能力、体力、その他、生きていると自分自身の限界を感じる場面が訪れます。

果たして「限界の正体」とは一体何なのか?
また、どうしたら限界を超え、その先に行けるのか?

それをトップアスリートの経験を持つ為末さんが自分の経験を踏まえて書き下したのが本書。

為末さん曰く、限界とは、人間の作り出した思い込みであり、「壁」ではなく「檻」のようなものだと解説します。

スポーツの世界では、これが人類の限界だと言われてる記録を一人が更新すると、次々とその記録を上回る成績を出す人が現れることがよくあります。これは、周囲の環境に左右され、多くの人が自分の限界のもっと手前を限界だと思い込んでいるからです。これは、手前に立ちはだかる「壁」というよりも、むしろ、「檻」の中に自ら入り、もがいているのだと説明します。

本書には、トップアスリートととして「限界」と何度も対峙した経験を持つ為末さんだからこそ、納得のいく言葉が随所にあります。自分の限界を突破したいと考えるビジネスマンには大変に参考になる良書です。

限界を作り出す要素

限界を作り出す要素は色々あります。
・憧れ
・成功体験
・モチベーション
・周囲のアドバイス
・事前情報
・わかったつもり
・地位や名誉
・嫉妬心
一般的によいといわれることも、その捉え方次第で、かえって限界を作り出してしまうことになります。

例えば、「大きな夢を持ちなさい」とよく言われますが、実は、成功しているアスリートほど、「遠くにある大きな目標よりも、目の前にある小さな目標を優先」、「目の前の問題を解決し、改善を繰返している」のです。

また、高すぎる目標はモチベーションがコントロールしにくい状況があります。届きそうと思えるようなちょうどいい高さに目標が設定できさえすれば、モチベーションは自然と高まります。
地位やお金をモチベーションにする人も多くいますが、それにもデメリットがあります。それが手に入ってしまうと、今度はそれを失いたくないという損失回避の心理が働いて、守りに入ってしまうからです。「現状維持は停滞」と考え対応する必要があります。

根性は大事なのか?

根性論とは「強い気持ちがあれば、何事も成し遂げられる」という思考法です。気持ちの強さは量や時間によって測られます。
しかし現在は、努力より「戦略/戦術」が重要視される時代です。努力さえすれば勝てるという時代ではありません。日本人は積み重ねの傾向が強すぎ、自分を枠にはめがちです。量を積むことより、むしろ、考える力を重視すべきです。

限界は「Why」でなく「How」で考えとうまくいく

限界を感じるとき、人は「なぜうまくいかないのか」と「why」で考え、できない理由を見つけようとします。しかし、「why」は物事を理性的に考えるプロセスです。理性でつくられたモチベーションはそれほど長続きしません。

例えば、限界を超えるために「努力しよう」と考えることは多いと思いますが、「努力」という言葉にはワクワク感がありません。努力は「他にやりたいことがあるのにできない」という葛藤とセットになっているからです。

人間は理性的になりすぎる傾向があるので、モチベーションを継続させたいのであれば、頭ではなく感情のエネルギーを利用した方が得策です。ワクワク感が人を動かします。

ワクワクするには、「why」ではなく「how」で考える思考が大切です。「なぜ、この山に登るのか」を考えるより、「いかにして、この山に登るのか」を考えた方がワクワクします。

脳をダマして感情をコントロールせよ

人は感情をもとに行動していると思っていますが、実は、行動が感情を決めています。故、楽しくなくても口角を上げて笑顔を作っていると、楽しくなります。つまり、行動や表情を変えることで、感情をコントロールすることもできるのです。限界を超える自信がない時は、「自信があるフリ」をして脳をダマしましょう。

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