マーケットは短期的に見ても長期的に見ても、一方向に動くことはない。
買われ過ぎから売られ過ぎへ、そして売られ過ぎから買われ過ぎへと動くものだ。
統計はそれをはっきりと証明している。
故に、いつが本当に買われ過ぎで、いつが本当に売られ過ぎなのかをきちんと見極められるかどうかが大切だ。

では、トレードで成功するには何が必要なのか。著者のコナーズは「エッジが必要」といいます。

本書では、参加者の感情を定量化することを目的とし、米S&P500の株価をもとに短期的に相場がどう動くかを統計に分析。トレンドフォロー戦略、出来高、RSI、ヒストリカルボラティリティなど、相場で常識とされている戦略が本当に短期トレードで機能するか、シンプルなルールで検証を行っています。

「相場の常識は非常識」という事実

検証の結果見えてくるのは、「相場の常識は非常識」という事実。

例えば、「相場が強い時に買い、弱い時に売る」のは相場の常識。これは、短期的な新高値での買いは相場が堅調な兆候、短期的な安値での売りは相場が弱い兆候とされるからです。
しかし、検証結果からは、短期トレードの場合、短期的に下落したときに買う方が、短期的に上昇した時に買うよりもパフォーマンスがよいという結果が導き出されています。

長期的な上昇トレンド途中で押した銘柄を見極めるための非常に単純な入れ替え戦略

本書にはシンプルな短期売買戦略が検証を元に紹介されていますが、そこから導き出される短期トレード戦略が、「年平均でS&P500を10%以上を上回る成果をもたらす、入れ替え戦略」です。

  1. 毎週1回、金曜日の大引けにトレードシュミレーションを実施
  2. トレードは、その日にS&P500が200日MAを上回っているときのみ
  3. 株価がその200日MAを上回る銘柄のみをトレード対象とする
  4. 数日間連続した後の方がリターンが良いという考えを適用。その銘柄が昨日と今日の2日連続して下落していることを条件とする
  5. RSIが売られ過ぎの銘柄を選択。RSIは15以下
  6. ボラティリティは低い銘柄を選択。00日ヒストリカルボラティリティ(HV)が35以下の銘柄しかトレード対象としない
  7. 金曜日の大引けに最大で10銘柄を買う。各銘柄当たり最大で10%までとする。10銘柄以上が条件に当てはまる場合は、その中で100日HVが一番高いものをトレード対象にする。短期ではそれが一番上げやすい
  8. 翌週の金曜日の大引けで手仕舞い。S&P500構成銘柄の中から次の10銘柄と入れ替える

この方法で、累積純益増加しただけでなく、ボラティリティはS&Pより70%低くなったそうです。

最もボラティリティの高い区分の銘柄は避けよ

投資で儲けるためには、一定のボラティリティが必要ですが、コナーズは、「急成長株、つまり、最もボラティリティの高い区分の銘柄を避けよ」と説明しています。

多くの場合、これらの銘柄はサクセスストーリーを実現した企業であり、見事な情報トレンドを描いているように見えます。しかし、それらが下落するときは、ポートフォリオの損益に大打撃を与えがちです。

ボラティリティの低い銘柄を持つと、ポートフォリオのリターンが安定します。それらの銘柄によってリターンは着実に向上し、ボラティリティもリスクも下がるのです。

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