴を重ねる。
そんな現状から抜け出して、自分らしくワクワクしながら生きたい。
あなたがもし、そう心の底で願っているとしたら、前に踏み出すその一歩を、僕は心から応援したい。

現在、NPO法人のプロジェクトリーダーを務める著者は、過去、リーマン・ショックを機に勤めていた証券会社を飛び出し、2年間の世界の国々を回り、「なぜ貧富の差は生まれるのか」、「どうして経済的に豊かになっても、自殺する人がいなくならないのか」等、本の中には見つけられない答えを探しまわった経験を持つ。

本書は、そんな世界中の人々の暮らしを垣間見た著者が、「今訪れつつある世界の変化」と、「その中で自分らしく生きるための7つの力」を提案した一冊です。漫然と生きるのではなく、挑戦をしながら「自分らしく生きる」方法を提案しています。非常にオススメできる良書です。

今、起きている4つの変化

ひと昔前に比べ、将来が予測しづらくなった昨今。では今、世界で起きている変化とは何か?著者は以下の4点を挙げています。

変化1.つながる世界
変化2.速度を増す世界
変化3.これまでの価値基準が崩れる世界
変化4.分け合う世界

上記の変化が起こっている理由は複数ありますが、結果として、インターネットを自由に扱う世代は、国家の制度や年長者の習慣がどうであれ、自分が生きている社会以外の価値観に簡単にアクセスできるようになりました。そして、いろいろな「正しさ」に簡単に触れられるようになったことで、自分が生きている社会以外の価値観に簡単にアクセスできるようになり、結果、これまでの価値基準が崩れています。

一方、ミニマリストや断捨離など、所有することにこだわらないライフスタイルを選ぶ人が増えているのは、つながることにより、ひとりの人間が手にできるものなんて限られていること、そして、シェアすること自体が、お金に換算できない喜びや自分自身の成長につながることを知ったからです。故、損得を超えて経験や知恵を共有することに価値と喜びを感じる人は、確実に増えてきています。

世界各国で生まれている歪み

上述の変化の結果、世界各国を旅した著者は以下のような歪みが生じていると指摘します。

歪み1.機械に置き換えられる人々
歪み2.打たれ弱い大都市と予測不能な自然
歪み3.一次産業から失われる多様性
歪み4.お金が目的にすり替わる資本主義

多くの人の仕事が機械にとって代わられ、貧しい人たちの生活がますます窮地に追い込まれるかもしれない未来は、「結果と効率」を重視しすぎる今の僕たちが作ろうとしている未来とも言えます。

「結果と効率」を重視しすぎる象徴が「大都市」であり、都会では、通常はほとんどのことが予定通りに進むという「安心感」があります。
しかし、どれだけ便利で安定しているように見えても、それはやはり人間が作ったシステムに過ぎません。故、自然災害等、自然が大都市がコントロールできる範疇を超えた時、大パニックが生じてしまう。我々は巨大なシステムを過信し、依存し過ぎているのです。

また、一方で、資本主義というシステムにつかり切ってしまった我々は、自分や家族の豊かな生活を実現するための手段としてあるはずの「お金」を「お金があれば幸せになれる」「お金がなければ幸せになれない」と、お金時代を目的として考えるようになってしまっています。

働き方、お金の使い方、学び方をどう変えていくか

この時代の中で、自分らしく生きようとするなら、我々は、働き方、お金の使い方、学び方を変えていく必要があります。

ここで、キーワードとなるのが「機械から生命へ、効率からバランスへ」です。
コピー&ペーストできないものが独自の魅力を持っています。我々は、オリジナリティを持って生きることが望まれるのです。

自分らしく生きるために必要な7つの力

では、自分らしく生きるために必要な力とは何なのか?著者はその力を以下の通りまとめています。
チカラ1.ゼロから価値を創り出す力
チカラ2.自分を変える力
チカラ3.違いを認め、楽しむ力
チカラ4.表現し、伝える力
チカラ5.意外なものを組み合わせる力
チカラ6.見えないものを感じ、扱う力
チカラ7.自分らしくいる力

オリジナリティとは「価値」のこと。この価値には二つの側面があります。

有用性:目的を果たすためにそれがどれだけ役に立つかという価値
希少性:それが他と比べてどれだけ貴重かという価値

例えば、海外に行くと、自分の名前を漢字で書いてあげるだけで、非常に喜ばれたりします。日本国内にいてはそれが当たり前のことであっても、海外に行くとそれが希少性という「価値」になったりするのです。

自分らしさを最大化するには

「自分らしさ」「オリジナリティ」を高めるためには、まず、自分を知ることが大事。自らのルーツを知り、さらに、その違いを体感するために、異世界に飛び出すことが大事です。

外に飛び出す勇気を持ち、オリジナルなものを持つこと。多様性を受け入れ、しなやかさを持つことが、激動の時代を生き延び、真に豊かな人生を送るための鍵となります。

過去記事「2015年 MY BEST 投資本・経済本・生き方本」で、本著者の過去本「なぜ日本人は、こんなに働いているのにお金持ちになれないのか? _21世紀のつながり資本論」を年間ベスト本として挙げています。

世界を学びながら日本人が幸せでない理由が学べる一冊です。こちらも、合わせてどうぞ。