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1954年のゴジラをちゃんと知らない私。
ハリウッド版ゴジラに見られるように、「ゴジラって、口から火を噴いて大都市が破壊される(のがメインの)映画でしょ。」と思っていました。

シン・ゴジラに対して、そんな見方は大きな誤り。いい意味で裏切られました。面白いです!

この予告編を見ただけでは、まるで、ストーリーはわかりません。戦略なんでしょうね。核心部分はまるで描かれていません。

シン・ゴジラ ストーリー(ネタバレあり)

東京湾に一隻の小型船が漂流されているのを海上保安庁が発見。
中に人影がいないことを確認した正にその時だった。

突然、海上に巨大な水しぶきが噴出。と、同時に東京湾アクアラインに亀裂が生じ、赤黒い液体が漏れ出した。

急遽、政府緊急会議が招集。各方面から情報を集めるも状況は把握できない内閣閣僚たち。常識的な判断から、海底で何らかの自然現象が発生したであろうと断定し、国民への不安を和らげる目的もあり、総理が記者会見。

その会見の最中、テレビ中継で映し出されたのは巨大生物の姿だった。

湾から上がった巨大生物は爬虫類のような水辺を這って前進する生物。時折、赤い体液を噴出させながら移動する巨大生物は、大田区内を次々に破壊しながら内陸への移動を進めていった。しかも、生物としての進化を見せながら・・・。

どうしたら東京を守れるのか?

前例のない事態に慌てふためく内閣。しかし、この緊急事態に事態を収拾、国民を守るために即行動しなければならない国の中枢では、
・何よりも優先される「法」や「意思決定ルート」
・日本国の大事にも、優先される米国の主張
・繰り返される「想定外」発言
・自衛隊の力をもってすれば、何とかできるだろうという楽観論
・非常事態を期に出世を狙う輩 等
というありさまでした。

そんな中、巨大生物は進路を変え、東京湾へ帰還。難を逃れた東京でしたが、行方をくらましてしまったのでした。

緊急に編成された、各省庁、研究機関から集められた若手舞台。それを指揮するのが主人公の内閣官房副長官・矢口(長谷川博己さん)。

果たして、巨大生物はどこに消えたのか。
そして、あれだけの進化とパワーのエネルギーとなっているものは何なのか?
調査を進める上で上がったのが「核資源」でした。

そんなことがあり得るのか?
なかなか原因が究明できない中、現れたのが、米国大統領特使・カヨコ・アン・パタースン(石原さとみさん)。
彼女が持ってきた情報により明らかになったのは、東京湾で発見された小型船に乗り行方をくらました(自殺した)のが、巨大生物「ゴジラ」の出現を予見し研究を研究者ということでした。船内に残っていたメッセージと資料。しかし、解読不明です。

そんな中、進化したゴジラが再び神奈川県に上陸。
東京に向かうゴジラを阻止するために、自衛隊が国の最大兵力を使って多摩川越えを阻止するべく攻撃を実施。しかし、ゴジラには傷一つ負わせることができなかったのでした。

さらには、圧倒的な力を見せたゴジラに、経済的大打撃を受けた東京。霞が関・永田町も破壊され、総理大臣はじめ閣僚を乗せたヘリコプターも破壊。指令系統を失ってしまうのです。

とネタバレストーリはここまで。残りは劇場で!

シン・ゴジラの感想

1954年のゴジラが「核の落とし子」であり、戦争の象徴だったのに対し、新ゴジラは東日本大震災で味わった「放射能の影響力と津波の恐ろしさ」を象徴するような存在として描かれています。怪獣・特撮映画ではありますが、社会的・国家的ヒューマンドラマでもあります。

法・意思決定ルールに縛られて、国の大事にも自衛隊が武力を行使できない日本の姿は印象的。一方、秘密裏にゴジラの研究を進め、ゴジラ阻止のためにいち早く自衛隊よりも強い武力を日本に派遣する米国の国としてのパワーも印象的で、リアリティがあります。
途中、矢口がボソッと発言した「線路は続くよどこまでも」の替え歌、「戦後は続くよどこまでも」という言葉に現在の日米が象徴されています。

また、進化を遂げたゴジラがすごい。
放射能を帯びた火炎を口から吐く姿は健在ですが、そのパワーがすざましい。紫色の放射能ビームを口と背びれ全体から放出する姿は圧巻。ゴジラの生態究明からわかった、撃退法も、新しく新鮮です。

国の中枢の人間、そして、科学者が日本をそして世界を守ろうと、寝るのも惜しんで奮闘する姿は胸を打たれます。

破壊から始まる日本復興。
それは、戦後、震災の経験が我々に教えてくれたことです。
非常時に強さを見せ、それをばねに立ち上げる日本へのメッセージが込められている映画だと思います。

ゴジラ素人で、あまり多くの作品を見たことがありませんが、 ハリウッド版ゴジラより、庵野秀明監督の日本版のシン・ゴジラの方が、映画の内容が濃い!ゴジラを襲撃するシーンはハリウッドに負けますが、ストーリーとしてはこちらが断然面白い。(ただし、ちゃんと理解しようとすると、内容が硬派で難しめなので、もう一度、劇場で確認が必要かもしれません。)

自衛隊好き、鉄チャンも、映画の細部に魅了されると思います。

一点、納得いかなかったのは、「シン・ゴジラ」のタイトル。
過去のゴジラに敬意を払ってなのかもしれませんが、全く全体の構成にマッチしていません。完全に浮いています。過去作にとらわれる必要はなかったんじゃないかなぁ。。。ここは残念です。